「視覚探偵 日暮旅人」(日本テレビ系)、「極道めし」(BSジャパン)や、内田理央主演の映画「血まみれスケバンチェーンソー」などで知られる脚本家・福原充則の書き下ろし舞台「こそぎ落としの明け暮れ」が、3月15日(金)から池袋・東京芸術劇場にて開幕する。福原は、2012年に富岡晃一郎とベッド&メイキングスを旗揚げし、2018年第62回岸田國士戯曲賞を受賞。

【写真を見る】20日(水)19時終演後のアフタートークには八嶋も駆けつける﴾写真は前回公演﴿

4月スタートの日本テレビ系ドラマ「あなたの番です」の脚本に起用されるなど、多方面から注目されている福原に、舞台「こそぎ落としの明け暮れ」への意気込みを語ってもらった。

「今回は、何度か一緒に創作をしたことのある役者さんが多いので、戯曲への理解度が高くて安心して稽古を進めてきました。逆に、作り手の側だけで理解し合った気にならないように気をつけています。ただでさえ、いつもより遠回しに表現するシーンが多いので」。

福原作品になじみある出演者には、旗揚げ公演「墓場、女子高生」や受賞作「あたらしいエクスプロージョン」にも参加した町田マリーや、2回目の参加となる安藤聖、吉本菜穂子、葉丸あすか、佐久間麻由や、3回目の参加の野口かおるもいる。一方で、ドラマ「半分、青い。」の律(佐藤健)の妻役で注目された石橋静河、青年団所属で前田司郎、山内ケンジ、江本純子、上田誠らさまざまな演出家との舞台経験をもつ島田桃依らは福原の舞台に初参戦だ。.

「大人の女優と創作したいという気持ちから、集まってもらった役者さん達です。プライベートの交流はありませんが、それでも多くの方が、7年から10年以上の付き合いなので、経てきた変化をいろいろ感じます。変わった部分、変わらない部分、頑張って変えた部分、図らずも変わってしまった部分などなど、それぞれの変化はあるのですが、それが今回の芝居の内容にも影響を及ぼしていると思います」と福原ならではのキャスティングに期待が持てる。

今回のストーリーについては、登場人物たちの善意が互いをすり減らし、こそぎながら、“信じるに値するもの”を求めて、右往左往する様を“笑い”を交えて描く群像劇だという。

「若い頃、絶対に変わらないとか変えるものかと思っていたものが、40歳を過ぎてびっくりするくらい変わっていたことに気付いて、これからも、今、確かだと思っていることが変わっていくんだろうなと強く感じています。私はもともと流れに身を任せるタイプの人間なので、変わっていくことに抗うつもりはありませんが、流れの中でおぼれてしまわぬように、せめて船に乗って流れたい、と。この作品は、そんな、見る人の船になれたらと思って作りました。まぁ笹船のようなもろさの船だと思いますが…」と語る。

日常的な光景の中に奇想天外な展開を持ち込み、驚き&笑わせてくれる福原ワールド。その魅力に取りつかれる観客が、また増えるに違いない。

また、受賞作出演者がアフタートークにも! 3月20日(水)19時終演後には八嶋智人、21日(木)14時終演後には川島海荷、大鶴佐助がスペシャルゲストとして登場。「『あの賞は一体誰のおかげで取れたのか?』をいまさら検証する会。」をテーマに、トークを繰り広げる。(ザテレビジョン

「あたらしいエクスプロージョン」(写真は前回公演)で熱演した川島はアフタートーク(21日・木14時終演後)に登場