ロシアW杯後、「代表のことは一回忘れた」という“空白期間”を経て8カ月ぶりの復帰

 森保一監督率いる日本代表は19日、3月シリーズに向けた国内合宿2日目のトレーニングを行った。新体制初陣の2018年9月に選出されるも負傷で辞退したMF山口蛍ヴィッセル神戸)は、今回が森保監督下では初参加。「ずっと呼ばれているメンバーとの差は、もちろんある」と“ゼロからのスタート”を誓った。

 山口は今季、ユース時代からプレーしてきたセレッソ大阪を離れ、同じ関西を拠点とする神戸への移籍を決断した。元スペイン代表FWダビド・ビジャ、元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ、元ドイツ代表FWルーカス・ポドルスキの“VIPトリオ”を擁する巨大戦力のなかで開幕から4試合連続でフル出場。ロングフィードでビジャの日本初ゴールを呼び込むなど、持ち味の激しい守備だけでなく、攻撃面でも存在感を放つ。

 森保体制となった18年9月シリーズは右膝の負傷で活動を辞退したため、日本代表においてはロシアワールドカップ(W杯)から約8カ月間の“空白期間”がある。山口はその間、気持ちをリセットしていたという。

ロシア(W杯)が終わってからリセットしたというか、代表のことは一回忘れました。今年に入って(神戸へ)移籍もしましたし、大きな決断したなかで役割とかプレースタイル、チームコンセプトも含めて今の神戸は全然違うものにトライしている。自分もトライしながらいい感じでいけているかなと。セレッソでやっていた時のプレーというより、今、神戸でやっているものが評価されているのかなと思います」

「ずっと呼ばれているメンバーに追いつくためには、今まで以上に必死にならないと」

 ボランチの争いにおいては、森保監督体制で主力を務めてきたMF遠藤航シント=トロイデン)の招集が今回見送られ、始動後にMF守田英正川崎フロンターレ)もコンディション不良により離脱しMF橋本拳人(FC東京)が追加招集と、決してベストメンバーではない状況だ。山口も、そうした背景を踏まえて、決意を強めて代表に合流したという。

「まだまだと思っていたなかでの選出だったので嬉しいです。ただ、アジアカップのメンバーが何人かいないというのもあるし、怪我で(遠藤)航とかいない状況で選ばれているのは理解している。もしかしたら、自分にとってこれが最後のチャンスかもしれない。そういう思いで今回来たので、チャンスがあればしっかり準備してやりたい」

 過去W杯に2度出場、A代表通算45キャップを誇る山口だが、「今までと違ってまったくゼロからのスタート」と位置づける。

「自分は半年以上も森保さんになって呼ばれていないので、ずっと呼ばれているメンバーとの差はもちろんある。そこに追いつくためには、今まで以上に必死にならないといけないと思います」

 神戸で一皮剥けた山口が、気持ちを新たに日本代表の競争に殴り込みをかける。(Football ZONE web編集部・小田智史 / Tomofumi Oda

日本代表MF山口【写真:Football ZONE web】