2018年夏から一部運営再開となったサッカーナショナルトレーニングセンターである福島県のJヴィレッジで3月10日と11日に『SONG OF THE EARTH FUKUSHIMA 311』が開催。様々なアーティストによるライブワークショップパフォーマンスも行われる中、サッカー教室なども実施された。

 同イベント新潟県中越地震後から東日本大震災熊本地震など多くの天災に遭った被災者を支援する活動を毎月行っているCandle JUNEが主催となり、入場無料で開催された。

 フィールドでは小さい子などが気軽にサッカーボールに触れることができるアトラクションスピードガンを用いたコンテストスタンプラリーが開催。福島県の尚志高校、帝京安積高校、ふたば未来学園高校サッカー部の生徒や、ヴィアティン三重ビーチサッカーチームサンフレッチェ広島ヴィッセル神戸などでプレーし、昨季で現役を退いた福島出身の茂木弘人らが、インストクターとして、サッカーの魅力を参加者に伝えた。

 15時頃からはインストクターとして協力してくれた高校生チームと、ステージパフォーマンスを見せたGAKU-MCやORANGE RANGEATSUSHIDragon ASH)らアーティスト&選手連合チームスペシャルマッチで対戦。ミニコートでガチンコバトルが繰り広げられると、試合もヒートアップ

 年間100試合はこなすというGAKU-MCが2得点を挙げれば、3校連合となった高校生チームも若さ溢れるプレーで応戦。延長にもつれ込む試合は高校生チームが勝利した。

 開口一番「めっちゃ悔しいです!」と敗戦への素直な悔しさを告白したGAKU-MC。サッカー仲間と“Jヴィレッジで合宿をしよう”が「震災前からの約束事でありました」という場所でサッカーができたということで「本業である音楽と大好きなサッカーができる」思いをピッチにぶつけられたと話す。

「音楽とサッカーはすごく共通点があると思っています。それまで関わることのなかった人たちが、音楽やボールであっという間に笑顔になって、つながっていく。好きなものでつながれることは何よりも幸せなことですし、生きていくことは大変なこともありますけど、今日も高校生や家族連れ、みんなが笑顔になって、それを見られるのはすごく幸せなことです」

 GKとしてプレーしつつ、観客を笑わせるシーンもたくさんあったATSUSHIは、「サッカーボールを通じてみんなが友達になれるし、楽しい時間を東北の子たちと共有できて良かったです。スポーツや音楽は人を結びつける力があると思うし、言葉にすると少しクサいですけど、少しはそういうことを感じてもらえたと思います。こういった活動を続けることが必要だと思うし、こうしてできた縁が続いていけばいいですね。いい思い出として10年後に『あれがあったから』と、つながってくれれば嬉しいです」と、GAKU-MCと同様の考えを話してくれつつ、“継続”の大切さを話してくれた。

 イベントを主催したCandle JUNEは「天候の心配がありましたが、(鎮魂を祈る約2000本の)キャンドルもしっかり灯せました。自分の専門ではない分野でも、それぞれ得意な人たちが集まって、『みんなで311を作るんだ』ということができ、ありがたかったですし、やっていてよかったです。サッカー関係者の人たちにも急に声をかけたんですけど、『サッカーで恩返ししたい』という合言葉をみんなが言ってくれて、いろいろな人に声をかけてくれました。そういうことってあるんだなと、嬉しく思っています」と話す。

「こういうことができるのも、毎月11日に活動していて、いろいろつながっていて、出来ている。『福島の問題って何なの?どうしたらいの?』という答えも、本当はたくさん持っています。でも、悲しさを伝えるほど、つらくなってしまってチャンネルを変えてしまう人もいるのではないかと思っていて。そういうことを先に言うよりも、楽しくなってくれることをきっかけにして、集ってくれることが大事かなと思っています」(Candle JUNE

 Jヴィレッジは3月11日という節目のタイミングで大きなイベントを開催したが、昨年の再開後、何度もJヴィレッジで練習を行った尚志高校が年始の高校選手権でベスト4入り。今年の2月にはなでしこジャパンが合宿を実施するなど、本分であるサッカーでの使用も本格化し、4月20日には全面再開となり、JRの駅も開業する。再び、ここで練習した子どもたちが日本代表になる日が、すぐに戻ってくることを期待したい。

高校生とアーティストチームで記念撮影