香川、昌子らロシアW杯組が復帰 コロンビアボリビア戦の招集メンバー23人を発表

 日本代表の森保一監督は14日、3月22日コロンビア戦(日産スタジアム)、26日のボリビア戦(ノエビアスタジアム神戸)に向けた招集メンバー23人を発表した。昨夏のロシアワールドカップ(W杯)で活躍したMF香川真司(ベジクタシュ)、DF昌子源(トゥールーズ)らが森保体制初招集となった一方、今年1月のアジアカップから13人の選手を入れ替えた意図について、指揮官は「一部のコアな選手でしかチームが回らないことにならないように、多くの選手に厳しい戦いを経験してもらい、チームコンセプトを理解してもらうことで将来の戦いに生かしたい」と語った。

 東京都内で行われた会見の冒頭、配られたメンバーリストには予想を上回る“変化”があった。森保監督の下で初招集となるかが注目されていた香川のほか、昌子、やMF宇佐美貴史デュッセルドルフ)、MF山口蛍ヴィッセル神戸)らロシアW杯組が日本代表に復帰。FW鎌田大地シント=トロイデン)、FW鈴木武蔵(北海道コンサドーレ札幌)、DF安西幸輝(鹿島アントラーズ)、DF畠中慎之輔(横浜F・マリノス)の4選手がA代表初招集となった。

 その一方でFW大迫勇也ブレーメン)、DF長友佑都ガラタサライ)、DF吉田麻也サウサンプトン)、DF酒井宏樹マルセイユ)らアジアカップの主力組を含む13選手がメンバー外に。負傷などにより、事前に未招集が伝えられていた選手もいたものの、予想以上の大幅な入れ替えとなった。

 このことについて会見で問われた森保監督は、「日本代表としてのベースをさらに広く強固にしていけるように」と切り出すと、次のように続けた。

「これから臨む大会のなかで、一部のコアな選手でしかチームが回らないことにならないように、多くの選手に厳しい戦いを経験してもらい、チームコンセプトを理解してもらうことで将来の戦いに生かしたい」

 この言葉は、6月に参戦するコパ・アメリカ南米選手権)を見据えてのものだろう。南米強豪国との真剣勝負の場として重要な強化の場となるが、日本は同大会に招待出場のため選手の拘束力がない。そのため、欧州クラブ所属選手を中心に派遣拒否となる可能性が高く、指揮官の思いどおりのメンバーを招集できないことが予想される。それを見据えて、森保監督はこのタイミングで“コアメンバー”の間口を広げることを選択したのだろう。

カタールW杯アジア予選を見据えても大きな意味を持つ「日本代表のベースアップ」

 もちろん、こうした土台を大きくする作業は、長丁場の戦いとなる2022年カタールW杯アジア予選を見据えても大きな意味を持つ。就任からわずか半年で臨んだアジアカップは、準優勝という結果とともに、初の公式大会という緊張感のなかで7試合を戦い、約1カ月間にわたって活動したことでチームとしての一つの軸ができた。MF南野拓実ザルツブルク)やMF堂安律フローニンゲン)、MF柴崎岳(ヘタフェ)といった主力を継続招集しながら、香川ら“新戦力”や負傷でアジアカップに参戦できなかったMF中島翔哉(アル・ドゥハイル)らを加え、いかなる融合を果たしていくのか。

「日本代表のベースアップを図り、これからの戦いにより結果を出せるメンバー編成を最終的にできるようにやっていきたい」と語る森保監督のチーム作りは、コロンビアボリビアという南米勢との3月2連戦から、「コアメンバーの拡大」というテーマとともに“第2章”へと突入していく。(Football ZONE web編集部)

アジアカップから13選手が入れ替わった森保ジャパン【写真:田口有史】