2018年10月より放送のTVアニメとある魔術の禁書目録Ⅲ。“旧約”の物語もいよいよ大詰めというところだが、ここでひとつ気になることがある。

 あの男女平等パンチで名を馳せた本作の主人公・上条さん、『とあるⅢになってからここに至るまで、男女平等パンチを叩き込んでいるところをあまり見かけていない気がするのは気のせいだろうか?

 これまで上条さん男女平等パンチをお見舞いしてきた敵(主要)キャラをカウントしてみたところ、1期は6人、2期は7人、そして今期はここまでわずか3人。2期に比べると半分以下になってしまっている。

■1期
ステイル、インデックス(術式破壊しただけ)、アウレオルス一方通行エツァリ、シェリー

■2期
闇咲、建宮、アニェーゼオリアナ、ビアージオ、ヴェント、浜面

■3期
テッラ、キャーリサ、一方通行

 正義のために、誰かを救うために、上条さんの想いを乗せて放つこの男女平等パンチ。それが今シリーズに入って見る機会が減っている……ということとなればこれはまさに由々しき事態。

 というわけで今回は、『とあるⅢ』においてなぜ上条さん男女平等パンチが減ってしまったのか、その理由に迫っていく。

(画像はとある魔術の禁書目録Ⅲ アニメ公式サイトより)

『とある魔術の禁書目録Ⅲ』 アニメ公式サイト

理由その1:敵が強い

 上条さん男女平等パンチが減った要因のうち、最も直接的な変化は恐らくこれ。「敵が強い」。

 そう、すべての異能に対する切り札幻想殺し(イマジンブレイカー)を宿す上条さんといえど、基本スペックは平均的な高校生なのだ(相手の僅かな予備動作から次の行動を予測する等の常人離れしたスキルを身に着けているが)。

 『とあるⅢ』で描かれるローマ正教との対立では、登場する敵の強さもすさまじく。とくに神の右席後方のアックアとの対峙が上条さん単騎で相手取れるキャパをオーバーした決定機になってしまっている。

歯がギザギザのおじさんこと左方のテッラ。これくらいの相手ならブイブイいわせられるのに……。
(画像は「とある魔術の禁書目録Ⅲ」3話上映会より)
フィジカルも能力も強すぎる男・後方のアックア。この顔は高校生じゃ無理!
(画像は「とある魔術の禁書目録Ⅲ」7話上映会より)

理由その2:男女平等パンチ担当が増えた

 上条さん男女平等パンチを放てない状況でも、作中において男女平等パンチが消えたわけではない。

 一方通行&浜面仕上の両名が本格的に物語への介入、上条さんの意思を継ぐかのごとく男女平等パンチを放ち始めたのだ。

 元学園都市第1位の能力者にして人殺しもなんのそののバイオレンス発生装置である一方通行言わずもがな、街のチンピラから流れ流れて暗部組織に所属するに至った浜面もやる時はやるなかなかのバイオレンスマン。

バイオレンスのオバケ。これ主人公で大丈夫?
(画像は「とある魔術の禁書目録Ⅲ」20話上映会より)
浜面式・男女平等パンチ!殴りの前に銃撃をかますのがなかなかクールだ。
(画像は「とある魔術の禁書目録Ⅲ」6話上映会より)

 これまでのシリーズでも一方通行がメインになるストーリーがたびたび描かれてきたが、『とあるⅢ』からは浜面も本格参戦して主人公3人体制が完成。

 その全員が各々の事情で戦争爆心地・ロシアを目指して活動しているため、一方通行&浜面の視点で描かれる割合が過去作よりも大きく、伴って男女平等パンチの担い手を引き受けたかたちとなっている。

 主人公3人のうち、上条さんはもっとも正統派にして王道を往く“ヒーロー”。何事も役割分担は大事であるということを上条さんの背中から学び、僕らも“圧倒的成長”手にしていこう。

漢の背中に学べ!
(画像はTVアニメ「とある魔術の禁書目録Ⅲ」新OP映像(黒崎真音/ROAR)より)

理由その3:そもそも登場する敵が少ない

 上述した一方通行&浜面の本格参戦により、単純に上条さんの出番が減った。そのうえ、『とあるⅢ』は“旧約”と位置づけられるシリーズ最後の山場であり、その内容は神の右席最後のひとり・右方のフィアンマとの対決となっている。

 公式サイトのメインビジュアルやOPが新しいものに切り替わった第18話以降、上条さんインデックスの遠隔制御霊装をくすねたフィアンマターゲットに定めて追跡しているので、必然的に対峙する相手の数が少なくなっているのだ。

フィアンマを追い、ブリザードの中から学ラン&マフラーで現れる漢・上条。すごすぎる……。
(画像は「とある魔術の禁書目録Ⅲ」17話上映会より)

 フィアンマは彼自身が強すぎる(ワンマンでひとつの勢力に数えられるほど)ためか特定の配下などを必要とせず、フィアンマにたどり着くまでに相手取る敵キャラが少ないというのも、幸か不幸か上条さん男女平等チャンスを奪う結果につながっている。

右方のフィアンマ。こう見えて権力もすごく、戦争の仕掛け人でもある。
(画像は「とある魔術の禁書目録Ⅲ」18話上映会より)

キメるところでキメるのが上条さん

 このように男女平等パンチを披露する機会が減ってしまった上条さんだが、キメるところはしっかりキメるのが上条流。

 とくに、イギリス第二王女・キャーリサは上条さん単騎では拳の届かない強敵だったが、仲間たちの力を合わせて男女平等パンチをお見舞いしてくれた。

うおお~~~~! 男女平等パンチ~~!!
(画像は「とある魔術の禁書目録Ⅲ」14話上映会より)

 今シーズンはすでにクライマックス、フィアンマと激突し、ガチンコバトル待ったなしの展開に突入しているので、男女平等パンチのカウント数は増えても後1回といったところだろうか?

 しかし、すでにアニメ化が発表されているとある科学の一方通行(2019年7月より放送開始)はタイトルのとおり一方通行が主役のスピンオフ。上条さんの魂がこもった鉄拳制裁を見れないのは残念だが、上条さんから“男女平等”を受け継いだ彼の活躍に注目したい。

 また、『とある魔術の禁書目録』シリーズが今後もアニメ化されていくのであれば、物語は“新約”に突入するため上条さんパンチングチャンスはまだまだ残されている点にも注目。“旧約”完結前にいささか気が早いが、アニメシリーズが継続することを期待したい。

どう見ても主人公向きの顔ではない。大丈夫か?
(画像はTVアニメ『とある科学の一方通行』PV / A Certain Scientific Accelerator trailerより)

©2017 鎌池和馬KADOKAWA アスキー・メディアワークス/PROJECT-INDEX Ⅲ
©2018 鎌池和馬/山路新/KADOKAWA/PROJECT-ACCELERATOR

・「とある魔術の禁書目録Ⅲ」24話上映会は3月29日(金)23時50分開場

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ライター
元ゲームメーカー勤務の脱サラ系ライター。攻略本の執筆をはじめ、主にゲーム攻略系の記事で余生を過ごしている。本サイトではアニメ関連の記事を担当。
会社を辞めた理由はゲームのやりすぎ、深夜アニメの見すぎで慢性的な寝不足になったから。原稿執筆中はキレやすくなる厄介成分を抱える社会不適合者
編集
フリーライター時代はファミ通Appでゲーム攻略記事を執筆。『ガルフレ(仮)』でスマホゲーム筆下ろし。
現在はニコニコニュースオリジナルの編集として、アニメやVTuber関連の記事を担当。二次元美少女に萌える日々。