昨年2018年11月に77歳で亡くなったイタリアの映画監督ベルナルド・ベルトルッチの追悼トークイベントが、3月12日(火)に大阪・天神橋筋六丁目ブックカフェバー「ワイルドバンチ」にて、FM802の公開収録とともに開催された。

【写真を見る】ベルトルッチの人柄やそれぞれの作品のテーマやその変遷についても語られた

イベントの進行はFM802のDJの野村雅夫さん、「ワイルドバンチ」店長で映画サイト「キネプレ」編集長の森田和幸さん、大阪・九条のミニシアター「シネ・ヌーヴォ」支配人の山崎紀子さんの3人。『ラストエンペラー』などの監督として日本でも知られるベルトルッチの作品を基軸に、本作に関わりの深い坂本龍一映画音楽や昨今の音楽映画について語られた。

ベルトルッチ監督作品との出会いについて、『リトルブッダ』を高1のときに観たという野村さんは、幼い頃から仏教に親しんでいたため、『リトルブッダ』で描かれた世界観が理解できなかったという。そのことで同じく仏教に造詣が深かった母親と大喧嘩。ベルトルッチ作品とは最悪のファーストコンタクトだったと明かした。

森田さんはミニシアターにはまったころにVHSで『ラストエンペラー』に触れたことが印象深いと話す。それを受け、本作のLDを所持している野村さんは、本作は「ぜひ映画館の大きいスクリーンで観るべき」と熱弁。

また、「ベルトルッチは、時間の行き来が多い作品をたくさん作る監督」と話し、作品の色づかいや技法、徹底的にこだわる姿勢に「映画人だと感じた」と絶賛した。

野村さんにとってベルトルッチ監督の作品のベストは『1900年』。「長い時間を映画的に行ったり来たりしながら映画的な飛躍、跳躍も堪能できる」とし、本作は5時間を超える超大作だが、「20世紀前半のイタリアの歴史を描き切った」と褒めたたえた。一方で、90分から2時間の映画が多い中、5時間半ではあまりに映画館で上映しにくいことを嘆いた。山崎さんがその『1900年』をこのイベント前夜に初めて観たと明かすと、「何してるんですか、ちゃんと寝てくださいよ!」と野村さんからツッコミが入る一幕も。山崎さんは「新しいイタリアを知れた」と笑顔で語った。

話はベルトルッチの功績や他の監督との親交、描くテーマの変遷についても及び、ファンにはたまらない内容に。

このイベントは、お客さんとの距離が近いのも特徴。観客のベルトルッチ体験を聞いて盛り上がる場面が何度も見られた。

続いて、ベルトルッチのアジア3部作『ラストエンペラー』、『シェルリングスカイ』、『リトルブッダ』の音楽制作に関わった坂本龍一に注目。これらの作品で日本人初のアカデミー作曲賞やゴールデングローブ賞などを受賞したことで「世界の坂本」との呼び名が定着していった坂本。トーク中にはベルトルッチと関わりの深い坂本だから話せたエピソードが次々と紹介された。

最後に、音楽映画について。最近の映画は音楽が主役になりつつあるとし、『ボヘミアン・ラプソディ』などにみられるように映画館応援上映が開催されていることに言及。映画ありきの音楽というより「BGMでなく、物語と歌詞がリンクしているのが多い」と語り、昨今の映画事情について時間ぎりぎりまで話は続いた。

今回のイベントの模様の一部は、3月17日(日)夜9時から野村さんがDJを務めるFM802の『802 BINTANG GARDEN』にて「VIVA! CINEMA ~ベルトルッチに捧ぐ」と題してオンエア。映画好きで知られるミュージシャンの松室政哉、パノラマパナマタウン・岩渕想太、RHYMESTER宇多丸からのベルトルッチ監督追悼メッセージも放送される。

また、大阪・九条の映画館のシネ・ヌーヴォでは、4月20日(土)から「ベルナルド・ベルトルッチ追悼特集」として『暗殺のオペラ』のほか5作品を順次上映する。(関西ウォーカー・町草告美)

大阪・天六のブックカフェバー「ワイルドバンチ」にてベルトルッチ監督追悼トークイベント開催