国際親善試合のドイツ代表vsセルビア代表が20日に行われ、1-1のドローに終わった。

ロシアワールドカップ(W杯)でのグループステージ敗退、UEFAネーションズリーグでのグループB降格と不振が続くドイツ。24日にユーロ2020予選初戦のオランダ代表戦を控える中、2019年の初陣となるセルビアとのテストマッチに臨んだ。

アテング、ミュラーフンメルスバイエルンの重鎮3選手に構想外を言い渡し世代交代を強調するレーブ監督は、この一戦に向けてGKにノイアー、最終ラインにクロステルマン、ジューレ、ター、ハルステンベルクを起用。中盤はキミッヒとギュンドアンの2センターに、2列目はブラント、ハフェルツ、ザネ、最前線にヴェルナーという構成となった。

一方、25日にポルトガル代表とのユーロ2020予選初戦を控えるセルビアはマティッチやコラロフといった重鎮をケガで欠いたものの、ミレンコビッチやミレンコビッチ、ヨビッチら活きのいい若手が先発に入った。

キミッヒがセンターバック2枚の間に落ちて3バックを形成して自陣後方からショートパスを繋ぐドイツに対して、セルビアは球際の強さを生かして前から圧力をかけていく。

立ち上がりは相手のファーストプレッシャーラインを巧みなパスワークでかい潜ったドイツが、オープンスペースのザネやヴェルナーの縦への仕掛けから相手陣内深くまで攻め込むシーンが目立つ。

しかし、粘り強い守備でピンチを凌いだセルビアがセットプレーから最初の決定機をいきなりモノにする。12分、右CKの場面でキッカーのリャイッチがニアに速いボールを入れると、味方とDFにディフレクトしたボールがゴール前に流れる。これをドフリーのヨビッチが頭でゴール左隅に流し込んだ。

早い時間帯に先制を許したドイツはビルドアップの場面で相手のプレスにハマってしまう場面が目立つが、焦れずに同じ戦いを継続。22分にはショートカウンターからハフェルツのスルーパスに抜け出したヴェルナーがGKと一対一の絶好機を迎えるが、ここはGKドミトロビッチの絶妙な飛び出しに阻まれる。

前半半ばから終盤にかけてはドイツが押し込む状況が続く中、互いに決定的な場面を作り出す。37分、味方とのパス交換でボックス右ライン際に切り込んだクロステルマンのグラウンダーの折り返しをハフェルツがワンタッチで流したボールがファーでドフリーのヴェルナーに渡るが、この決定的なシュートはGKドミトロビッチの驚異的な反応に阻まれる。

直後の41分にはセルビアの鋭いカウンターからボックス右でDF3枚を引き付けたラゾビッチのラストパスをゴール前でドフリーのリャイッチがシュートするが、大きくふかしてしまいイージーフィニッシュを失敗した。

0-1で試合を折り返すことになったドイツハーフタイムでハフェルツ、ノイアーを下げてロイスとテア・シュテーゲンを後半頭から投入。だが、後半の立ち上がりもセルビアの鋭いカウンターに晒されてラゾビッチ、ヨビッチとボックス内で決定機を作られる。

その後、ブラントを下げてゴレツカを投入して攻勢を強めるドイツは相手陣内でハーフコートゲームを展開。59分にはボックス右でDFを剥がしたロイスがニア上を狙ったシュートを放つが、ドミトロビッチビッグセーブ。続く65分にはショートカウンターからザネのヒールパスに反応したギュンドアンがボックス左でGKをかわして無人のゴールへ蹴り込むが、今度はマクシモビッチのゴールライン上でのスーパークリアに阻まれる。

再三決定機を作りながらも相手の堅守をこじ開けられないドイツだったが、69分にようやくゴールが生まれる。相手のゴールキックからのビルドアップを高い位置で引っかけてショートカウンターに転じると、ボックス左のロイスがマイナスに折り返す。これを中央で受けたゴレツカが冷静にDFをかわして右足を振り抜くと、強烈なシュートがゴール左隅に突き刺さった。

この同点ゴールで勢いづくドイツは序盤からキレ味鋭い突破を見せていたザネを起点に勝ち越しゴールに迫っていくが、失点後も高い集中力を発揮する相手守護神の好守を打ち破れない。

その後、試合終盤にかけてはフレンドリーマッチらしからぬ小競り合いが目立ち始めると、試合終了間際には途中出場のパブロフがザネの足首に強烈なスパイクを見舞い一発退場に。このラフプレーであわや足首のじん帯損傷かと思われたザネは大事を取って交代したものの、自らの足でベンチまで下がっており、大事にはならなかった模様だ。

結局、試合はこのまま1-1のドローでタイムアップ。レーブ体制継続も世代交代を図る新生ドイツの初陣は相手守備陣の好守もありドローに終わった。

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