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スイスのベルン芸術大学は、音楽がチーズの風味と香りに与える影響を調査するため、9個のチーズに異なる音楽を聴かせた
■聴かせた音は、ロックやクラシックなど音楽が5種類、単なる空気振動が3種類、そして無音・無振動が1種類の計9種類
■1日24時間、約6ヶ月半にわたった実験の結果、「ヒップホップ」を聴いたチーズに明らかな風味と香りの変化が現れた

チーズの好みの音楽は、どうやら「ヒップホップ」のようです。

スイスのベルン芸術大学の研究チームによる実験で、スイス原産の「エメンタールチーズ」に、異なる様々なジャンルの音楽を聴かせてみたところ、「ヒップホップ」を聴いたチーズに明らかな変化が見られました。

約半年間、音楽でチーズを熟成させる

チームは、音楽がチーズの風味と香りに与える影響を調査するため、チーズに音楽を聴かせる実験を実施しました。1ホール10kgのエメンタールチーズを9個用意し、別々の木枠の中に入れて、1日24時間音楽を聴かせます。期間は、昨年9月から約6ヶ月半。前代未聞の、いわば「音楽による熟成」です。

チーズにはそれぞれ、モーツァルトの「魔笛」からロックバンドLed Zeppelin の「Stairway to Heaven」、ヒップホップグループA Tribe Called Questのアルバム「We Got it From Here」、ダンステクノVrilの「UV」、Yelloの「Monolith」など様々な音楽を聴かせました。

単なる空気振動でチーズの変化する可能性も考慮して、「低周波」「中周波」「高周波」と3種類の振動も加えられています。

最後に、まったくの無音・無振動状態のチーズも1つ用意しています。以上が、実験に使った9個のチーズです。音楽は、木枠に備え付けられた特注のスピーカーから発されました。

ダントツで「ヒップホップ」!

そして審査員によるブラインド・テイスティングを行なった結果、「風味や香りにもっとも強い変化が現れた」と評価されたのが「ヒップホップ」でした。

審査員の1人であるベンジャミン・ルジー氏は「ヒップホップを聴かせたチーズは、味・見た目・食感とあらゆる面でまったく違うものだった」とロイターテレビのインタビュアーに話しています。

研究チームのマイケル・ハレンバーグ氏は「ヒップホップ特有のリズムがチーズの内側に直接反響を及ぼして、良い効果が出たのかもしれない」と指摘します。

すべてのチーズに効果的であるのか定かではありませんが、少なくとも今回の「エメンタールチーズ」の酵母菌は、ヒップホップがお好みだったようですね。

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reference: abc4.comreuters / written & text by くらのすけ
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