TOKYO MX地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。3月11日(月)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、社会学者の開沼博さんが、被災地復興のために必要なことなどについて、意見を述べました。

政府は3月8日(金)の閣議で、東日本大震災からの復興に関する基本方針見直しを決定。2020年度末で廃止となる復興庁の後継組織設置を初めて明記しました。

その後継組織について、具体的な形態は示していないものの、内閣府への移管を軸に検討が進む見込みです。また、津波被災地での心のケアなどのソフト事業は2021年度以降も続け、福島第一原子力発電所事故の対応については中長期的に国が責任を持つとしています。

◆復興の全体像が描ける“最後のチャンス

国は震災が発生した2011年から2015年度を「集中復興期間」、2016年度から2020年度を「復興・創生期間」と設定。被災自治体に多額の財政援助をしてきましたが、期間終了を迎えようとしています。

開沼さんは「震災から9年目は、復興の全体像のデザインができる“最後のチャンス”」と重要性を説きます。「復興は行政だけでなく、いろいろなところが絡みあってやる必要がある。(復興のための)予算が10年目まであると言っても、9年目に固めておかないと、10年目、そしてその後どうするのかが立ち行かない。今が正念場。ここから1年、どう頑張れるかが大切」と強調しました。


復興の課題として掲げたのは、「復興景気の終わりと新産業創出」と「記憶・記録の継承と、学びの場づくり」の2つ。

人手不足や高齢化が進むなか、福島県南相馬市では、物流やインフラ点検、大規模災害などに対応する陸・海・空のロボットの研究開発拠点として、「福島ロボットテストフィールド」の整備が進んでいるそうです。「廃炉産業」を抱えるなか、今後どのように開発を進めていくのかが急務となると言います。


震災を知らない世代が増えていくなか、どのように記憶・記録の継承と学びの場を作っていくか。実は、ここ1年で数多くの施設ができているそうです。

2018年には「特定廃棄物埋立情報館リプルンふくしま(福島県富岡町)」や「東京電力廃炉資料館(福島県富岡町)」、「中間貯蔵工事情報センター福島県大熊町)」ができ、2019年3月10日(日)にも「気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館(宮城県気仙沼市)」が開館しました。

その背景には、予算が切れる前に作る、さらには2020年東京オリンピックパラリンピックへ向けて、外国の方々に注目して来て欲しいという狙いがあると言います。

今後も岩手県宮城県福島県に復興記念公園ができるそうですが、「そこをどうやって盛り上げていくか、箱だけ作っても仕方ない」と、コンテンツの重要性を訴えます。

そして、震災を知らない世代に対し「“災害の教訓”が一番重要であり、注目されがちですが、新産業創出やコミュニティづくりといった、被災地が抱える地域課題を考えていくことも重要」と意見を述べました。

最後に、復興庁の後継組織は何をしていくべきなのかについて「人口が減ったスケールでどうやるのか、という議論が全く盛り上がっていない。まず、最終的にどうなりたいのかを決めて、そこに向かって何を積み上げていくのか、しっかりと議論しなければならない」

昨今、一部の専門家のなかで言われている「エンドステート論」を挙げ、議論を盛り上げる手段について主張しました。

番組では、視聴者に「2020年度末に設置期限を迎える復興庁の後継組織、必要だと思いますか?」というテーマで、生投票も実施しました。結果は以下の通りです。

2020年度末に設置期限を迎える復興庁の後継組織、必要だと思いますか?
必要だと思う……1,299
必要だと思わない……399票
どちらとも言えない……309


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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイトhttp://s.mxtv.jp/morning_cross/

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