夫とその母が不動産投資のために購入していた、渋谷駅から徒歩6分という便利な立地のマンションの最上階。
借家人が転居したのを機に、夫を亡くした母と夫妻は将来のことを考えて一念発起し、フルリノベと同居を決心しました。
唯一、満足のいくプランを出してくれたセキデザインスタジオに依頼をし、工事費約2,700万円(税・設計料込み。施主支給分含む)で二世帯同居でも快適に暮らせる空間を作り上げました。
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広いリビングダイニグを家の中心に置き、それを挟んで主寝室と母の部屋を配置しているH邸。
和室2間を撤去し、実現したこの大空間は採光性も抜群。
床はホワイトアッシュ無垢材で、温水式床暖房を仕込んでいます。
リビングダイニングとキッチン、廊下の面の精緻な納まりに夫はつねづね関心するといいます。
一見シンプルな仕上がりのH邸ですが、こうした巧みなディテールが上質さを物語っています。
壁面を活かした、清潔さを感じられるダイニング。
キッチンは独立型にしたので、「リビングからあれこれ見えず快適です」と母は話します。
また、ダイニングには大容量の壁面収納をつくり、3人の食器が仲良く並んでいます。
そして、ダイニングの西方向には、白い壁をくりぬいたような廊下が伸びていて、右手には収納とトイレ、突き当たりには手洗いコーナーを設けました。
天然大理石の洗面ボウルは施主支給品。
トイレの腰壁にもフローリング材を活用して、インテリアの一体感を創出しています。
健康に配慮して、壁と天井は珪藻土塗り。
さらに断熱などの基本性能にお金をかけたH邸。
そのぶん、フローリングや収納一式、設備機器の多くは施主支給でコストを削減しました。
「息子の努力で500万円は安くすんだと聞き、頼もしく思っています」と母。
また、H邸では寝室以外はすべて共有。洗面脱衣所と浴室はキッチンの奥に配置しています。
既存では洗面の位置に勝手口があったそうですが(珍しい!)壁でふさぎました。
それぞれの居場所と共有の居場所をつくり快適に
Hさん一家は全員仕事を持っていて、妻はフルタイム勤務、夫と母は自営業。
家で仕事をすることが多い夫と母のために、優先的に共有のワークルームを設けました。
ワークルームのテーブルトップ、引き出しユニット、吊り棚、書棚など、家具はIKEAのものですべて施主支給品。
組み立ては夫自らで行いました。
居室空間の調整で、以前よりも格段に広くなった玄関も共有。
床には夫が選んだ天然石を贅沢に張り、同じ素材でベンチも設置しました。
ベンチは特に冬場、ブーツを履く際などに重宝しています。
玄関の壁面は、外出用の大型クロゼットに。ミラー仕様の扉が外出前の身だしなみチェックに役立っています。
寝室だけはプライベートゾーン
リビングの東側には母の寝室があります。
置かれているのはベッドとテレビ、収納程度で、他室と同様シンプルそのもの。
ミラー仕様の収納もIKEAで購入しました。
「扉の角度を調整すると三面鏡になって便利なの」と、おしゃれさんらしいコメント。
ベッドを置いた側の腰壁にはフローリングと同じ仕上げを施して、スッキリした印象に仕上げました。
子世帯のプライベートゾーンにはミラー扉の収納が並び、空間をいっそう広く感じさせます。
ミラー扉に写っているのはシャワーブースで、その横にトイレと洗面コーナーを配置しました。
建具を省略することで明るくのびやかな空間に。
渋谷駅から徒歩6分、8階建ての最上階、専有面積約128平米という誰もが憧れそうな物件をリノベーションしたHさん一家。
「それぞれ居場所がちゃんとあり、仕事も持っている。だから二世帯同居でも余計な気を回さずにすみラク。マンションは戸建てと比べて冬も寒くなく、カギひとつで外出できるのも魅力です」と母は話してくれました。
このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.20』も参考にしてみてくださいね。
※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。
写真 山田耕司
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