ブラジル代表MFコウチーニョ、プレーメーカーとして求められる役割に適応できず

 バルセロナは今季、2014-15シーズン以来となる3冠獲得に向けて順調な歩みを続けている。そのなかで今一つ流れに乗り切れないのが、ブラジル代表MFフィリペ・コウチーニョだ。加入2シーズン目に入っても適正ポジションが見つからぬままのアタッカーについて、バルサ側も「移籍のドア」を開いたとスペイン紙「マルカ」が報じている。

 バルサは17年夏にブラジル代表FWネイマールパリ・サンジェルマンPSG)に売却した移籍金を元手に、翌18年1月の移籍市場で1億2000万ユーロ(約150億円)プラス出来高払いの条件でリバプールからコウチーニョを獲得した。クラブ史上最高額の新戦力となったコウチーニョにかけられた期待値は高かったが、リバプール時代に見せたような躍動感はなかなか発揮できないまま。同紙は「カタルーニャは今や、ドアを開いて彼を去らせようとしている」と両者の状況が芳しくないことについて触れている。

 コウチーニョにとって不幸だったのは、バルサで求められた役割だったのかもしれない。「アンドレス・イニエスタ(現ヴィッセル神戸)の後継者として契約されたコウチーニョだが、加入後1年でその動きが起こるのは、バルサとしてはこのディールが失敗だったと認めることになる」、「コウチーニョはエルネスト・バルベルデ監督のシステムに適応しておらず、インサイドハーフのポジションでは機能し切れていない」と、イニエスタを継ぐプレーメーカーの動きを求められながらも、バルベルデ体制では生きる場所がないと「マルカ」紙は指摘している。

 またバルサは、来季からオランダ代表MFフレンキー・デ・ヨングの獲得を発表している。MFイバン・ラキティッチの退団も考えられていたが、むしろコウチーニョがラキティッチよりも売却対象になるのでは、と同紙は予測。マンチェスター・ユナイテッドアーセナル、そしてセレソンの同僚ネイマールがいるPSGが移籍先候補になるのではないかと見ている。

 ブラジル屈指のテクニシャンにとって“ポスト・イニエスタ”と目されたことが、バルサでの不幸だったのかもしれない。(Football ZONE web編集部)

バルセロナのMFフィリペ・コウチーニョ【写真:Getty Images】