「“資産家たちのお金教育”にはお金の力だけでなく、自立の力、つまり生きる力を育てるヒントがたくさんありますよ」と断言するのが元メガバンク支店長で、現在は「お金の町医者」として活躍中の菅井敏之さん。

 そんな菅井さんの新刊書籍『あなたと子どものお金が増える大金持ちの知恵袋30』から、資産家たちが子どもにしているマネー教育のヒミツをご紹介します。

◆「社長になったつもりで世界を見る」

 菅井さんが銀行員時代にかいま見た、代々の資産家たちのお金教育。なかでも多くの人が最初に子どもに教えていたのは、「社長になったつもりで考えなさい」ということだそう。

「働いてお金をもらう側としてではなく、給料を支払う経営者側の視点で世界を見て、お金の流れを考えることを教えるんです」会社勤めの親にとって、経営者の視点を子どもに教えるのはハードルが高そうに思えますが、実は意外と簡単に教えることができるんです。

写真はイメージです(以下同じ)

「たとえば、ファミレスに行ったとき。『この店でいちばんお金をもらっているのは誰だろう?』と子どもと一緒に考えてみましょう。アルバイト代やお給料をもらう側の人と、支払う側のオーナーがいますね。さらに、テナントビルの持ち主もいるでしょう。

 その場に姿はなくても、もっとお金をもらっている人はだれだろう? このお店の黒字を増やすにはどうすればいい? と、親子で『社長になったつもりで』考えてみてください。世界の見え方が変わってきますよ」

◆「先に宿題やっちゃいなさい」はNGワード

 親がつい言いがちな言葉にも、将来、お金に苦労する子どもを育ててしまうNGワードがあるそう。

「その代表格が『お手伝いはいいから、先に宿題をやっちゃいなさい』です。子どもの仕事は、学業。けれど、勉強さえしていればいいというのはいけません。それでは、家庭のなかでいつまでたっても“お客様”のまま。

 家庭は小さな会社を経営しているのと同じ。つまり、家庭を切り盛りするというのは、小さな会社を経営するのと同じこと。よりよく暮らせるように家族全員で経営に取り組むべきものです子どもを“受け身の姿勢”から脱却させることもとても大切です」

◆“お金の力”を育てるチャンスは暮らしのなかに

 だから、子どもが手伝うと言ってきたときは大きなチャンス、と菅井さんは言います。「『ありがとう。とっても助かったわ』と、その感謝の気持ちをお駄賃、つまり報酬として渡してあげてください

 子どもが家のお手伝いをするのは当然のこと。そこにお金が発生するのはやや抵抗がありますが……。

「もちろん、家庭内で決められているお手伝いをしたときには報酬は発生しません。子どもが自分の役割を超えた働きをしたときだけでいいんです。あるご家庭では『言われてやったら50円』『言われずにやったら100円』と、自発的にやるかどうかで報酬を変えていると言っていました。これはとても良いアイデアだと思います」

◆「定額のおこづかい制」はNG!

 月々決まった額を渡す「定額のおこづかい制」も実はモンダイだそう。

わたしは定額でおこづかいを渡すのはおススメしません。子どもだからといって、働きもしないのに毎月お金がもらえる定額おこづかいのシステムは“受け身の姿勢”を助長してしまい、そのうち親をキャッシュディスペンサーかなにかのように考えたりすることも

 わたしが提案するのは、子どもを『家族のなんでも解決マン』に任命して、働いて、お金をもらう、ということをあたりまえのことにすることです」

 菅井さんのいう「家族のなんでも解決マン」とは、決められたお手伝い以外に、家族の困っていることを子どもが解決すれば、報酬がもらえる仕組み

◆稼げる人=人のために動ける人

「つまり、子どもに家庭内ビジネスやらせてしまうんですお母さんが疲れているからお皿を洗ってあげよう。今日は雨だから塾の帰りに買い物をしてこようか? と、子どもが自分の得意なことや環境を生かして動くようになれば、しめたものです」

 そこには、働いて、感謝され、しかもお金を得られる喜びがあるからですと菅井さん。

「働くとどうしてお金がもらえるかわかりますか? お金は、誰かが困っていることを発見して、自分の能力で解決したことへの感謝と感動の対価です。これは、ビジネスの基本。つまり、お金に困っていない人、“稼げる人”というのは、自分の能力を世のため人のために活かすことが上手な人、ということなんですよね」

◆得意なことをもっと伸ばして幸せになる!

「だから、資産家たちは、子どもの苦手な部分を底上げしようとはあまり考えません。そこそこなんでもできる秀才タイプより、突出した能力のあるデコボコ型のほうがビジネスパートナーとしても魅力的だし、将来的に大きく成長できると思っているからです」

 資産家たちが実践するマネー教育には、生きていくうえで本当に大切なことを子どもに教えられるといいます。

「日本では子どもの前でお金の話はあまりしないというご家庭が多いようですが、もったいないですよ。資産家たちは、子どものお金の力を育てるために、子どもの前でもお金の話もどんどんしますし、暮らしのなかで意識して『稼ぐ』『管理する(貯める)』『増やす』という“お金の力”を育てようとします。

 つまり“自立して生きていく力”です。そこには、親子でより豊かに生きるヒントがたくさんありますよ」

菅井敏之(すがい・としゆき)

元メガバンク支店長。『お金が貯まるのは、どっち!?』(アスコム)など著書多数。最新

刊『あなたと子どものお金が増える大金持ちの知恵袋30』(集英社)は、おこづかい帳のつけ方など、「稼ぐ」「管理する」「増やす」の力を大きく育てるためのアドバイスがつまった一冊。

<文/女子SPA!編集部>

【女子SPA!編集部】
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