東京モーターサイクルショー2019にて、キムコの電動スーパースポーツモデル「Super NEX(スーパーネックス)」が日本初公開された。2.9秒で100km/h到達、6速マニュアルトランスミッションスリッパークラッチなどを採用した、操る楽しみをトコトン追求しているこのモデルの詳細を徹底レポート! REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)

h2スーパースポーツライダーの夢を実現したSuper NEX

 キムコは、ライダーが真に求めていることを深く洞察。電動スーパースポーツバイク時代に向け、最も魅⼒的な⽅向性を打ち出した。

 この設計哲学は、以下の5つの具体的なアプローチで、Super NEXによって具現化されている。

1:ギアシフトは、バイクに乗る技巧の真髄である
2:最⾼の加速は、思考の完成のように感じられる
3:⾃信を持って限界を探ることから興奮が感じられる
4:⾳はマシンの声である
5:優れた乗り物は、あらゆるシーンでライダーを盛り上げる

h2電動モーターとスポーツトランスミッションの融合

 SuperNEXは、「ギアシフトがバイクに乗る技巧の真髄である」という信念に基づいて設計。そのため、テクニックを駆使するライダーがいつでも楽しめるよう、スーパーネックスには最新の6速トランスミッションを搭載し、クラッチレス・シフトアップとシフトダウン機能が備わっている。

 また、スリッパークラッチにより、通常のシフトダウン時の乗り⼼地を向上。SuperNEXは、ミッションを採用することで、すべてのスポーツバイクライダーにとって必要不可⽋な、⼈とマシンの繋がりをもたらしているのがポイントだ。

h2すべての速度で怒涛の加速力を発揮

 今までの電動バイクの問題は、やはり加速⼒。電動モーターの本質的な特性としては、ミッドレンジで最⼤⾺⼒に達し、その後出⼒カーブが減少すること。

 その結果、単⼀ギアの電動バイクでは、所定の速度に達すると、加速⼒が顕著に落ちてしまうのがネック。さらに、このパワーの⽋如は、ライダーが重視する⾼速⾛⾏で最も頻繁に感じてしまうのが特徴だった。

 SuperNEXは、その課題を解決。6速トランスミッションの採用により、ライダーがバイクから最⼤の能⼒を引き出すため、モーターのパワーバンドを有効に使⽤できる。

 ミッション導入により、効率と応答性だけでなく、加速と最⾼速度を改善。その結果、SuperNEXは、時速0km/hから100km/hまでを2.9秒。時速0km/hから200km/hまでを7.5秒、時速0km/hから250km/hまでを10.9秒で到達することができる驚異的なパフォーマンスを発揮するのがポイントだ。

h2先進パフォーマンス制御システム「キムコFEP」を開発

 すべてのスポーツバイクユーザーが、次のレベルのスキルに⾃信を持って挑戦できるよう、キムコはライダーがバイクの能⼒をすべて活⽤できるような先進パフォーマンス制御システム、キムコFEP (KYMCO FEP︓ KYMCOフル・エンゲージメント・パフォーマンス)を開発。

 ハードな加速中には、FEPがウィーリーやホイールスリップを防⽌し、ハードブレーキ中には、後輪の持ち上がりを防止。荒れた路⾯や湿った路⾯を⾛⾏する時は、FEPが最⼤の牽引⼒を発揮してくれる。

 FEPエンゲージメントのレベルは、ライダーの好みに合わせて調整可能。FEPを活⽤することにより、すべてのライダーは、SuperNEXの能⼒を最⼤限に引き出すことができる。

h2「アクティブ・アコースティック・モーター」を導入

 マシンのキャラクター、感覚、情熱が求められるスーパースポーツバイクでは、電動モーターの静かさは大きな課題。この課題に対応するため、SuperNEXでは、マシンの⿎動を伝えるように設計された、世界初の「アクティブ・アコースティック・モーター」を搭載。

 このモーターには、ダイナミックなモーター・サウンドを忠実に再現するマルチ周波数⾳響発⽣器を搭載。音質や⾳量は、ライダーの好みに合わせて調整できるのも特徴だ。

h2SuperNEXは4つの走行モードを装備

 SuperNEXは従来型の電動バイクとは異なり、以下の4つのモードを備えている。

「ポイズド (Poised)」は、落ち着いて近隣を滑るように⾛⾏し、周囲の世界を忘れ、ライダーの内⾯の強さを静かに強調。

「アサーティブ (Assertive)」は、態度を変化させ、パワーと礼節の完璧なバランスをキープ。

ボールド (Bold)」は、ライダーの握る強靭なパワーを、⼼臓の⿎動と同期していつでも解き放つ。

エクストリーム (Extreme)」は、怒涛のパワーを発揮し、極限のパフォーマンスを獲得。

h2画期的な充電システム「noodoe EV OS」も公開
クラウドオペレーティングシステム「noodoe EV OS」。
SuperNEXの充電器接続箇所。

 東京モーターサイクルショー2019では、キムコと技術提携を結んでいる「noodoe社(台湾)」のクラウドオペレーティングシステム「noodoe EV OS」も公開。

 Noodoe EVは、従来の充電ステーションのコンセプトとは異なり、革新かつ豊富的な機能を提供することにより、建設業、小売業、ホスピタリティ業界、公共部門などが、駐車場をスマートなEV充電場所に変えて収益を生み出すことができるというシステムだ。

クラウドオペレーティングシステム「noodoe EV OS」
h2SuperNEXを動画でチェック!