3月も終わりが近づき、日本各地の観測ポイントで桜の開花が発表され始めた。いよいよ今年も花見のシーズンがやってきた。中国メディア・東方網は21日、桜の花に関する日本と中国の文化的な違いについて説明する記事を掲載した。

 記事は、中国の桜は約2500年の歴史を持つ一方、日本の桜はヒマラヤ山脈から伝わったもので、その栽培の歴史は中国よりも1000年あまり遅いとした。一方で、中国では近年になるまで桜の花に対する興味が薄かったと指摘している。

 その理由は2つあるという。1つめは「桜の花が持つ性質が、中国人の美学に合わなかった」とし、中国人は往々にして草花に活気や力強さ、安定感といった意味合いを持たせることを好むのに対し、桜の花は一時期にパッと咲いてあっという間に散ってしまう弱々しいイメージがあるため、これまで中国ではあまり受け入れられてこなかったと説明した。

 2つめの理由は、歴史的な問題だとしている。日本が桜を自国文化の一部と捉えているため、日本による侵略を受けた中国では桜を愛でることが恥とされてきた節があるというのが作者の見方だ。

 それが、急速な経済成長により、中国人の桜の花に対する見方にも変化が出始めたようだ。記事は「生活の質が高まるにつれ、春に出かけて花を愛でることが一種のブームになり、桜の花見が大いにもてはやされるようになった」としている。

 記事は最後に、日本では純潔さやロマンを帯びた薄いピンク色の桜が多く、日本の伝統的な武士道精神のイメージに合うのに対し、中国では濃いピンクや赤に近い桜の花が多く、縁起が良く幸福を招くという意味合いを帯びているという違いについても言及した。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)

これまで興味がなかった中国人が、近年にわかに桜の花を愛し始めた理由=中国メディア