薄毛に悩む人であれば、かつらや植毛などに興味を持ったことがあるのではないだろうか。しかし大掛かりな処置や手術を受ける場合には注意が必要だ。このほどインドに住む男性が、毛髪移植手術を受けた後に亡くなってしまった。『The Sun』『Times of India』などが伝えている。

インドのムンバイにある民間のクリニック「Chinchpokli clinic」で、物流会社のオーナーであるシュラワン・クマール・チャウドリーさん(Shrawan Kumar Chaudhary、43)が50万ルピー(約81万円)もの費用をかけて毛髪移植手術を受けた。

この手術は自身の頭髪が多く生えている部分から毛根を1本ずつくり抜き、増やしたい箇所に移植するというものだ。今月7日、シュラワンさんは手術前の検査に一日のほとんどを費やし、同日の夜遅くに手術が行われた。

シュラワンさんは9,250株(毛根1つにつき1株)もの毛髪を移植する予定だったが、手術を開始してから12時間後、約3,700株の移植が終わった頃に突然、苦しみ出したという。

クリニックの医師はシュラワンさんに鎮痛剤抗生物質を投与したが、彼は呼吸困難に陥り、すぐにパレルにあるグローバル病院へと救急搬送された。ところが改善する見込みがなかったことから他の病院を勧められ、シュラワンさんは友人によって8日にハイラナンダニ病院へと移送された。

病院にはシュラワンさんの家族も集まった。しかし翌9日に、シュラワンさんは息を引き取ってしまった。家族はこの時まで、シュラワンさんが毛髪移植手術を受けたことを知らなかったそうだ。

今回のシュラワンさんの死には、警察の捜査が入った。12日にはシュラワンさんを執刀したクリニックのハルワイ医師(Dr Halwai)が、警察の取り調べで「正式な死因については現在調査中となっています。彼の遺体は法医学研究所に送られました。詳しい情報などは鑑定のために、JJ病院に送られる予定です」と述べている。

『Times of India』によると、通常の毛髪移植手術は一度に2500~3000株とされており、手術も6~8時間以内に完了することが望ましく、それ以上時間をかけて麻酔を使用することは合併症を引き起こす原因になると伝えている。またそれ以上増やすとなると、術後18か月以上経たないと新たに移植できないという。

ハルワイ医師は、8年ほど毛髪移植手術の経験を持つベテラン医師だ。しかしながら今回はシュラワンさんの強い希望もあって、一度に通常の3倍の9,250株の毛髪移植手術をすることに承諾したようだ。

また、シュラワンさんは重度のアレルギーを持っており、死因は手術において使用されたなんらかの薬品によってアナフィラキーショックを起こしたことによるものではないかと医師は推測している。

画像は『Times of India 2019年3月12日付「Hair transplant death: Man wanted more grafts in 1 go?」(Picture used for representational purpose only)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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