TOKYO MX地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。3月12日(火)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、菅直人内閣の広報を務めた下村健一さんが、東日本大震災発生翌日の3月12日に目の当たりにした壮絶な状況を語りました。

◆“万が一”なら全権を枝野氏に

下村さんは東日本大震災発生翌日の3月12日、当時の菅首相と共に、福島第一原発の視察に訪れたそうです。この日の放送では、そのときの緊迫した状況を振り返るとともに、当時の対応の功罪についても触れました。


■3:59
長野県で震度6強の地震が発生するなど広域で余震が続発。

■5時過ぎ
東京電力が当初「3時にはできる」としていた「ベント(格納容器内の蒸気を外に放出)ができていない」と、首相官邸で報告を受ける。

■5:44
このままベントできず格納容器内の圧力が高まると爆発する恐れがあることから、避難指示を福島第一原発の3km以内から10km圏内に拡大。

■6:14
菅氏は官邸からヘリコプター福島第一原発へ。当時内閣官房長官を務めていた枝野幸男氏に「もし自分に万が一のことがあったとき、代行は全権を枝野氏に」と告げる。定員の都合で報道カメラマンは乗れず、広報を務めていた下村さんが急遽、撮影を代行することに。


■7:12
菅氏らを乗せたヘリコプターが現地に着陸。すぐさま免震重要棟に行った下村さんは「早く(なかに)入れ!」と怒鳴られる。棟内1階廊下には、倒れ伏す職員たちでいっぱいで「交代でベントに向かっては、すぐに戻ってくる。(長時間の滞在は)被ばくしてしまうため、その繰り返しで職員たちは疲れ果てていた」。

■7:20過ぎ
当時、福島第一原発所長を務めていた吉田昌郎氏が「電動ベントを試みている。しかし、あと4時間は必要。手動ベントに切り替えるか、1時間後に決めます」と報告。菅氏が「そんなに待てない。もっと早くやれないのか」と要求すると、吉田氏は「決死隊を作ってでもやります」と返答。

■7:45
福島第二原発も冷却機能喪失となり、菅氏は緊急事態宣言に署名。

8:05
菅氏らは、福島第一原発を離陸し、宮城県及び岩手県の津波被害状況の視察へ。


上空から被災状況を見た下村さんは当時の心境をこう語ります。「官邸の危機管理センターでは、大画面で現場の様子を見ていたが、画面からは伝わらないほどのスケールだった。行けども行けども水浸しで、日本沈没が起きたと思うほどだった」

■10:47
官邸に帰着した菅氏は、直ちに自衛隊増員を要請。
3月11日に2万人、12日には5万人、さらに13日には10万人と規模を拡大。当時の自衛隊の総員は約24万人で、過去最大規模の態勢を構築しました。

ヘリ視察の功罪

下村さんは、ヘリコプターでの視察の成果について「現地の被災状況を実際に目にしたことで自衛隊増員を即決でき、約1.9万人の人命を救助することができた。官邸に詰め掛けていた東京電力職員とのやり取りでは会話が成り立たず、把握ができなかった側面もあった」と言います。その一方で、福島第一原発で対応にあたっていた「吉田所長たちの貴重な時間を奪ったのは紛れもない事実」と指摘しました。

しかし、改めて当時を振り返り「じゃあ、どうすれば良かったのか……その辺りの事実を、しっかりともう一度踏まえ、考えないといけない」と語りました。


今後30年以内に、マグニチュード7級の地震が発生する確率が高いとの予想もされています。下村さんは「当時を知る内閣広報室や官邸のメンバーが総入れ替えしているので、そこが怖い」と当時の経験が生かされるのか危惧していました。

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイトhttp://s.mxtv.jp/morning_cross/

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