日本政府観光局によれば、2018年に日本を訪れた外国人客の数は前年比8.7%増の3119万2000人となった。少子高齢化が進む日本にとって、外国人客による宿泊や消費は内需拡大という点で非常に重要な意味を持つが、その一方では問題がないわけでもない。

 一部の観光地などでは外国人客が増えすぎたことによるトラブルも起きており、外国人客の受け入れを拒絶するケースも生じている。観光客受け入れによって生じる問題は「観光公害」などとも呼ばれるが、中国メディアの捜狐はこのほど、観光公害という言葉について「中国人のことを言っているのか」と怒りを示しつつ、日本人は中国人旅行客を受け入れて「金儲けをしながら、公害呼ばわりするのか」と主張する記事を掲載した。

 日本を旅行で訪れた外国人は日本のマナーやルールを知らないことが多く、それが様々なトラブルを引き起こしているのは事実だ。特に、一部の寺や神社などでは外国人客による「宗教施設にそぐわない行動」を問題視する動きも存在する。また、日本を訪れる外国人旅行客のなかで中国人が占める割合は国別で最多であることから、中国人客によるトラブルが発生する割合も少なくない。

 記事は、日本では「観光公害」という言葉が話題になっていると紹介、決して中国人を名指ししているわけではないものの、中国人によるトラブルやマナー問題がたびたび批判されてきたためか、「観光公害という言葉は中国人に向けて使われているもの」と感じた中国人は少なくないことを紹介。中国のネット上では「日本人は中国人から金儲けをしながら、我々を公害呼ばわりするのか」、「日本人は表向きは良い顔をしながら、裏では中国人を罵っている」などといった声が上がったと紹介した。

 一方で記事は、「観光公害という言葉に反発する一部の中国人が理解できない」と主張し、中国人客によるマナー問題が多発しているのは事実であり、「問題を指摘されたら反省するのが筋であり、反発すべきではない」と主張。国が変われば文化や考え方も変わるものだが、「その違いを無視して、他国で好き勝手に振る舞うことは許されない」と主張し、「観光公害」と呼ばれないよう振る舞えば良いだけの話であると伝えている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

日本で問題視される「観光公害」、中国ネット「われわれを公害呼ばわりするのか」=中国