イニエスタ加入で「神戸の試合を観る」なか、守備でチャレンジするチームの少なさを指摘

 メルボルン・ビクトリーのMF本田圭佑は、12日のAFCチャンピオンズリーグAFC)グループステージ第2節サンフレッチェ広島戦で同点ゴールを決めたが、チームは1-2で敗戦を喫した。海外移籍前の2007年12月以来となるJリーグクラブとの対戦となったなか、「たまにヴィッセル(神戸)の試合を観る」というレフティーはJリーグのスタイルについて、「俺がいた時から変わっていない印象」と自身の見解を述べた。

 2005年に入団した名古屋グランパスで3年プレーした本田は、その後、VVVフェンロ(オランダ)、CSKAモスクワロシア)、ACミランイタリア)、パチューカメキシコ)、メルボルン・V(オーストラリア)と5カ国を渡り歩いてきた。広島戦は名古屋時代の2007年12月以来となるクラブチームの一員としてJクラブと対戦したが、本田なりに感じるものがあったようだ。

 12年ぶりの印象について問われた本田は、「これだけ見ても分からないですけど」と前置きしたうえで、自身の見解を明かした。

「最近は(アンドレス・)イニエスタが来たので、たまにヴィッセルの試合を観る。やっぱり、頑張るスタイルは俺がいた時から変わっていない印象。相手の嫌なことをするディフェンスとか、戦術的に成熟していない印象が強い。なんて表現していいか分からないですけど、どのチームにも割ととりあえずはつなぎたいというのは分かる。ただ、ディフェンスでもう少し色を出してくるチームが出てきてもいい。ディフェンスで色を出すということは、たぶん攻撃でやりたいことをできない可能性があるんですけどね」

「日本が自国でやっていてもW杯優勝を目指していけるリーグになるには時間がかかる」

 本田が若手に「海外に行け」と長年説いてきたのは、その点の違いが大きいという。

「そこに挑戦しないと違う次元の選手になっていけない。そこをどれだけ理解するかですよね。Jリーグにいるとなかなか難しい。というのも、(神戸の)三木谷さん(三木谷浩史会長)みたいな人が、Jリーグにとってものすごくありがたい動きをしてくれている。それがもう少し進んだとしても、日本がドイツリーグみたいに、(他国に)移籍することなく自国でやっていても十分ワールドカップ優勝を目指していけるみたいなリーグになるにはまだ時間がかかる。先のことを考えても、まだまだ海外に出て学んだほうが選手としてはいい」

 この日、広島の先制点を挙げたのは18歳のルーキーMF東俊希だった。日本でもどんどん若手が台頭してきてほしい――。試合後に残した言葉は、本田なりのメッセージだったのかもしれない。(Football ZONE web編集部)

MF本田圭佑がJリーグのスタイルについて自身の見解を述べた【写真:Getty Images】