ゾンビが蔓延する近未来のイギリスに、ワケありの男女たちが最後の希望を求めて参加するカーレースがあった。違法なストリートレースに息を呑むクライム・アクション『Curfew(原題)』が、2月下旬から英Sky Oneで放送されている。

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♦︎深夜の街道をゆく、ルール無用のガチレース


正体不明のウイルスが地球規模で蔓延する近未来の世界。感染者が殺人衝動に駆られ深夜に凶行に及ぶことから、イギリス政府は夜間外出禁止令を敷く。門限(Curfew)を告げるサイレンが響くと同時に、街のビルというビルのシャッターは閉ざされ、人々は強制的に家路に。違反者は最低でも隔離処分を受けるという厳しい制度だ。そんななか、深夜に行われる違法なストリートレースが荒くれ者たちの興味を惹く。はるか1000キロ先のゴールにたどり着いた者は、ゾンビと疫病のない楽園の島に招待されるという。

レースに出場するのは、救急車を運転するケイ(フィービー・フォックス)、彼女の妹であるルビーエイミー=フィオン・エドワーズ)、手配中のハッカーローマン(アイクベネット)、妻と離縁したドナヒュー(エイドリアンレスター)、どこか胡散臭いメカニックのエロール(ショーンビーン)、そして彼のガールフレンドで妊娠中のフェイスローズウィリアムズ)など。楽園への移住をかけ、命知らずのドライバーたちがイギリス縦断レースに挑む。

♦︎闇を駆けるド派手な車輌たち


このレースには飛び乗る価値がある、とGuardian紙はシーズンの展開に期待。第1話の終盤では参加者全員が揃い、スタート地点でふかすエンジンが夜空にこだまする。車もドラマ脚本家たちもともにエンジン全開、と同紙。キャストにも名の通った俳優が揃っており、とくにエロール役のショーンは日本でもお馴染みの人気俳優だ。

イギリスホラー映画『28日後...』など、さまざまな作品をミックスしたようなドラマだ、と所感を述べるのはTelegraph紙。荒廃した大地をバイクと目を疑うような車輌が駆けるマッドマックスシリーズにも雰囲気は近い。さまざまな事情を抱えたアウトローな参加者たちがロンドンに集結し、ストリートレースを繰り広げながら北を目指す。

♦︎ゾンビ要素は控えめだが、飽きさせない工夫が


映画『デス・レース』と『ウォーキング・デッド』を混ぜたような新シリーズ、とGuardian紙は表現。ゾンビだけでなく、人々を保護しようとするあまり全体主義に走ってしまう本作の政府も、『ウォーキング・デッド』の状況と共通するところだ。しかし、欲を言うならばゾンビ存在感をさらに高めて欲しい、と同紙はリクエスト。せっかく登場させておきながら、すっかりレースが主軸になってしまっている点は確かに惜しまれる。カーレースゾンビを融合した、独自のミックスを展開して欲しいところだ。

とはいえ決して凡庸なタイトルではなく、8話のストーリーには飽きさせないような緩急の工夫が。心地よく響くエンジンの唸りに身を任せた後は、危険なレースに出場することになったキャラクターの過去の話を丹念に味わうといった具合。キャラクター間の複雑な関係性に唸ったり心底恐怖を感じたりといったシーンもあり、Telegraph紙は作品の多面性を強調している。

それぞれの事情を背負った参加者たちが深夜のストリートを爆走する『Curfew』は、英Sky Oneで放送中。(海外ドラマNAVI

Photo:ショーンビーン
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