精神疾患を持つ患者さんの多くは、家族や友人との関わりで少なからず悩みを持っています。そして逆に、周囲の人も患者さんに対してどう向き合うべきなのかわからず、困惑しているのではないでしょうか。 ここでは、いしゃまちの記事の中で、精神疾患を持つ患者さんとの関わり方、対応の仕方について書かれた記事をいくつかご紹介します。
うつ病
抑うつ状態がほぼ1日中、2週間以上続く状態をうつ病と言います。
重篤でも、治療を続ければいつかは快方に向かう病気です。けっして焦らずに、病気を理解した上で長い目で対応をしましょう。
境界性パーソナリティ障害
境界性パーソナリティ障害は、感情と対人関係の不安定さ、衝動行為が目立つパーソナリティ障害です。患者さんは感情のコントロールが難しいため、どのように対応すべきなのか大変難しく感じるかもしれません。家族や周囲の人はサポートを長く続けるためにも、患者さんと必要な距離をおき、冷静に対応していきましょう。
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自傷行為
リストカットなどの自傷行為は、上記のうつ病や境界性パーソナリティ障害に伴うことが多いものです。家族から見えないところで行われていることもしばしばで、行為に気づいた場合には感情的に非難しないことがポイントとなります。
発達障害
自閉症・アスペルガー症候群・注意欠陥多動障害(ADHD)・学習障害・チック障害などを総称して発達障害と呼びます。
患者さんはコミュニケーションや対人関係に問題を抱え、生きづらさを感じています。どのような病気なのかを周囲が理解することがサポートとなります。
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不安症(不安障害)
パニック症 ・社交不安症 ・強迫症・心的外傷後ストレス障害(PTSD)などを総称して不安症と呼びます。これらは周囲の人から見ると、どうして苦しんでいるのか理解しにくいこともありますが、治療のためには周囲の支えが重要になってくる病気でもあります。
妄想
妄想は、現実ではないことを強く確信してしまい、周囲が説得してもその考えを変えられない症状です。患者さん本人には病気の認識がないため、周囲の人との関わりが難しいケースもあります。妄想には否定も同意もせず、治療を促していくことが大切です。
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せん盲
せん妄では、物忘れ、夜に興奮状態になる、昼夜逆転、ぼんやりする、発言のつじつまが合わない、などの症状がみられます。せん盲は可逆性であり、家族や周囲の人の協力で予防・改善することのできるものです。
認知症
認知症は、早めに気づくことができれば進行を遅らせることができます。家族の「何か変だな」が早期の診断に繋がるかもしれません。
また、認知症は家族にとっても介護の負担が大きい病気です。できるだけ抱え込まず、種々のサービスを利用しましょう。
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アルコール依存
自分がアルコール依存症だと自覚している人は少ないため、周囲が気付くことが重要です。また、患者さんが断酒できるよう、関わる全ての人が正しい知識を持って協力していく必要があります。
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ゲーム障害(ネット依存)
WHO(世界保健機関)が発行する「国際疾病分類(ICD)」第11版に、「ゲーム障害」という病名が追加されることになりました。患者さんの多くは子供であり、保護者の方はどうすればネットやゲームに依存しないで済むのか、知識を持つことが重要です。
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スポーツによるメンタルの不調
スポーツを行っている方の中には、「なかなかパフォーマンスが上がらない」「練習のし過ぎで日常生活がうまく送れていない」といった悩みを抱える人もいます。
そういった悩みの根底にあるメンタルの不調は、周囲が気づくこともできます。
▶ 専門家に聞くスポーツとメンタルの不調:どんな悩みや症状がある?
▶ 専門家に聞くスポーツとメンタルの不調:うまくいかないときは「周囲を頼る」
番外編:家族へのサポートも大切
悩みを抱える患者さんと向き合い続けなくてはいけない状況は、周囲の人にとっても大変なことです。
精神疾患だけでなく、がんなどの介護が必須となる病気では患者さんだけでなくご家族の心のケアも重要とされています。
▶ ソーシャルワーカーが支える、患者さんと家族の生活―小児がんを考える⑧
最後に
ここまでの記事のほとんどに共通することとして、精神疾患の患者さんに対してご家族ができることは
- 病気の症状に気付き、専門家に相談すること
- 診断されたら、病気について理解すること
と言えます。
しかし精神疾患の治療は、専門家でも難しいものです。
周囲の人は決して抱え込まず、専門家のサポートを借りましょう。
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