あるツイートに「虐待状態のワンコがいます」と動画とともにアップされた投稿が今もなお、様々な意見が飛び交っている。
■「虐待状態のワンコがいます」
3月上旬、動物保護活動を名乗る人物が、口輪をする犬の姿が写る動画に「虐待状態のワンコがいます」「改善に向けて飼い主と交渉する予定」と投稿した。
その後ツイートは削除されているが、この投稿は拡散され、犬の「口輪」についての意見が多く寄せられているようだ。
■「かわいそう」「人と犬を守るため」
ネットショッピングのサイトで「口輪(マズルガード)」を調べてみると、口の先は空いているものから口全体を覆うものまで様々なデザインがあるようだ。商品説明欄には、無駄吠え/拾い食い/噛みつき…と用途が記載されている。
ツイートでは、「かわいそう」「虐待」との声もあるが、実際に散歩中、落ちているものを食べてしまうクセのある犬や、噛み癖のある犬には口輪をしている人や、勧める人の声も多数見られる。
「マズルガードは虐待かというツイートの件で、かわいそうというリプが殆どで驚いた。噛み癖や拾い食い対策、傷舐め、治療中などの理由でも装着されるものです」
「犬のためにも必要。他人を噛んでしまったら下手したら保健所行き。人と犬を守る為のものだから、虐待じゃない」
「動物病院でも中型以上は口輪で来院してというところもあるし、慣れない保護犬にもよく使われます」
「かわいそうといい続けている人は、拾い食いや噛み癖のある犬を飼ったことある? まさか調べないで写真を見ただけで拡散してるんじゃないよね?」
■トリマー「装着することもある」
「動物の美容院」トリマーとして働く人にとっても、「口輪(マズルガード)」は必要なことも少なくないという。実際に女性トリマーの方に話を聞いてみた。
ヘアカットが初めての子や慣れていない子、家族以外の人間に触られることに慣れるまでに時間がかかる子など、口を開けて噛みつこうとする子もいますし、実際に噛みつかれたこともあります。
そういう場合はマズルガードを着けることもあるし、最初から飼い主さんに渡されることも少なくありません。
街を歩いていても、マズルガードをしているワンちゃんを見かける機会が少ないから、その姿が衝撃的に映った方が「かわいそう」と感じてしまうのかもしれませんね。ただ「虐待」と言われるのは、私たちにとっても心外というか、残念です。
■情報を見極める方法を
近年、動物に対しての虐待事件が相次ぎ、報道されていることもあり、周囲の人間も敏感になっている一面もあるのかもしれない。
事故を防ぐ用途ではなく、たとえば四六時中、口輪を装着されているとなれば話は別だが、多くの愛犬家は使用方法を熟知しているのではないだろうか。
今回も拡散されたツイートで「口輪」について調べた人はどれだけいるのかが気になるところだ。情報の言葉や一部を切り取った映像だけで「かわいそう」「虐待」だと声を上げることは一考の余地があるのではないだろうか。
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