日本人にとっては道路など公共の場所がきれいなのは普通だが、初めて訪日する中国人旅行者には驚きの体験となり、うわさ以上だったと感銘を受ける人も少なくない。香港メディアの文匯報は17日、「日本は田舎に行けば行くほどきれいになる」と題する記事を掲載した。

 日本が田舎に行けば行くほどきれいだというのは、衛生面で都市部から大きく遅れている中国の田舎との違いを感じるからだろう。中国の都市部では、専門の清掃員が四六時中掃除しているので、意外と清潔に保たれている。ところが、農村部などの田舎へ行けば行くほどお世辞にもきれいとは言えない状態になっていく。

 では、なぜ日本では田舎でもきれいにできるのだろうか。記事はその理由を、「幼いころから教育しているからだ」と分析。家庭では親が身をもって教え、幼稚園や学校では教師がごみの分別を教えていると紹介した。日本では「小学生で、すでにごみを分別する習慣が身についている」と敬服した様子だ。

 学校ではどのように教えているのだろうか。記事は、遠足に行くとき日本の子どもたちはリュックにごみ袋を入れていくと紹介。日本にはほとんどごみ箱がないためで、「ごみを持ち帰るのは常識だと学ぶ」と伝えている。

 さらには、ごみ処理場やごみの収集を社会見学することや、給食の機会を利用して紙パックをリサイクルすることも教えていると紹介した。牛乳のパックを子どもが自ら毎日洗って広げて、乾かしてから回収に出している。洗う際にも水を無駄にしない工夫をして、列に並んで順番に片付けることで、環境保護やマナーも学べると感心している。

 記事は結論として、日本がここまできれいなのはごみの分別が「日常生活の一部」また「社会常識」になっているからだと分析。中国人は、外で出たごみを持ち帰り、ごみを分別する日本人は大変だと思うらしい。しかし、毎日の食事と同じで、いったん身についたものは忘れることも間違えることもないと論じている。

 今のところ中国では「ごみを分別する時間も気持ちもない」のが現状だが、日本のように幼い時から教え始めれば、きれいな社会になるのも夢ではないと記事は締めくくった。やはり国民一人ひとりの意識を高めることがかぎと言えそうだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

なぜだ! 日本は中国と違って「田舎へ行けば行くほど綺麗になる」=中国メディア