中国は世界中から様々な企業を誘致し、「世界の工場」として製品を世界中に輸出してきた。しかし、近年は人件費の上昇などを背景に、中国から工場を撤退する企業が増えている。中国メディアの今日頭条は21日、中国から徹底する日本企業が相次いでいるのはなぜかと問いかける記事を掲載し、その要因を考察している。

 記事は、中国を離れる決断を下す日本企業は少数ではないと主張し、中国人なら誰でも知るような大手メーカーが中国国内の工場を閉鎖する動きが加速していると紹介。そして、撤退の理由を見てみると、コモディティ化した製品群からの撤退をはじめとする「中国とは直接関係のない要因」による中国撤退も多いと指摘した。

 一方、日本貿易振興機構のデータを引用し、2012年の日本の対中直接投資は134億ドル、ASEAN主要国への投資額は64億ドルだったものが、17年は対中直接投資は96億ドルまで減少し、ASEAN主要国への投資額は220億ドルまで急増しているのも事実だと指摘。

 また同期間中、日本人のASEAN主要国における駐在員数が32%増加する一方、日本人の中国駐在員の数は16%も減少したと伝え、日本企業が中国から東南アジアへとシフトしつつあるのは事実だと主張、こうしたシフトは主に中国国内で生産することのコスト優位がなくなったためであると論じた。

 続けて、東南アジアの人件費は今やさほど安いわけではないと伝えたほか、経済的なインフラもまだ未成熟であるため、企業にとってはコスト増の要因は少なくないはずだと強調。逆に中国は人件費こそ高くなったが、すでに世界最大の消費市場へと成長していると主張し、「コストだけを理由に中国から撤退するのは大きなビジネスチャンスを失うことになる」と伝え、日本企業は中国から撤退すべきではないとの見方を示した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

日本企業は中国から撤退すべきではない! コストだけを見ていてはチャンスを失う=中国