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企業口コミ・給与明細サイト「キャリコネ」は3月4日、「残業の少ない業界ランキング」を発表した。

働き方改革関連法の一部が2019年4月に施行され、残業時間の上限規制や、年5日の年次有給休暇取得が企業に義務づけられる。中小企業2020年度からの適用と猶予はあるものの、多くの企業が今以上に従業員の残業抑制を迫られることになる。国全体での長時間労働の是正への取り組みに注目が集まっている。

そこで今回は、「キャリコネ」の給与明細投稿をもとに、業界別の残業時間ランキングを算出た。2013年4月1日2018年3月31日 に、「キャリコネ」にユーザーから給与明細投稿が寄せられた企業を抽出し、業界別に平均残業時間を算出した。

なお、本ランキングの残業時間とは、キャリコネ会員のうち、勤務先を評価対象企業に選択した会員が投稿した残業時間から算出したデータとなる。

オリエントコーポレーション「残業時間は厳しく管理され、月間30時間以内が目安」


10時間台から40時間台まで、業界により平均残業時間はまちまちだった。トップ10には、繊維製品、ガラス・土石製品、石油石炭製品など、資源系の業界が多くランクイン。一方で、建設・不動産業界、資源分野のなかでも、パルプ・紙、鉄鋼といった業界では、月の平均残業時間が35時間以上となっている。

1位には、就活生からも人気の空運業界。ANAグループでは、ノー残業デーや半日有給休暇などの制度を実施している。全日本空輸の口コミでは、職種によっては生活リズムが不規則になりがちなものの、イレギュラーな事態などがない限り、休日出勤や残業は少ないといった内容の声も多くみられた。

次いで2位には繊維製品業界がランクインした。繊維製品業界にはアパレルメーカーも含まれる。例えば、ワールドグループでは「変形労働制」を採用。業務の繁閑に応じて生産性の高いシフトを組むことで、効率よく働き、プライベートを充実させることを目指している。

3位には、ガラス・土石製品業界と石油・石炭製品業界の2業界が続いた。石油元売り大手の出光興産は、2009年度に自主管理・自主申告をサポートする勤務管理システムを導入。職場全体で仕事の効率化などを図り、2017年10月以降、所定就業時間を8時間から7.5時間に短縮している。

それでは、トップ10入りした業界に属する企業の口コミを紹介しよう。

1位:空運業界(残業10.3時間/月)

「休日出勤はありません。残業は何かしらフライト中に起こった場合に、報告書の起票などによって発生することもあります。そのときも勤務時間が延長することを申請するので、サービス残業扱いではありません。有休申請もPCで申請・管理がされるので、年末年始などを除けば非常に取得しやすいです」(全日本空輸/その他職種/20代前半女性/年収380万円/2013年度)

2位:繊維製品業界(残業21.2時間/月)

「残業、休日出勤はほとんどなし。繁忙期は連勤になるが、シフトを作る店長次第です。プライベートと仕事のバランスもよく、家に持って帰って仕事をすることをよく思っていない上司も多かったので、職場で時間を貰って資料作りなどしていました」(ワールドストアパートナーズ/店長/30代前半女性/年収320万円/2017年度)

3位:ガラス・土石製品業界(残業24.7時間/月)

「ここ数年、残業を減らす方針から、直属の上司含め部全体で残業させないようにしている。残業していると早く帰れと怒られるので、業務時間中に効率的に仕事をこなすしかない。休日出勤は業務上特別な場合にしか許可されない。休日は工場単位で出勤日と休日が決められており、土日祝日を含む年間120日くらいが休日に割り当てられている」(AGC/プラント施工管理/30代後半男性/年収900万円/2012年度)

3位:石油・石炭製品業界(残業24.7時間/月)

「残業に関しては月20時間から40時間くらい。たまに夜遅い時があっても20時21時くらいには帰ることができる。平均すれば毎日1、2時間残業しているくらいにはなると考えられる。休日出勤は一度もない」(出光興産/研究開発/20代前半男性/年収500万円/2015年度)

5位:リース・消費者金融・クレカ・信販(残業25.3時間/月)

「残業時間については厳しく管理されている。月間30時間以内が目安となる。業務量は決して少なくないため限られた時間で仕事をこなす必要がある。休日出勤は営業の場合、支店によるが自由度は高い。加盟店のフェアなどに合わせ出勤する事もあるが月1回程度。振替休日を取得できるため平日に休みたい人にはいいかもしれない」(オリエントコーポレーション/法人営業/20代後半男性/年収400万円/2016年度)

イケア・ジャパン「休日出勤は自主的に出ている人がほとんど」

6位:医薬品業界(残業25.6時間/月)

「部署によりますが、本社の場合は残業は少ないです。36(サブロク)協定などをきっちり遵守しようとしており、また労働組合もあるので、非管理職であれば残業が多すぎるという状況は発生しづらいと思います。大きなグローバルプロジェクトに任命されたときでも、この状況はあまり変わりませんでした」(ファイザー/プロジェクトマネージャー/40代前半男性/1200万円/2014年度)

6位:化学業界(残業25.6時間/月)

「残業時間は月に20~30時間程度になっている。休日出勤は今のところない。仕事はある程度調整可能で、プライベートとのバランスはとりやすい環境になっている」(旭化成/財務・会計関連職/30代前半男性/年収770万円/2018年度)

8位:水産・農林業界(残業26.3時間/月)

「部署によって業務内容や方針が大きく変わるため、一概には言えないが、基本的に残業がとんでもなく多いということはない。会社としても残業時間の削減に力を入れている。ただ、商材のハイシーズンや、需要期には残業が多くなりがちな面はある。しかし、その時期以外はさほど多いとはいえない」(マルハニチロ/プリセールス/20代後半男性/年収420万円/2015年度)

9位:銀行業界(残業26.9時間/月)

「働き方改革により、残業自体は減少傾向にある。残業代が支店の収益から引かれるという構造になったため、支店として早帰りをマストとしている支店が多い」(横浜銀行/法人営業/30代前半男性/年収700万円/2017年度)

10位:小売業界(残業27.1時間/月)

「残業は以前在籍した日本企業と比べてはるかに少なく、とても人間らしい生活を送ることができました。休日出勤も自主的に出ている人がほとんどで、特に強制されたり、こなしきれないほどの業務量があったりということはありませんでした」(イケアジャパン/管理関連職/40代後半男性/年収800万円/2011年度)

なお、本記事では、キャリコネの「その他金融」業界を「リース・消費者金融・クレカ・信販」、「その他製品」業界を「一般消費財・印刷」と表記している。本ランキングユーザーが投稿したデータをもとに作成しており、企業が公開している残業時間データとは乖離がある場合がある