怪我で辞退した18年9月以来の招集に喜びも…「僕としては一からのチャレンジ」

 J1ヴィッセル神戸のMF山口蛍は、3月シリーズ(22日コロンビア戦、26日ボリビア戦)で約8カ月ぶりの日本代表復帰を果たした。15日の練習後には、“復帰”という言葉を使わずに「一からのチャレンジ」と位置づけ、「初めて選ばれた時のようにガムシャラにやれればいい」と思いを語った。

 山口は今季、ユース時代からプレーしてきたセレッソ大阪を離れ、同じ関西を拠点とする神戸への移籍を決断した。元スペイン代表FWダビド・ビジャ、元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ、元ドイツ代表FWルーカス・ポドルスキの“VIPトリオ”を擁する巨大戦力のなかで開幕から3試合連続でフル出場。J1リーグ第2節のサガン鳥栖戦では、ビジャの日本初ゴールをロングフィードで演出するなど、持ち味の激しい守備だけでなく、攻撃面でも存在感を放つ。

 森保一監督率いる新体制では初陣の2018年9月シリーズに選出されたなか、右膝の負傷で活動を辞退。過去ワールドカップに2度出場、A代表通算45キャップを誇るが、山口は“復帰”ではなく、“再スタート”だと位置づけた。

「ヴィッセルで新しいチャレンジをしてきたことが評価されて、代表に選んでもらえたので、自分の決断が間違っていなかったと思うとすごく嬉しいです。復帰というふうには捉えてほしくはないと思うので、僕としては一からのチャレンジ。初めて選ばれた時のようにガムシャラにやれればいい」

「今、自分のチームでやっていることをそのまま(代表で)やればいい」

 森保体制では初参加となり、今回はアジアカップのメンバーからも13人が入れ替わった。「行ってみてからじゃないと分からないこともある」のが、“一からのスタート”という思いにつながっているという。

「(新しい)代表はまだ分からないこともありますが、できるだけ早く吸収して慣れていきたいし、ノエスタで試合(26日ボリビア戦)があるのでそこに出られるようにしたい。裏に出すボール、前へのボールが増えたのは、ヴィッセルの前線にそういう選手(ビジャポドルスキイニエスタ)がいるのもあると思います。今、自分のチームでやっていることをそのまま(代表で)やればいいかなと」

 3月シリーズのボランチは、MF遠藤航シント=トロイデン)の招集が見送られ、山口とともにMF小林祐希(ヘーレンフェーン)が代表復帰。MF柴崎岳(ヘタフェ)、MF守田英正川崎フロンターレ)を含めたポジション争いで、日々“世界”を体感している山口がどんなプレーを見せるのか注目が集まる。(Football ZONE web編集部・小田智史 / Tomofumi Oda

山口が約8カ月ぶりの日本代表復帰を果たした【写真:Football ZONE web】