運転歴20年以上、取材で年間1万km前後は高速道路を運転するライターが、確実に効果があると実感している、居眠り運転対策を紹介します。
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家族を守れるのは、同乗者かもしれない
レジャーからの帰りなど、高速道路を運転していると、しばしば睡魔に襲われます。「翌日は仕事だから、なるべく早く帰宅したい」など事情があれば、ゆっくり休んでいるわけにもいかないケースも少なくないでしょう。
しかしながら、万が一、事故が起こしてしまった場合、車が壊れるばかりか、他人を死傷させてしまうかもしれません。
それどころか、大切な家族を失う可能性すらあります。百歩譲って自分が死ぬのは自己責任だとしても、我が子を亡くしてしまったら……これはもう、取り返しがつきません。
運転手はもちろん、可能な限りの安全運転をするわけですが、判断を誤る事態だってありますし、誰もが正しい選択ができるわけでもありません。
同乗者にもできることはたくさんありますので、ぜひ以下を参考に、運転手を助けてあげてください。
まずは王道ですが、カフェイン(コーヒーやお茶)や、ミントなどの刺激(ガム、フリスク)、疲エナジードリンクや栄養ドリンクで、気を紛らわせる方法があります。
ただし私の場合、これらは、睡魔をふっとばすほどの効果があるケースは稀です。どちらかというと、苦味や酸味、ミントの清涼感など、直接的な刺激で一時的に覚醒するのみ。
短時間の気分転換には良いのですが、あくまでも補助的な役割と思っておいたほうがいいでしょう。
プラセボ効果(効果があると信じると、偽薬でも効いてしまうケースがあること)ということもあるので、これらを飲食して、顕著に覚醒しているようであればいいのですが、あまり効果がないように見える場合は、過信は絶対にしないようにしましょう。
コーヒー
近年、高速道路のサービスエリア(SA)に、スターバックス・コーヒーや、タリーズコーヒーが多数出店しており、おすすめです。
缶コーヒーとは一味も二味も違う、熱々のホットコーヒーやカフェラテ、香ばしいアイスコーヒーは、眠気覚ましにも一役買ってくれる実感があります。
また、緑茶や紅茶にも、十分な量のカフェインが含まれているため、好みで選択肢になります。
後述しますが、食後低血糖のリスクを考えると、ノンシュガー、シュガーフリーのドリンクのほうが無難です。
エナジードリンクなら、レッドブルのシュガーフリーや、モンスターエナジーのウルトラ、アブソリュートリーゼロなどが候補になります。
栄養ドリンクも同様で、糖類が多く含まれ過ぎていないか、注意しましょう。
食後低血糖になるかも!? 炭水化物の取り過ぎには注意
疲れているときは糖分を摂取するのがよい、とされています。もちろん、適量であればいいのですが、大量に食べすぎると、体質によっては、食後低血糖のリスクがあります。
血糖値を下げようと、身体がインスリンを出しすぎてしまい、空腹時よりも血糖値が低下してしまう症状です。一般的に低血糖状態では、様々な体調不良が現れ、かすみ眼や、眠気も引き起こすことがあると言われています。
特に食後に眠くなることが多い人は、運転での疲労も重なるため、注意しておくに越したことはないでしょう。私はまさに該当するため、長距離運転の際は、意識して大量摂取を避けています。
炭水化物(糖質)の例
など
運転手が眠そうな時、助手席でできること
2. 新鮮な空気を取り入れる
運転手が眠気を感じているな、と思ったら、意識的に窓をあけて、換気をするようにしましょう。
もしかしたら、二酸化炭素の濃度が高くなりすぎ、眠気を誘発させているかもしれません。
二酸化炭素の濃度が高くなると、眠気を誘発する可能性
厚生労働省が管轄する建築物衛生法では、室内の二酸化炭素の含有率が、100万分の1000以下(=1000 ppm以下)になるように維持管理するよう、基準が設けられています。
二酸化炭素の測定計を開発・販売している、リエロ・ジャパンの記事「COとCO2濃度の人体への危険度に関して」によると、空気中の二酸化炭素濃度 が、2000-5000ppmとなると、頭痛、眠気、倦怠感、注意力散漫になると紹介されています。
建築物衛生法は、もちろんビルなどの建物向けの管理ルールですが、近年の車は、雨漏りすることはまずありませんし、走行音の低減などの目的もあって、密閉度が高くなっています。
締め切った車内で、長時間過ごせば、二酸化炭素の濃度は上がる、と考えたほうがいいでしょう。
エアコンは外気導入に
特に、真夏や真冬など、冷暖房を効かせるために窓を締め切っている場合は、要注意。
エアコンには、通常「外気導入」と「内気循環」の2つの設定があり、冷暖房を急激に効かせるためには「内気循環」がよいのですが、この状態では、換気はほとんど行われません。
エンジンをスタートさせてすぐは、「内気循環」でエアコンを効かせるにせよ、長距離を運転する場合は、「外気導入」にして、一定の換気が行われるようにしましょう。
窓をあけて深呼吸がベスト
強い眠気を感じている場合は、「外気導入」でも不十分かもしれません。
こんなとき私は、窓をあけて、深呼吸するようにしています。真冬だと寒いデメリットがあり、なおかつ高速道路走行時は、風切り音がかなり気になりますが、効果は抜群です。
同乗者の方であれば、運転手が眠そうにしていたら、意識して窓をあけて換気するようにしてあげてください。
3. 30分だけ仮眠する
上記のような対策をどんなにやっても、まったく効果がない場合もあります。こうしたときは、単純に疲労の限界です。気合ではどうにもなりません。
何をやっても睡魔が払拭できないときに、私が100%確実にリカバリーできる方法が、仮眠です。
長時間眠る必要はありません。10分、15分から、長くても30分でOK。眠れなくても、スマホのアラームをセットして、30分間、目を閉じているだけでも、てきめんに効果があります。
30分もロスできない……と思うかもしれませんが、事故を起こせば、丸1日潰れてしまうどころか、車が壊れ、自分や子供たちも死傷する可能性があるわけですから、背に腹はかえられないですよね。
運転を代われる場合は、同乗者は積極的に仮眠を
仮眠で時間をロスしないで済む方法は、交代で運転することです。
その際、運転しない番の方は、意識して仮眠をとること(少なくとも、スマホなどはやらず、目を閉じて静かにしていること)。我が家は、夫婦で運転するので、レジャーの帰りなどは、妻に眠るように促します。
同乗者は寝てはいけない、とよく言われますが、交代で運転する場合は別。仮眠を取ったほうが、運転を変わったときに眠気を感じずに運転できるので、積極的に眠るべきです。
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