◎諸刃の剣か 噴き出す対韓経済制裁の行方

 日韓関係の悪化がエスカレートしている。元徴用工賠償を巡る韓国大法院判決、韓国海軍によるレーザー照射問題、韓国国会議長の「天皇謝罪」発言がくすぶる中、麻生太郎副総理兼財務相が具体的な対抗措置に言及。警戒を強める韓国は対応に追われている。

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 「関税(引き上げ)に限らず、送金の停止、ビザの発給停止とか、対抗措置にはいろんな方法がある」

「日本政府として煽る立場ではないが、今はその(=制裁発動)前のところで交渉しており、きちんと対応をしなければと思う。これ以上、事が進んで(日本企業に)実害が出ると、別の段階になる。その段階ではいろいろと考えねばならない」

麻生副総理がこう言及したのは、今月12日の衆院財務金融委員会。自民党の外交部会などでは対抗措置として経済制裁を発動する声が盛んに上がってきたが、政権の重要閣僚が具体的な内容を口にするのは初めてだ。政府は対抗措置として駐韓大使の召還や日本企業の資産引き上げ、韓国企業の資産差し押さえなど、100前後の選択肢リストアップしているという。

 しかし、経済制裁はヘタをすれば諸刃の剣になりかねない。

アベノミクスの大号令で始まった日銀による異次元緩和で円安が進み、輸出産業を中心に日本企業は好決算を出してきた。ところが、米中貿易摩擦で中国経済が低迷した煽りで対中輸出が急減速し、2018年の貿易収支は約1兆2000億円の赤字になった。3年ぶりの赤字転落です。一方で、2018年の対韓貿易黒字は前年比20・5%減に落ち込んだものの、約2兆2400億円の黒字です。韓国と真っ向対立する事態になれば、この黒字も吹き飛びかねません」(証券関係者)

景気後退懸念が高まる中で、貿易戦争に突入なんて悪い冗談では済まない。だが、与野党ともに韓国批判が噴出している。自民党の中山泰秀元外務副大臣は「厚かましくて、度が過ぎている」「冷静に、かつ、韓国の急所を突く形で制裁すべきだ」と発言。

国民民主党渡辺周元防衛副大臣も「これまでは大目に見ていたが、企業に実害が出る事態となれば、外交ルートで抗議する『遺憾砲』では済まない。官邸も『お灸を据えるべきは今だ』と感じているはずだ」と発言している。全面対決に向かっていくのか、落としどころはないのか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

与野党から韓国批判噴出「厚かましくて、度が過ぎ」、「お灸を据えるべきは今だ」