サウナを使って和んで温まる「和温療法」に長年取り組んでこられた鄭先生に、女性にとってのサウナについてお話を伺う短期連載。4回目となる最終回サウナと女性ホルモンの深い関係についてお話いただきました。

1回目のサウナに入って身体を温めよう!無理なく優しく温まる、女性のためのサウナこちら

2回目のサウナに正しい入り方を知っている?安全で副作用のないサウナを使った和温療法はこちら

3回目のサウナと水風呂の深い関係。交感神経と副交感神経のバランスサウナで整えるはこちら

熱いのを我慢せず、気持ち良くサウナに入ることを意識して体温を一度上げる

————サウナにはいろいろな入り方がありますが、一般的に理想的な入り方はあるのでしょうか?

サウナでは、体温を一度上げることが理想です。二度上がると、「のぼせ」の状態になってしまいます。気持ちよく温めるということが大切ですね。何度もサウナと水風呂を繰り返す入り方は、交感神経を刺激して精神的にリフレッシュできる効果もありますし、若いうちは大丈夫ですが、医学的に見るとサウナに入る回数は1回から2回、そして長時間入る必要はなく10分くらいがちょうどよい長さです。温度は80度くらいでも十分です。サウナに入ったら必ず水風呂に入らなければならないというわけではなく、ゆっくりと自然に体を冷ましても問題はありません。

そもそも、サウナの後に水風呂などの冷たい水に入って身体を冷やす習慣は、日本ではなくフィンランドロシア式です。日本人の脂肪の量とフィンランドロシア人の脂肪の量は違いますから、全ての日本人が水風呂を好むというわけでもないでしょう。

そして、健康な人と、高齢者ではサウナや水風呂の入り方は違います。自分の身体にとって負担のない入り方を見つけることが大切ですね。微熱のある時は、ちょっとサウナに入ることは免疫を高めてくれますし、問題ありませんが、疲れ過ぎのときや細菌感染しているときはサウナを控えましょう。衛生上の話は別になるかもしれませんが、医学的には、女性は生理中に身体を温めること自体は問題ありませんから、生理中にサウナに入っても医学的には大丈夫ですが、生理中のサウナを禁止している施設もありますので各施設のルールに従ってください。また、本当にひどい体調不全のときにはサウナは控えた方がいいですね。

微熱ぐらいだとサウナに入ることは免疫を高めてくれるそう。しかし無理は厳禁!

女性ホルモンを増やし、根本から美肌へ

——女性にとって、サウナで温まって汗をかくことにはどのような健康上の効果があるのでしょうか?

20代~30代の頃の健康維持は40代~50代の健康状態に繋がっていきますし、妊娠・出産する方もいるでしょうから、自分の健康を維持することはとても大切なことです。今、無理をすると、後でツケがきてしまいます。

温活をすることは、女性ホルモンを増やすことでもあります。女性ホルモンエストロジェン)は女性の身体を一番守ってくれるもの。ホルモンが血管を守って動脈硬化を遅らせて寿命を延ばし、冷えや生理不順を無くすことにも繋がっていきます。

また、温活で汗をかくことは皮膚の働きを維持し、改善することでもあります。サウナで汗をかく量はそれぞれの体質やサウナの温度や入っている時間によって異なりますが、一回サウナに入る毎に数百ccの汗をかきます。空調が調節されている現代の生活では汗をかく機会が少なくなっていて、休眠中の汗腺が増えているのです。実際に汗を出すことのできる汗腺の数は、日本人で平均230万個と言われています。

サウナで汗をかくと、この眠っていた汗腺を目覚めさせ、身体の体温調節機能が改善されます。排出された汗が蒸発するときに、その気化熱で身体を冷やし、体温調節が行なわれるからです。そして、汗をかくと老廃物が排出されます。汗腺ひとつあたりの排出力には限界がありますから、たくさん汗をかくには、汗腺の数を増やすことが大切になってくるのです。まさに、温活で身体を温めて汗をかくことは、美容エステを凌ぐとも言えますね。自分の身体をよく知って、サウナを生活の中に上手に取り入れて欲しいなと思います。

サウナはエステ以上に美容にいいのです!
鄭 忠和 先生:鹿児島大学医学部卒業。東京大学、UCLAで学んだ後、鹿児島大学医学部講師、鹿児島大学医学部第一内科教授、鹿児島大学大学院循環器・呼吸器・代謝内科教授を経て、和温療法研究所を開設。長年、サウナを使った和温療法に取り組んでいる。著書に「なぜ微熱は体にいいのか 毛細血管が生き返る生活術」(講談社)など。

■鄭先生の名言
「サウナの温活で身体を温めて汗をかくことは、美容エステを凌ぐ効果も期待できる

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