最近日韓の政治的な関係は冷え切っている。日韓の政治家たちはお互いにあら捜しをしているように見え、強制徴用工の裁判に関しては完全に反対の立場を取っている。

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 日韓の間で仕事をしている筆者としては、日韓関係が友好的であることが望ましいが、今のところどちらも譲歩できない政治的な事情があるようで、当分友好的になれそうにない。

 しかし、日本の女性向けの雑誌では頻繁に「韓国」と銘打った表紙が見られ、中身を見ると韓国人っぽくなれるメークを紹介している。

 また、ユーチューブでも「韓国に行ったらこれを買え」的な紹介があり、それは韓国コスメが中心となっている。

 日本行った際に見たテレビでも、ある日本人タレントが韓国女子になりたい日本人が多くなり、自分も韓流アーチストたちのメイクを真似ていると言っていた。

 こうした韓流メイクは、別段日本に限ったことではない。K-POPSや韓流ドラマの人気がアジアに広がっている今、韓国の女優やアイドルのメイクが憧れの的になっているのだ。

 ただ不思議に思うのは、日本人の女性は「韓国人の肌はきれいだ」と言い、韓国人の女性は「日本人の肌がきれいだ」と言う。

 正直、韓国人にも肌がきれいな人はいるし、日本人にだってきれいな人はいるので、それを一般化できない。

 しかし、はっきり言えるのは、韓国人の方が日本人より「キレイ」に対してのこだわりが強いということだろう。

 タレントや女優がきれいなのは一種当たり前のことなのに、一般人までもがそれくらいのレベルに近づこうとしたり、年齢に関係なく若さを保とうとするがあまり、美容整形外科や皮膚科が繁盛する。

 さて、そんな美と若さにこだわる韓国のコスメ事情について、ご紹介していこうと思う。

 韓国コスメと一言で表現しても様々な会社があり、ひとくくりに韓国コスメと紹介することは難しい。まず、代表的な会社からシリーズとして紹介していければと思う。

 まず、韓国コスメの代表格は、アモーレパシフィックで韓国初の化粧品専門会社である。

 韓国ではアモーレパシフィックのモデル=韓国美女という公式が成り立つほど、同社のパワーは絶大だ。

 これまで『チャングムの誓い』で有名なイ・ヨンエとか『太陽の末裔』のソン・ヘギョなど、韓国を代表する美女たちがモデルをつとめている。

 1930年からチャンソン商店という商号で化粧品を製造販売していて、最初のアイテムは椿油で作ったクリーム

 1945年、日本の植民地から解き放たれた韓国で社名を太平洋化学工業社に変更し、創業者(女性)の息子に代替わりする。

 1954年には韓国初の化粧品研究室をオープン。品質第一主義を掲げ、化粧品を科学的に結びつけた。

 1961年には、韓国で初めて「美容相談室」をオープンし、顧客の化粧に関するお悩み相談を始めた。1964年には、訪問販売制度および訪問販売専用アモーレブランドを導入した。

 当時は、アモーレ化粧品販売員が制服を着て各家庭を回っていた。現在は各家庭を売り歩くのではなく、ネットに移りネット販売をしている。

 こうした販売員は出来高で収入を得るので、デパートなどで買うよりサンプルなども多くもらえるらしい。

 ブログなどを見ると、どれだけサンプルをもらったかを証明する写真がたくさん出回っている。

 1970年代からは、それまでスキンケア中心の化粧からカラーを使った本格メイクの時代へと移っていく。

 しかし、この時はまだ韓国でもスキンケア製品はアモーレを使っても、メーキャップ化粧品は海外ブランドが優勢だった。

 1995年からプレステージブランドとして「HERA」を市場投入した。

 「誘惑が美しい女性」というスローガンで誕生したHERAは、海外のブランドに対抗できる高級感を全面的に押し出した。

 さらに、1997年に発売した「Sulwhasoo」は、高麗人参などの韓方(漢方)材を取り入れ韓国らしさ強調した。

 2002年に太平洋化学からアモーレパシフィックに社名を変更し、2018年の売上高は6兆782億ウォン、営業利益は5495億ウォン(1円=約10ウォン)となっている。

 アモーレパシフィックの化粧品は、Sulwhasoo(雪花秀)、LANEIGE(ラネーズ)、MAMONDE(マモンド)、innisfree(イニスフリー)、HERA(ヘラ)、ETUDE HOUSE(エチュードハウス)、IOPE(アイオペ)、PRIMERA(プリメラ)、HANYUL(ハニュル)、espoir(エスプア)、AESTURA(エスチュラ)といった女性向けのブランドがある。

 男性向けのODYSSEY(オディッセイ)、BRO&TIPS(ブロ&チップス)というブランドを展開している。

 それ以外にも日焼け止めクリーム専門のブランドや食品、ヘアケア製品、トイレタリー用品など、美に関する様々なブランドを展開している。

 そして、アモーレパシフィックは、済州島に大きな茶畑を所有しており、そこで収穫される緑茶から化粧品、食品、そしてカフェを運営して領域を拡大しつつある。

 中国で韓流ブームが始まってから、アモーレパシフィック製品を中国人が爆買いし、2016年には営業利益1兆828億ウォンを記録した。

 しかし、韓国の弾道弾迎撃ミサイルサードTHAAD)配備問題により大打撃を被り、1年で営業利益1兆ウォン割れしてしまった。

 それまで黄金株と言われ、長者番付でアモーレの会長がサムスン電子の李在鎔会長を凌いでいたけれど、今ではどんどん値崩れしている。

 ここからはアモーレパシフィックの化粧品を少し紹介する。

 アモーレパシフィックは、クッションファンデーションを最初に作り出したパイオニアでもあり、ほとんどのブランドでクッション・ファンデを発売している。

 中でもIOPE(アイオペ)のエアクッションがツヤ肌を演出し、カバー力もすごいと有名になった。

 また、若者向けのブランドであるEtude house(エチュードハウス)のダブルラスティングファンデーションは、抜群のカバー力と24時間崩れにくいといわれている。

 特に、この製品は、エスティローダーのダブルウェア・ステイ・イン・プレイス・メークアップのプチプラプチプライス:コスパのいい安いモノ)バージョンといわれている。

 筆者はカバー力重視なので、特にこの2つを取り上げたが、アリタウムのシングルアイシャドーなど、ラメ感がすごいのもたくさんある。

 それらは、徐々に紹介していくつもりである。 

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韓国初の化粧品専門会社、アモーレパシフィック(同社のサイトより)