俳優の高良健吾が、異常者のゆがんだ愛の形を描く安里麻里監督の映画『アンダー・ユア・ベッド』で、主演を務めることが発表された。高良演じる主人公が愛する女性の自宅に潜入し、ベッドの下から彼女をのぞき見る不気味な姿を写し出すカットも公開された。

【写真】『アンダー・ユア・ベッド』主演の高良健吾

 本作は、大石圭の同名小説が原作。他人から存在を無視されてきた男が、愛する女性をのぞき見し続けるというゆがんだ形で、悲惨な境遇にある彼女を救おうとする様を描く。KADOKAWAハピネットの共同制作でホラーやサスペンスの先鋭的作品を開発・発信する「ハイテンション・ムービー・プロジェクト」の第2弾作品となる。

 家でも学校でも誰からも必要とされず、存在を無視されてきた三井直人(高良)は、学生時代に初めて「名前を呼んでくれた」女性との11年ぶりの再会を夢見て、追い始める。しかし、目の前に現れた彼女は別人のように変わっていた。彼女に何が起こっているのか。直人は彼女を監視するようになり、自宅に潜入してベッドの下で真上の彼女を思い始める…。

 主演の高良は撮影を振り返り、「いつもより個人的な想いが多くある現場だった気がします。続けてこられたからこそご褒美が多かったというか。若い現場だったのでエネルギーもあって気持ちがいい組でした。この作品は心から痛々しくて不気味ですから、ご褒美、気持ちがいいという想いは現場中にはゼロ、むしろマイナスになるのですが、それでも、確かにあったと今でも思える日々、現場でした」と語る。また作品について、「観る人をなんともいえない気持ちにさせる作品なのかもしれませんし、R指定がついているので観る人を選んでいますが、笑えるか笑えないかは気分次第の不気味な愛と緊張がある作品だと思います」としている。

 安里監督は「ただ『名前を呼んでくれた』という些細な事が、主人公・三井にとっては、かけがえのない幸せの記憶。その女を妄想的に想う。変質的であり、純粋でもある。この危ういキャラクターを描いてみたかった」と話す。主演の高良については「繊細な役どころで、同じシーンでもニュアンスを変えていくつか芝居をしてもらう事があった。こちらが一言投げかけるだけで、まるで別人のような顔つきに変わっていて、よく驚かされた。『目を離してる間に何か塗りました?』とメイク部に聞いたほど。とんでもない役者と出会ってしまったと思う」と激賞している。

 映画『アンダー・ユア・ベッド』は今夏に全国公開。

『アンダー・ユア・ベッド』に出演する高良健吾(C)2019 映画「アンダー・ユア・ベッド」製作委員会