
海外のインディーロック、オルタナ、R&Bなどの要素をポップに昇華した楽曲によって注目を集めているシンガーソングライターのマキアダチ。ポジティブな歌詞とハイブリッドなサウンドを軸にした新作『ALIVE!!!』からも、彼女のカラフルな才能が伝わってくる。
■打ち込み宅録女子が 自分で歌うことを決めた理由とは?
──まずはこれまでの音楽遍歴について聞かせてください。音楽に興味を持ったきっかけは?
最初はThe Beatlesですね。幼少期からずっと聴いてたので。高校生くらいから自分でいろんなバンドを聴くようになって、Yeah Yeah Yeahs、Sigur Rós、Radiohead、Sonic Youthなどが好きで、ライヴやフェスにもよく行ってました。大学の音楽サークルでYeah Yeah Yeahsのコピーバンドやってたこともありました。
──その頃から曲も作っていたんですか?
趣味で作ってたんですよね。ケータイの着メロを自分で作るところから始まって、MTRで宅録したり、DTMを使ってトラックまで全部作り始めて。でも、誰にも聴かせてなかったんですよ。たまに家族に聴かせて“いい曲じゃん”って言ってもらうぐらいで(笑)。似非オーケストラみたいな曲とか、ゲームソング風、アニメソングっぽいものまで、誰が歌うかも想定しないで、いろいろ作ってましたね。
──自分で歌うようになったきっかけは?
知り合いのミュージシャンのつながりで、スタジオのお手伝いするようになったんです。譜面を書いたり、アレンジさせてもらったりとかか。そこで自分の曲を聴いてもらったら、“いいね。自分で歌えば?”ということになって、レコーディングして。それが最初のEP『キジバトノウタ』(2014年9月発表の1st EP)で、2014年9月にマキアダチとして初めてライヴをやって。その後、弾き語りの方が多いライヴハウスに出るようになったんですが、お客さんが引いちゃうくらいの爆音でやったりして(笑)。その頃は自分の曲がみなさんに共感してもらえるとは思ってなかったんですよ。自分では“最高だな”と思ってたんですけど、たくさんの人に好かれる感じではないかもなって。アイドルの楽曲コンペなどにも参加していたし、アーティストというより、作曲家やアレンジャーとしてやっていくほうがいいかなと思ったり…。
──そういう葛藤を乗り越えて、“マキアダチ”として活動することに決めたのはどうしてなのですか?
今の事務所の方に出会ったのがきっかけですね。「儚き君に」(2015年11月発表の1stアルバム『アルバム』収録曲)のMVを観てライヴに来てくれて。その後、アニメ(『キャッチ—くんのナイスキャッチ!』)の曲を作らせてもらったんですが、なぜか声優としても出演することになって。その時にちょっと殻を破れたんですよね。ライヴでも“みんなで楽しめたほうがいいな”と思って、「アンサンブル」(2018年5月発表の1stミニアルバム『OVERWHELMING』収録曲)という曲を作ったり。それが今の音楽性につながっていると思います。聴いてくれる人の心を抉りたいとう気持ちは今もあるけど、楽しいって大事だなって。あとは、洋楽っぽいサウンドも念頭に置いてますね。
──今も新しい洋楽をチェックしてる?
してますね! 最近はポスト・マローンとアリアナ・グランデ、The 1975(などが好きで。ヒットしてる曲って、やっぱりカッコ良いんですよ。トラックも歌も歌詞も。
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