急激な経済発展を続ける中国。都市部では高層ビルが林立し、その姿はまるで先進国のようだが、その一方で中国では「伝統」が急激に失われているという側面もある。そのためか、中国から見ると日本は「現代化と伝統を上手に融合させている」ように見えるという。

 中国メディアの今日頭条はこのほど、日本は東アジアの最端に位置しながらも西側諸国とともに先進7カ国(G7)に名を連ねる国であると強調する一方、日本を訪れてみると「伝統が色濃く息づいている国」であることがわかると伝え、日本はなぜ伝統を切り捨てることなく現代化を実現できたのかと疑問を投げかける記事を掲載した。

 記事は、日本は現代化を進める中国にとって参考になる「経験」を持っていると主張し、過去に中国から儒教の教えをはじめ様々な事物を学んだ日本だが、近代になって西洋に学び、すでに脱亜入欧を行った現代の日本でも儒教の教えは捨てられず残っていることを指摘。それ以外にも伝統文化は社会に色濃く残っていて、その水準は「敬服してしまうほど」だと伝え、それは日本人が取捨選択のうえで他国に学び、学んだ他国の文明を自国に合わせて導入したためであると論じた。

 さらに、日本人は伝統文化と現代文明を調和、融合させる能力が非常に高いと主張。日本は明治時代に大きく飛躍し、そして、第2次世界大戦後も急速な復興を遂げたが、これは伝統文化と現代文明の融合があってこそだと主張した。さらに、製造業を例に挙げ、製品を単に生産するだけでなく、そこに優れた生産管理を導入し、徹底して細部にこだわり、品質を高めることができたのは「日本人の気質」があってこそだと伝え、現代文明をただ導入するのではなく、自分たちの文化や気質と融合させ、さらなる発展につなげたと伝えている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

日本人は現代文明と伝統文化を融合させる能力が「非常に高い」=中国メディア