3月10日に、“とにかく面白いひとり芸日本一”を決める「R-1ぐらんぷり2019」の決勝が行われ、霜降り明星・粗品が出場者2542人の頂点に立った。

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霜降り明星は、2018年12月2日に行われた「M-1グランプリ2018」を史上最年少で優勝。それに続き今回、粗品は「R-1ぐらんぷり」でも最年少王者になり、史上初の「M-1グランプリ」と「R-1ぐらんぷり」の2冠という称号を手にした。

ちなみに霜降り明星は先日放送された、自身がパーソナリティーを務める「霜降り明星のだましうち」(毎週土曜夜3:00-4:30、ABCラジオ)で、4月からの東京進出を発表。

今回のR-1決勝が全国区になる前から共に活動してきた女性マネジャーとの最後の仕事となることを報告していた。

その時「優勝して送り出したい」と語っていた思いが実り、2冠の偉業達成とともにマネジャーへの最高のプレゼントになった。

■ 粗品、優勝までの道のり

決勝は、予選を勝ち進んだ10人と決勝の数時間前に行われた復活ステージの上位2人が3ブロックに分かれてネタを披露。審査員の投票により、各ブロックの1位となった3人がファイナルステージに進出するという流れだ。

決勝初進出の4人による戦いとなったAブロックは、チョコレートプラネット・松尾駿、クロスバー直撃・前野悠介、こがけん、セルライトスパ・大須賀健剛。

赤ちゃんの人形を抱えながら登場し、赤ちゃんが起きないよう小声で「父親になって思うこと」を発表するというネタを披露した大須賀が勝ち抜いた。

続くBブロックには、復活ステージより、投票で第2位を獲得したマツモトクラブが参戦。

これにより5年連続の決勝となったマツモトクラブをはじめ、4年連続決勝進出のおいでやす小田、同じく4年連続であるルシファー吉岡が名を連ねる激戦の中、2年連続の決勝となる粗品はパジャマ姿で登場し、フリップを用いたネタを披露した。

粗品は、1人3票を投票する形式の審査員投票でおいでやす小田と同点になるも、大会のルールによって、より多くの審査員に支持されていたことから勝利し、ファイナルステージへ駒を進める。

Cブロックには、復活ステージで第1位に選ばれた岡野陽一が登場。岡野に加え、決勝初進出のだーりんず・松本りんす、2年連続の決勝となる河邑ミク、そして2013年R-1ぐらんぷり王者・三浦マイルドによるハイレベルな争いは、捨て身のネタで笑いを誘った松本が勝利した。

その後のファイナルステージでは、シチュエーションこそ違うものの、小声のネタで攻める大須賀パジャマ姿でフリップ芸を披露する粗品、松本が「カツラ」を使った一発芸で火花を散らし、結果発表では普段から大阪の劇場でしのぎを削る大須賀と粗品が同点に。

2人の一騎打ちとなったが、ここでもルールが適用され、より多くの審査員から票を得た粗品が優勝を果たした。

■ 相方・せいやとの優勝後のやりとりを告白

決勝前のインタビューR-1ぐらんぷりを「復讐(ふくしゅう)の大会」と位置づけ、ピン芸人としてデビューした自身にとって「他のピン芸人の方と同じくらい」今大会に懸ける思いが熱いことを語っていた粗品。

放送終了直後に実施された囲み会見では「最高の気分です。『M-1グランプリ』とはまた違って燃えていたので、しっかり優勝できてよかったなと思います。ありがとうございます!」と喜びを表現。

さらに、お笑いを始めるきっかけになったのが「R-1ぐらんぷり」であることにも触れ、高校時代から挑戦していた大会で優勝したことは「光栄です。うれしいです」と喜びをかみ締めた。

今回、M-1グランプリの優勝からわずか3カ月でR-1ぐらんぷりの優勝を果たしたことについては「忙しくさせていただいているのですが、1時間半でも仕事と仕事の間が空いたら、相方のせいやと一緒に、大阪のちっちゃい劇場を借りてピンネタライブをやったりしていました。大変というよりは楽しくネタを仕上げられたかなと思います」と、コンビとして多忙を極める中でもピンネタに力を注いでいたことを告白する。

記者から、M-1に続いてR-1も史上最年少での優勝であることを告げられると「お~! やった~!」と声を上げ、「史上最年少は知らなかったです。そうですね、史上初を2回…」と自らの功績をあらためて実感した様子。

しかし、「今後は僕より若い人がこの大会を取ってほしいとも思います。僕がいつまでたっても史上最年少じゃなくて、もっと若い世代がもっと面白いネタを引っ提げて優勝して、『抜かれたー!』というのを期待したいです」とさらに若い世代への期待を語った。

また、優勝後には早速せいやと電話をしたと言い、「熱かったですね。興奮状態で」とせいやの様子を明かすと、続けて「これはめっちゃうれしかったんですけど、『めちゃくちゃおもろかったわ!』って言ってくれました。

そんな相方いないじゃないですか。もう一言、『M-1で優勝したときよりうれしかったわ!』って言ってくれました。そんなやついます? 僕ももっと気が引き締まるというか、早くせいやに会いたいですね」と相方への思いを口にした。

ピン芸人時代の衣装で集大成に近いネタを披露

同じく決勝に進んだ前大会と今大会での変化や勝因を尋ねられると、「運が大きいと思いますね。運以外で言うと、僕の中で初心に戻ったんですよ。ネタの感じを去年は比較的ゆっくりしたスピードでやっていたんですが、今年はスピーディーにやりました。

それは僕がお笑いをやり始めたときの雰囲気に似ていまして。初心に戻って、このパジャマピン芸人時代の衣装です。リラックスしてできたのが勝因なのかなと思います」と分析。

今大会の手応えについては「予選の途中でもネタを変えたりしたのですが、今日が一番出来がよかったです。最高のパフォーマンスができました」と語りつつ、ネタについては「ファイナルステージ大須賀さんがネタをやってるときにも悩んで、袖でフリップを入れ替えたりしていました」と舞台裏を明かす。

それだけでなく「お客さんがあったかく、すごく盛り上がった大会に見えた」ことも、フリップの入れ替えにつながったようだ。

さらに、「ピン芸人時代からフリップネタで、同じようなスタイルでやっていたのですが、集大成に近いような形で2本やらせてもらいました。高校生のときに思い付いたものも入っています。それで手応えがあるのは感慨深かったです」と振り返った。

■ 今後の目標はあくまでもコンビとしての活躍

今回、決勝のファイナルステージに進出した3人は、全員が普段はコンビで活動をしている芸人。

そのことを聞かれると「『ピン芸人の立場がない』と言う方や『コンビ芸人に負けてられない』と言う方がいるのですが、普段コンビの芸人も全員『なめていない』というのが核にあるので、その熱意は伝えたい。僕らはお笑い界を盛り上げたいという気持ちで出ている」と、ライバル芸人の思いも代弁した。

また、現M-1チャンピオンとしてR-1に挑戦したことについて「M-1を取っている、という心の余裕はすごくありました」と晴れやかな気持ちで今大会に臨んだことを告白。

その中でも、ファイナリストのメンバーでは大須賀を一番警戒していたと語り、「一番芸歴も近くて、大須賀さんが面白いというのは大阪の劇場でずっと一緒にやってきて知っていたので。僕が高校生で『R-1ぐらんぷり2011』に挑戦してアマチュアで準決勝へ行ったときに、大須賀さんも準決勝に行ったんです。その時に少し喋った思い出があって。だから、今日の最終決戦をこの2人で争うんや、すごいなあという話はしましたね」と明かした。

“R-1連覇”についての質問に対しては「まだ具体的にはもちろん何も考えていません」としながら、「もしかしたら来年も出るかもしれません。でも、大会をなめたくはないので、納得のいくネタができたら出ようかなと思います」と謙虚にコメント

2冠を達成した次の目標を聞かれると「霜降り明星としていろんな方に面白いと思ってもらえるように努力する。あくまでコンビで売れたいです」と“霜降り明星”としての活動を強調し、「R-1ぐらんぷりの優勝で霜降り明星の未来が明るくなった。今は漫才がしたいです。せいやとお笑いがしたい」と、粗品は最後まで相方への強い思いをにじませていた。(ザテレビジョン

「R-1ぐらんぷり2019」優勝の喜びを語った霜降り明星・粗品