20年後に人間の意識を機械にアップロードすることを目指すMinD in a Device、第三者割当増資によるシードラウンドの資金調達を実施。大規模研究開発の実施へ ~テック系エンジェル投資家・鎌田氏が社外取締役に就任~

 株式会社MinD in a Device(本社:東京都世田谷区、代表取締役:中村翼、以下「当社」)は、2018年12月に設立され、この度テクノロジースタートアップを数多く支援している鎌田富久氏(TomyK Ltd.代表/ACCESS共同創業者)らを引受先とした第三者割当増資により、シードラウンドの資金調達を実施いたしました。当社は、技術顧問である渡辺正峰(東京大学大学院准教授・脳神経科学専門)が著書[1]でまとめた、“人間の意識を機械にアップロードする構想”を実現する大学発ベンチャーです。その第一歩目として、意識の源と考える「生成モデル」を実装した次世代型AIの大規模研究開発を進めていきます。
左から当社技術顧問・渡辺正峰(東京大学大学院准教授・脳神経科学専門)、 代表取締役
中村翼、 社外取締役・鎌田富久氏(Tomy K Ltd.代表 / 株式会社ACCESS共同創業者)



1. 当社の目指す社会:人間の生き方に新たな選択肢
 当社は、技術顧問である渡辺の、Science誌掲載論文[2]等をはじめとする意識に関する  長年の研究成果に基づき、20年後に人間の意識を機械にアップロードすることを目指す、大学発ベンチャー企業です。
図1 意識が機械(コンピューター等)へアップロードされた世界のイメージ。左図:人間の脳と機械を接続して意識を一体化させ、さらに記憶を共有することによってアップロードは完了する。このとき、生体左脳半球—機械右半球と生体右脳半球—機械左半球の二つの組み合わせで襷掛け状に遠隔接続して日常生活を送ることにより意識の一体化および記憶の共有は促進される。右図:人間の脳が活動の終わりを迎えた後にも、機械の中で意識を持って生き続けることができる。生体脳半球と襷掛け状に連結していた二つの機械半球を接続する。


1-1. 意識のアップロードとは
 意識のアップロードとは、人間の意識を機械に移植し、機械の中で生き続けることを言います。渡辺の著書[1]では、意識に関する以下の仮説をあげた上で、検証方法、そしてアップロードの方法についてまとめ、20年後の実現を視野に入れています。(アップロードの過程は末尾の付録に記載)

意識の源は、「生成モデル」と呼ばれる、脳内の仮想現実を生み出す神経アルゴリズムであること(覚醒中は感覚入力により外界と仮想現実が同期する一方、睡眠中の夢では、仮想現実が感覚入力の縛りを受けない)

「生成モデル」を実装した機械には、ニュートラルな意識が宿る可能性があること

ニュートラルな意識の宿った機械と人間の脳を接続することによって意識が一体化し、さらに記憶の転送を行うことにより、肉体的な死後にも個人の意識が生き続けること(ひとつの脳半球が脳梗塞等によって欠損した後にも、もう片側の脳半球で変わらず生きていることに相当)

1-2. 利点および実現に向けた第一歩目
 意識のアップロードを実現することの最大の利点は、不老不死を望む人や、何らかの原因により生きたくても生きられなかった人に、自分が望むまでの間生き続けられるという、究極の選択肢が開かれることであり、人類の生き方が根本から変わる可能性を秘めています。
 実現に向けた第一歩目として、当社では「生成モデル」を実装した次世代型AIの開発、および社会実装を推進いたします。

2. 生成モデル」を実装した次世代型AIについて
2-1. 生成モデルとは
 Mumford[3]や川人ら[4]によって提案された「生成モデル」は、低次の入力情報から高次の推定結果を得る「ボトムアップ処理」と呼ばれる仕組みに加え、その逆の、高次から低次を生成する仕組みである「トップダウン処理」を備えています。トップダウン処理は、言わば外界の対象を仮想現実としてシミュレートするものであり、それにより対象への理解や知識がモデルに織り込まれることで、推定の精度が向上すると言われています。ただし、生成モデルは研究段階にあり、実用化にはほとんど至っていません。

2-2. 生成モデルを実装した次世代型AI
 当社の次世代型AIはこの「生成モデル」に対して、独自の技術によりトップダウン処理の仕組みを高いレベルで実装しています。一例として医療画像診断をあげるなら、疾患の生体機構や、MRI・CTなどの測定方式ごとの病変を捉える物理的な機構が織り込まれることになります。これらは現状、熟練した医師が医療診断画像の読み解きにおいて頭の中で補っていることですが、当社のAIでは、人の認知能力を超える精緻さで盛り込むことにより、医師の診断補助等に大きく貢献することが期待されます。

3. 事業展開の状況および展望
 当社AIの利用が期待される領域は、上記の特長により、医療・ヘルスケアをはじめ、スマートシティ、自動運転、宇宙・航空など、高度な専門性が必要とされ、かつ市場の成長が著しい分野です。既に当社では富士通株式会社様、名古屋大学様などと提携を行なっています。
 今回の資金調達により、TomyK Ltd.代表・鎌田富久氏および東京大学大学院特任准教授/日本ディープラーニング協会理事長・松尾豊氏のご協力を得て、機械学習エンジニアの追加採用、研究開発のさらなる推進、および各領域の事業会社との業務提携と事業化を推進してまいります。


株式会社MinD in a Deviceについて】
社名:株式会社MinD in a Deviceマインド・イン・ア・デバイス
設立:2018年12月28日
URLhttps://mindinadevice.com/
本社所在地:東京都世田谷区

【創業メンバー
代表取締役 CEO 中村 翼
'09年慶應義塾大学大学院理工学研究科修士課程修了。同年よりトヨタ自動車に入社し、プロジェクトマネジメントを歴任。幼少期からの「人間」と「機械」の接点と融合への関心から、人×機械意識のインターフェースが次世代の多くの産業における基盤技術になることを確信し、独立して'19年に事業化。

技術顧問 渡辺正峰(東京大学大学院工学系研究科准教授)
'98年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。同年助手、'00年助教授、米カリフォルニア工科大学留学などを経て、現在は東京大学大学院准教授および独マックスプランク研究所客員研究員。専門は脳科学で、特に意識に関し理論研究から実験的研究まで幅広く従事。科学論文誌Scienceへの論文掲載実績[2]があり、著書「脳の意識 機械の意識」[1]を中央公論新社より刊行。10年以上に渡る研究成果をもとに意識のアップロード構想を実現すべく、当社技術顧問に就任。

【機械学習エンジニア募集ページ
https://www.wantedly.com/projects/296225

【参考文献】
[1] 渡辺正峰(2017) 「脳の意識 機械の意識」中央公論新社
[2] Watanabe, M., Cheng, K., Murayama, Y., Ueno, K., Asamizuya, T., Tanaka, K., & Logothetis, N. (2011). Attention but not awareness modulates the BOLD signal in the human V1 during binocular suppression. Science, 334 (6057), 829-831.
[3] Mumford, David. "On the computational architecture of the neocortex." Biological cybernetics 66.3 (1992): 241-251.
[4] Kawato, Mitsuo, Hideki Hayakawa, and Toshio Inui. "A forward-inverse optics model of reciprocal connections between visual cortical areas." Network: Computation in Neural Systems 4.4 (1993): 415-422.


付録)意識のアップロードに向けた実現ステップ

 第一歩目としての「生成モデル」を実装した次世代型AIの開発を行い、それを人間の脳と接続するためにスパイキングネットワーク化していきます。スパイキングネットワークとは、ニューロンの発火率を模した連続値出力ではなく、実際の脳と同じように、ニューロンの活動電位のタイミングでゼロ・イチの情報伝送をする仕組みで、機械と脳の接続には必須と考えています。その後、それを実装した機械と生体脳を繋いで、実際に意識が感じられるかどうかの検証を行います。意識は個々人の主観的な感覚であり、機械に宿ったかどうかは自身の主観を持って確認するしかない、との立場に立っています。本検証が成功した時点で、当該機械にはニュートラルな意識が宿ったことになり、さらには記憶の転送を行うことで、意識のアップロードは完了します。

図2 機械と生体脳の接続イメージ (渡辺正峰 「脳の意識 機械の意識」 中央公論新社[1]より)
左視野を担当する自身の生体右半球と右視野を担当する機械左半球を接続して、自身が機械側の視野も含め両視野を知覚することができたなら、機械左半球に視覚的な意識が宿り、それが生体右半球の意識と一体化したことになる。

配信元企業:株式会社 MinD in a Device

企業プレスリリース詳細へ

PR TIMESトップへ