発売も迫る『ディビジョン2』。今回は、本作のカギを握る開発のキーパーソンであるふたりによるインタビューをお届けする。まずは、前作に引き続き、本作の開発を手掛けるMassive Entertainmentから、クリエイティブ・ディレクターであるジュリアン・ギャリティ氏の声をお届けしよう。


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――『ディビジョン』の発売から3年経ち、正統続編となる『ディビジョン2』が発売を控えていますが、前作と本作を比較して違いがある点は?

ジュリア 多くの違いがありますが、明確にわかるのは舞台がワシントンD.C.になったこと、季節が冬ではなく夏になったことです。それ以外でも、戦闘の基本的な部分をより直感的で直接的に楽しめるよう大きく変更したので、よりシューターに近いゲーム性になっています。

 また、RPGシステムにもさまざまな変更を加えました。エンドゲームはだいぶ変わっていますね。エンドゲームにまったく新しい機能を加えたことで、ゲーム全体が変化したと言えます。すべてのメインミッションと拠点を見直して、それらをオープンワールドに投入したことで、絶え間なくアクティビティが提供されます。もちろん、新しい要素はまだまだたくさんありますよ。

――エンドゲームコンテンツもたくさん用意されていますね。

ジュリア エンドゲームは単純なアクティビティではありません。このオープンワールドゲームのすばらしいところは、メインミッションサイドミッションアクティビティ、ダークゾーンが目標を達成するごとにアンロックされ、世界がどんどん広がっていくことです。エンドゲームに到達したとき、プレイヤーが手にするものはたくさんあるので、そこからどのアクティビティを選ぶかはプレイヤー次第になります。

 それ以上に、プレイヤーエンドゲームに引き込むためにナラティブはもちろん、プレイフックとなるものを作りました。それが“ブラックタスクBlack Tusks)”です。彼らはワシントンD.C.に侵攻してきて、拠点やミッションを奪取します。これによって、プレイヤーの戦闘だけでなく、プレイペースにも変化が生まれました。


――本作ではプレイヤーにどのような経験を楽しんでほしい?

ジュリア 本作は、プレイヤーがどのようにゲームプレイしたいか、その選択に順応します。ソロでストーリーメインシューティングを楽しむのもいいですし、協力プレイで攻撃的なプレイを楽しみたければ、それも可能です。ステータスを変えてハイレベルなチャレンジに挑戦するのもいいでしょう。プレイヤーによって30時間、50時間、100時間と、プレイしたい時間も違います。どのようにプレイしたいか、その要望に対応してくれるゲームです。

 また、リニアゲームではないので、どのようにアプローチするかもプレイヤー次第となります。プレイヤーはそれぞれ違うやり方で遊ぶと思いますが、たとえばマティアス(マティアス・カールソン氏。本作のゲームディレクター)は自分よりもずっとハードコアプレイを楽しむタイプですが、私はソロでじっくりストーリーを楽しみたい。ダークゾーンにも入りますが、自分は勇敢なプレイヤーではありません。でも、マティアスはどんどん突っ込んでいく(笑)。どちらのプレイにも対応できる本作は、いろいろなタイププレイヤーが楽しめるハイブリッドゲームと言えますね。

――『ディビジョンシリーズプレイしたことがない人にこそ注目してほしい本作のポイントは?

ジュリア いい質問ですね! 私がこのゲームを作っていていちばんワクワクしたのは、ワシントンD.C.のような都市を実物と同じスケールで、地理情報システム(GIS、Global Information System)を駆使して正確に再構築を実現できたことです。そんな都市を作り上げて、そこからすべて破壊しました。

 パンデミックによって大きく変わった世界は、現実とはまったく違うものになってしまうでしょうから。そんな状況を引き起こすストーリーもおもしろいので、そこを見てください。こんなゲームはほかにないと思います。


――ちなみに、“GIS”とはどのようなシステムなのですか?

ジュリア 人工衛星や現地調査などから得られた膨大な地理情報のデータを管理するシステムです。これに加えてライダー(LIDAR、Light Detection and Ranging)のデータを使い、地面や山、建物などの高さも再現しました。GoogleマップGPSなどに使用しているものと同じ情報を、本作には使用しているのです。これによって、1:1スケールの都市を構築しています。

 Googleマップストリートビューなども参考にしていますが、実際にワシントンD.C.に何度も行って、何千枚という写真を撮り、さまざまな分野のスペシャリストインタビューも行いました。前作もリアルでしたが、圧縮したストリートもあるので、100%正確なものではありませんでした。しかし、今回は100%、正確に作られています。


――そんなD.C.を個性的な敵勢力が徘徊しています。どのようなコンセプトで敵勢力を構築したのですか?

ジュリア プレイヤーにとってどのようなチャレンジを楽しんでほしいのかを、まずは開発チームで検討しました。その動き、ターゲットとなる存在、敵勢力によって動く群衆などをベースにしたチャレンジを考え、ここから各敵勢力のアーキタイプを作りました。たとえば“ハイエナ”は無秩序で野性的、いい武器を持っていますが組織力はありません。いっぽうの“トゥルサンズ”は軍隊のような武器を整備しており、組織的です。異なる性質の敵勢力は、プレイヤーにまったく異なるチャレンジを提供します。

 また、ストーリー上でも違いが生まれます。“ハイエナ” は無秩序で、弱者を餌にその日暮らしする利己主義者たちの集まりですが、“アウトキャスト”は世の中から疎外されて置き去りにされた人々で、彼らにとっては報復がすべて。復讐心から狂信的になり、すべての人々に牙をむきます。“トゥルサンズ”は、学校で言えばいじめっ子のような集団で、パワーを使って強引にすべてを動かそうとします。悪い警察官やごろつきが集まっており、民主主義ではなく力で人々を制圧しようとします。そんな敵が、それぞれの性質に合わせて行動しているのです。


――新要素の“コンフリクト”や“レイド”では、どのようなアクションが楽しめるのでしょうか?

ジュリア 本作の大きな特徴に、プレイヤーがしたいことを選択できるというものがあります。ダークゾーンにはソロでもグループでも入れますが、そこにはNPCの敵に加えて、ほかのプレイヤーもいます。必ずしも“コンフリクト”に入る必要はなく、クールに行動して人間関係や協力関係を築くこともできます。PvPを目的として入る人もいるでしょう。すべてがプレイヤーの自由です。私はPvPがあまり得意ではなく、怖がりで隠れてばかりいるので、できるだけ早く脱出しようとします(笑)

 でも、PvPチーム戦を楽しみにしているプレイヤーには、“コンフリクト”は満足できるコンテンツになっています。一方の“レイド”は8人で戦う、もっともレベルが高く、もっとも難しいハードコアアクティビティです。時間をかけてレベルに合った装備を整え、ほかの7人のプレイヤーを見つけなくてはなりませんが、“クラン”を使えば仲間は見つけやすいでしょう。仲間が揃ったら、直面する状況に対処するための戦略を立てます。単なるチャレンジというより、多くのパズルを解決していくような、クラシックモードと言えるでしょう。


――ちなみに、ジュリアンさんの個人的なプレイスタイルをお聞きしてもいいですか?

ジュリア ストーリーミッションを中心に楽しむシングルプレイヤーですね。王道を行くという感じです(笑)。完全なオープンワールドなので、好きなことができるわけですが、私はまっすぐ目標までの道を進み、エンドゲームに到達したら、スキルや武器などを見直して、装備が最適であることを確認します。

 好きな武器はスナイパーライフルアサルトライフルで、距離や弾の速さによってこのふたつを使い分けています。心の中ではクロスボウを駆使する熟練の“サバイバリスト”になりたいのですが、実際にはスナイパーライフルメインにしています。やりたいと思う戦闘と実際に使う武器に差が生じてしまうのは仕方がありませんね(笑)

――発売後のDLCで、新たなストーリーは展開するのでしょうか?

ジュリア E3 2018で、2019年に3つのエピソードを配信することを発表しています。オープンワールドで探索できるエリア、新しいストーリーベースにしたメインミッション、新しい装備、エキゾティック、チャレンジ、バウンティも含んでいます。もちろん、これらはすべて無償です。


――発売日も迫ってきましたが、いまのお気持ちは?

ジュリア とてもワクワクしています。何百万人ものプレイヤープレイしてくれるはずですから。でも、本作ではローンチはスタートに過ぎません。コミュニティの意見をつねに聞き、プレイヤーがどのようにプレイしているかを知り、開発を継続して成長させていきます。
 
 前作も当初から大きく変化していることはご存じだと思いますが、同様にさまざまな改善や要素を追加していくので、発売日はスタート地点に立ったということです。

――楽しみに待っている日本のファンメッセージを!

ジュリア 日本のゲームをたくさんプレイしながら育ったので、日本のゲームゲーマーとしての自己認識を確認させてくれます。なので、本作を日本の皆さんにプレイしていただけけることは、とても誇らしいですね。