アジア最大の格闘技イベントとして138ヵ国・18億人におよぶ視聴者を持ち、躍進を続ける『ONE Championship』(ONE)が3月31日両国国技館で大会を行い日本初上陸を果たす。

ONEの誇るアスリートが集結し、まさにオールスター戦というべき陣容で開催される大会では、女子ストロー級・バンタム級ライト級・ミドル級と実に4階級でタイトルマッチを実施。豪華ラインナップとなっているが、見どころはこれだけにとどまらない。他の大会であればメインイベントとなってもおかしくない好カードが目白押しであり、本稿ではそんなONE東京大会の注目カードを解説していく。

■UFC史上最多防衛王者DJがONE初参戦!

UFC史上で最多となる11度の防衛を成し遂げ、昨年8月に敗れるまで6年間無敗で13連勝を誇ったデメトリアス・ジョンソン(DJ)は今回初めて日本で試合を行う。

11年2月にはともにUFC初参戦となる試合で山本“KID”徳郁と対戦。あのKIDから幾度もテイクダウンを奪って判定勝利を上げ強さの片鱗を見せたが、その後UFCフライ級の絶対王者として君臨し、15年4月にはKIDの弟子である堀口恭司も撃破したのが何か因縁めいて感じさせる。

そんなDJと対戦するのは“ピラニア”と呼ばれた師匠の長南亮にあやかり“リトルピラニア”と呼ばれる若松佑弥。これまでパンクラスを主戦場にし、師匠譲りの激しい打撃でKOを重ねてきた。ONEには昨年9月以来2度目の参戦となるが、対DJ戦というビッグチャンスを得た。

それまで無敵の存在であった王者が、敗北を機にほころびを見せ始めるのは格闘技にままある現象。しかし、8ヵ月ぶりの試合となるDJがそうしたジンクスをものともせず健在ぶりを示すのか、あるいは若松がジャパニーズドリームを成し遂げるのか。

■仙三もフライ級グランプリ出場!

DJと若松の対戦はトーナメント戦となる「ワールドグランプリ」の1回戦として行われるが、大会を目前に急遽出場が決まったのがパンクラス・フライ級王者である仙三。くしくも若松とは昨年2月にパンクラス王座を懸けたタイトルマッチで対戦し、仙三が5Rにヒザ蹴りでTKO勝ちを収めている。

今回は出場選手が欠場となったため、スクランブル参戦で昨年9月に若松を破ったダニー・キンガド(フィリピン)と対戦する。現在36歳の仙三は04年にボクシング東日本スーパーフライ級新人王を獲得するもその後引退。ブランクを経て12年にMMAデビューし、当初は勝ち負けを繰り返したが徐々に勝率を上げ、17年8月にパンクラスで王者となった。同王座は18年2月の若松戦で初防衛を成功させたが、拳の負傷があり戦線離脱。今回は1年2ヵ月ぶりの試合となる。

ホーム開催という地の利を得て、はたして日本勢2選手は揃って準決勝へ勝ち上がることができるのか。若松、仙三がいずれも“世界”に挑む戦いとなる。

■エディ・アルバレス、初来日の両国国技館に帰還!

ワールドグランプリ」は2019年を通じての開催となり、フライ級だけでなくライト級でもトーナメントを実施。この中で“目玉”と目されるのが元UFCライト級王者にしてこれがONEデビュー戦となるエディアルバレスだ。

キャリア初期の2006年8月にMARS 04 New Dealで初来日したアルバレスは小池秀信に初回TKO勝ち。場所は今大会と同じく両国国技館であった。その後、DREAMを主戦場とするとアンドレ・ジダ、ヨアキム・ハンセン、川尻達也、菊野克紀といずれも好勝負を演じて撃破。ファンに強さとアグレッシブな戦いで鮮烈な印象を与えた。

そこからアルバレスはベラトールUFCと主戦場を本国・アメリカに移していき、両団体の王座を獲得。それまでUFCとベラトールで王座を獲得した選手はいなかったが、さらにONEの王座も目指し今大会から参戦を開始する。大会メインイベントを務める青木真也とはともに1勝1敗と五分の星。第3戦&決着戦の実現がアルバレスの参戦により待ったなしとなっており注目される。

そんなアルバレスのONE第1戦はティモフィ・ナシューヒン(ロシア)。12勝4敗のうち10度の初回KOあるいは初回一本勝ちを上げており、今大会で青木が挑むエドゥアルド・フォラヤンにも初回TKO勝ちを収めているのが特筆される(14年12月)。ともに爆発的ファイトスタイルを持つ両者、アルバレスが愛着を込め「スモウ・アリーナ」と呼ぶ両国国技館で激闘となるのが濃厚だ。

■サワー、ロッタン、秋元――立ち技戦も豪華布陣!

そのほか、MMAだけでなくキックボクシングムエタイの試合も行われるのが大きな魅力となっているONEだが、アンディ・サワー、ロッタン・ジットムアンノン、秋元皓貴といった気になる名前も大会に名を連ねている。

サワーはシュートボクシングK-1でいずれも王者に君臨した日本でもお馴染みのレジェンドファイター。対するヨードセングライ・IWE・フェアテックスもムエタイで長きに渡りその名をとどろかせた英雄であり、いわばレジェンド対決となる。両者はさかのぼること11年前の2008年3月に対戦しておりサワーの延長判定勝ち。時を超えた両者の第2戦が両国で実現となる。

ロッタンは昨年、“神童”那須川天心と対戦するとギリギリまで苦しめ延長判定で敗れたが、ロッタンが勝ったとする向きも少なくなかった。秋元は19戦19勝とプロ無敗の戦績を上げながら13年4月の試合を最後にベースとする空手へ戦場を移していたが、今年1月、ONEで5年9ヵ月ぶりにカムバック。判定勝利を上げ、これが復帰2戦目となる。

他にもアンジェラ・リーと女子アトム級王座を争ったV.V Meiの出場など、見どころづくしの全16試合。まさにタイトル通り日本格闘技界に「NEW ERA=新時代」を切り開く大会となりそうだ。

(文:長谷川 亮)

『ONE: A NEW ERA -新時代-』は3月31日(日)、東京の両国国技館で開催