エディ・マーフィ主演の1992年の映画『ブーメラン』。生き馬の目を抜く広告業界で、口達者なエディ演じるプレイボーイが恋に仕事に大忙しのロマンティック・コメディだ。映画公開から20年以上の歳月を経て、その子どもたちを追ったコメディBoomerang(原題)』が登場。米ケーブル局のBETで2月中旬から放送されている。

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♦︎親の七光りは、恋の大敵?


紆余曲折の末、映画版では同僚のアンジェラ(ハル・ベリー)と結ばれたマーカスエディ・マーフィ)。二人の間に生まれ、26歳に成長した娘シモーヌ(テトナ・ジャクソン)がドラマ版の主人公だ。両親と同じく、華々しい広告業界で働いている。しかし、父も母も業界の著名人とあって、何をするにも親の評判が付きまとうのが彼女の悩み。一人のプロとして認められ、自分の名前をアトランタの広告産業に轟かせる日を夢見ている。

もう一人の主人公である男性社員のブライソン(テクアン・リッチモンド)にも、実は同じ悩みが。彼の親は、マーカスの元上司であり、かつ業界の大物でもあるジャクリーンロビンギヴンズ)。親の評判から逃れられないとあって、似た境遇のシモーヌとは大の親友。恋心すら抱いているが、親同士が元恋人同士という関係だけに、距離感を測りかねている。仕事に恋に悩めるシモーヌとブライソンを追った、全10話のロマンティック・コメディだ。

♦︎92年作品のリブート


オリジナルの映画版は、タキシードに身を包んだエディ主人公。化粧品会社の宣伝担当マーカスを口達者に演じた。野心的で仕事熱心な上司のジャクリーンと気品溢れる社員のアンジェラの間で、マーカスの恋愛感情は揺れ動く。女性の活躍が印象的で、手の届く範囲にある魅力的な未来を当時の少女たちに示した作品だった、とNew York Times紙は振り返る。

映画版の良さを受け継いだ作品、とEntertainment Weekly誌はコメント。前作と同じく、主人公ペアが友人たちと出掛けるだけのシーンを観ていても、愉快な気持ちになれる作品だ。エキゾティックなダンサーティア(ララ・ミラン)に敬虔な牧師のデイヴィッド(RJ・ウォーカー)と、バラエティー豊かな面々が脇を固める。映画版はややレビューが振るわなかったものの、今作の評判は極めて良好だ。

♦︎新しい奇跡を見せて


パイロット版の脚本を担当したリナ・ウェイス(『マスター・オブ・ゼロ』)はNew York Times紙の電話インタビューに応じ、ドラマ化にあたっての挑戦を語っている。曰く、原作映画の遺産を継承しつつも、フレッシュで面白い新要素を持ち込みたかったとのこと。第29回GLAADメディア・アワード授賞式にて、ウェイスは映画版のヒロインを演じたハルより受賞を受けた際に、バックステージでTVドラマ化のアイデアを打診。ハルは快諾したが、のちに電話で詳細を詰めた際、「リメイクはダメ。あの作品は奇跡だったから。新しい奇跡を見せて」と注文をつけた。そこでウェイスは、映画版のその後に想いを馳せることに。マーカスアンジェラ子どもに焦点を当てる着想は、こうして生まれた。映画公開から26年が経つことから、主役の年齢は26歳に設定。その年頃なら親を煙たがるだろうと考え、非常にリアルな視点で設定を見極めていったようだ。

映画版でのハッピーエンドから約25年後の作品、とEntertainment Weekly誌も原作からの時の経過を強調。両親の影響を嫌いつつも、その自信満々の性格はすっかり父親譲りというシモーヌ。ブライソンとの距離感が気になるが、両親の後を追う形で業界内での恋愛成就となるだろうか。

時を越えてリブートを果たした『Boomerang』は、米BETで放送中。オリジナル映画『ブーメラン』は、日本からもAmazon Prime Videoで視聴可能。(海外ドラマNAVI

Photo:エディ・マーフィ © DARA KUSHNER/FAMOUS
ハルベリー © NYKC