いまなお検閲制度が残り、性表現が難しいとされるベトナム映画界で、ギリギリの映像表現を用いて女性の欲望を描き出した異色作『漂うがごとく』が3月23日(土)より日本公開を迎える。このたび淫靡で艶めかしい世界観を持つ本作から、劇中に登場する女性たちの滴る色気があふれた場面写真が一挙に解禁された。

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第66回ヴェネチア国際映画祭で国際批評家連盟賞を受賞した本作は、女性の視点で“性”を描き出す。ハノイで旅行ガイド兼通訳として働く処女のズエンと結婚したものの、どこか子どもっぽい夫のハイは式の後に酔いつぶれて初夜を果たすことができずにいた。そんな中、ズエンは危険な匂いのする男トーと出会い魅了され、少女から女性へと目覚めるようになっていくが、それは、ある悲劇を招くことに…。

このたび解禁された場面写真は全部で12枚。そのいずれもが、直接的な性描写を用いずに観客の想像力を刺激していく本作の奥深さを感じさせるものばかり。主人公ズエンが純白のウェディングドレスのファスナーを下ろす冒頭のシーンや、びしょ濡れのシャワーシーン、そして下着姿で横たわるシーンなど、見るものの情欲をそそるシーンが盛りだくさん。

主人公のズエンを演じているのは、トラン・アン・ユン監督の『夏至』(00)で12歳にして女優デビューを果たしたドー・ハイ・イエン。初々しい新妻から情念を身にまとった女性へと徐々に変化していくその姿は、ベトナム映画らしい湿度の高い空気感の中で満たされない想いを抱えて彷徨う女性を見事に体現している。

他にも、国際的に活躍するリン・ダン・ファム演じるカムが男性の太い指先に身体をなぞられている姿や、ズエンの夫であるハイと親しくなる少女が無防備に横たわる姿も。アジア屈指の美人大国ともいわれているベトナムを代表する3人の美人女優が、それぞれの魅力を匂い立たせていく本作。是非ともこの機会に劇場のスクリーンで堪能してほしい。(Movie Walker・文/久保田 和馬)

満たされない人妻が、快楽に目覚めて堕ちてゆく…