警察官(akiyoko/iStock/Getty Images Plus/画像はイメージです)

警察官2人をサバイバルナイフで刺し、重傷を負わせたとして殺人未遂などの罪に問われていた無職の男(38)に、金沢地裁が無罪判決を言い渡したことが報じられた。

どんでん返しの判決に、インターネット上では疑問の声が相次いでいる。

 

■「心神喪失状態」が認められ無罪

報道によると、男は2017年8月27日夜、交通違反に関する事務手続きのため、自宅を訪れた警察官2人をサバイバルナイフで襲い、顔や腕に重傷を負わせた。

男は殺人未遂などの罪に問われたが、18日に行われた裁判員裁判で金沢地裁は、警察官を切りつけたことは認めた上で、男には被害妄想などがあったことを指摘。

「善悪を判断する能力を欠いていた」として、心神喪失状態だったことを認定し、無罪判決を言い渡したという。

 

■「すごく違和感」「おかしい…」

2人を刺した人間に無罪判決が言い渡されたことについて、インターネット上は騒然。判決に疑問を投げかけるツイートが相次いでいる。

「これが無罪なんだもんなあ…。警察官も怖くてやってられないでしょうよ…」

 

心神喪失なら警官刺しても無罪?? 司法終わってない??」

 

「産後うつの母親が実刑だったのに対して、警官2人刺したにも関わらず統失による心神喪失が理由で無罪なのがすごく違和感ある…」

 

「人2人刺して、病気だと無罪なのか、罪に問われないのか…なのに、うつ病で三つ子育てて1人亡くしてしまった母親は実刑…おかしくない? 日本、変じゃない?」

 

今月15日、名古屋地裁が三つ子を「ワンオペ育児」で育て、思いつめた末に生後11ヶ月の次男を床に叩きつけて殺害してしまった母親に対し、3年6ヶ月の実刑判決を出した。裁判官は別人であるが、2つの判例を比較する声が目立っている。

■三つ子育児でうつ病の母親に実刑判決

名古屋地裁の判例については、今月16日に『朝日新聞デジタル』が三つ子は不妊治療の末に授かった子供であることや、想像を絶する三つ子育児の現状などについても報道。

記事には、事件当時母親は子供の泣き声を聞くと動悸や吐き気といった症状に見舞われるほど精神的に追い詰められていたことも記されており、裁判でもうつ病であることを訴えたが、名古屋地裁は「責任能力はあった」と認定。さらには「悪質」という言葉を用いて母親に実刑判決を言い渡したことが報道されている。

幼い命が失われてしまったことは事実であり、許されることではない。しかし、「三つ子のワンオペ育児で追い詰められた母親」に対してあまりにも無慈悲な判決であるとの声や、支援を求める声が多くあがっている。

 

■「子育てママ」への風当たりが強すぎる

しらべぇ編集部が全国の20~60代の男女1,589名を対象に意識調査を実施したところ、全体で約4割の人が「子育て中の女性への世間の風当たりが強すぎる」と回答した。

子育て

多くの人が、子育て中の母親への強い風当たりを感じているようだ。

殺人未遂の罪に問われた人物に無罪判決が言い渡された驚きの結末。司法の判断とはいえ、被害者やその家族の気持を思うと複雑である。

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(文/しらべぇ編集部・あまぐりけいこ

【調査概要】 方法:インターネットリサーチ「Qzoo」 調査期間:2019年2月1日~2019年2月4日
対象:全国20代~60代の男女1589名 (有効回答数)

警察官2人を刺した男に無罪判決 「三つ子の母親は実刑なのに…」と疑問の声