TOKYO MX地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。3月1日(金)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、ハピキラFACTORY代表取締役で慶応義塾大学大学院 特任助教の正能茉優さんが、海外で法案化や条例化が進む「勤務時間外の業務連絡」について、持論を述べました。

現在、海外では勤務時間外に上司が部下などにメールや電話をしない条例や法令の導入が進んでいます。しかし、日本では進んでいないようです。
NTTデータ研究所が、2018年に会社員1,100人を対象に実施した調査データによると、「就業時間外に月1回以上、上司からの緊急性のない電話やメールに対応している」との回答は約32%。「メールは毎日対応している」は約9%いました。

◆欧州では既に法律化
正能さんはまず、法令や条例の導入が進んでいる海外の事例を紹介しました。

フランス
2017年、時間外のメールをどう扱うかの社内ルールを労使で協議するよう法律で義務づけ

イタリア
2017年、働く場所や時間を選ばない「スマートワーカー」を保護するための法律が成立

ニューヨーク
従業員に勤務時間外のメールなどへの返信を強いることを禁じる条例案が審議中


◆“いつでもつながれる”は「常に追われている状態」

このように、海外では“つながらない権利”が進む一方で、制度化が進まない日本社会について分析。働き方改革の1つに、時間や場所に縛られない働き方というものがあり「働き方のデジタル化がどんどん進んでいる」と話します。
メールLINEなど“いつでもつながれる”ことは便利な反面「常に追われているような状態。働く人にとってすごくしんどいことなんじゃないか」と指摘します。

“いつでもつながれる”ことに加え、通信手段が手紙からメール、そしてLINEやメッセンジャーへと変化したことで、業務における連絡リズムテンポアップしていると言います。そして、連絡リズム(=コミュニケーション)の高速化は「人生自体をテンポアップさせていることにつながっているのでは」と主張します。


さらには、テンポアップすることで、今後私たちの暮らしに影響を及ぼすかもしれない「3つの可能性」を挙げました。

1.ドラマや映画の「早送り鑑賞」が流行る!?
倍速での鑑賞など、作品のストーリーや“間”を楽しむよりも、結論を急ぎたがる

2.歌詞を詰め込んだ「もはや呪文な歌」がより流行る!?
情報をより早く知りたいという聴き手に対し、歌詞を届ける作り手は「早口にならざるを得ない」

3.「予測変換」が効かない自分の口にモヤモヤするようになる!?
予測変換機能でテンポアップした連絡に慣れたことで、喋るときに「もっと早くいろんなことが言いたいのに!」と感じる

正能さんは、最近の学生がパソコンではなく、スマートフォンでレポートを作成する光景をよく見るとか。若い世代は予測変換に慣れ親しんでいるため、「思考とアウトプットのスピードが合いやすい」との言葉に納得したそうです。


正能さんの話を受けて専修大学経済学部准教授の恒木健太郎さんは、ヨーロッパには「奴隷制」の影響があると言います。イギリスの工場法をはじめ19世紀から労働時間の規制に取り組んでいたそうで、それは、「自分の人生を売り渡さないため」だと論じます。
日本の場合、ヨーロッパのような経験が乏しいため、「社畜になりやすいという説もある」とし「会社の経営スピードに合わせて自分たちの人生もテンポアップしなければならないのは、生活のリズムまで支配されてしまう恐れがある」と危惧しました。


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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイトhttp://s.mxtv.jp/morning_cross/

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