韓国の化粧品業界第2位は、韓国財閥LGグループの化粧品企業であるLG生活健康。

JBpressですべての写真や図表を見る

 LGグループは、悪いうわさがほとんどなく、良いイメージを保っている企業で実際に優れた製品を作っているのだが、なぜかどの業界でも2番手というイメージを拭い切れない。

 家電(1位はサムスン電子)、通信会社(1位はSK)、化粧品(1位はアモーレパシフィック)など、すべて2位に甘んじている。

 さて、LG生活健康は設立10年ほどの企業だが、実は1947年に創立された「ラッキー化学」にそのルーツがある。

 ちなみに、ラッキー化学は現在のLGグループの母体となった会社である。

 ラッキー化学が最初に発売した女性用化粧品「ラッキークリーム」は俗称「ドンドンクリーム」と呼ばれ、女性たちの憧れだった。

 「ドンドンクリーム」と呼ばれたわけは、行商たちが太鼓を2回ドンドンと鳴らしてから「クリーム」と叫んでいたからだという。

 ラッキー化学は、1984年に「ドボーン」という自社ブランドを作って本格的に成長する。

 1995年に社名をLG化学に変え、2年後の97年にはLG化学会社の内部に生活健康事業部が設立された。

 この時に、発売された「オフィー」が売れに売れ、以降多数のブランドヒットした。つまり、今のLG生活健康という地味な社名は、LG化学の内部組織であったためである。

 2001年にLGグループがLG化学の主力を石油化学にし、以前の主力部門であった生活化学分野を分社化した。そうして生まれたのがLG生活健康だ。

 LG生活健康は、化粧品専門というより韓国を代表するトイレタリー大手であるため、韓国が滅びない限りLG生活健康が倒産することはないとさえ言われる。

 日本に喩えると花王のような存在、世界ではP&Gのような感じだ。

 LGは韓国の財閥だが、経営はその道のプロに任せている韓国ではユニークな経営スタイルを取っている。

 実際、2005年P&Gで実力を培ってきたチャ・ソクヨン氏がLG生活健康の副会長に就任すると、攻撃的に戦略的M&Aや海外市場の事業拡大を通じて事業の多角化を進めている。

 それまで、化粧品と日用品で構成されていたLG生活健康の事業は2007年末、韓国コカ・コーラを買収したことで、化粧品(51%)+日用品(24%)+飲料(25%)という構成に変えた。

 2009年には、プチプラブランドの「ザ・フェースショップ」を買収し、高価な化粧品から廉価な化粧品までをカバーするようになった。

 面白いのは、買収された企業の幹部たちは「ネイチャーリパブリック」を立ち上げて独立し、このブランドも今、「K-Beauty」の一翼を担っている。

 2012年にはメイクアップ(メーキャップ)コスメの競争力を強化するため、バイオレットドリーム(旧VOV)を買収し、2014年にはCNPコスメティックスの持株買収を通じて機能性化粧品の市場にも進出した。

 現在のコスメ・ビューティラインは、 フー(Whoo)をはじめ、ザ・サガ・オブ・スー(The saga of Xiu)、オフィー(O HUI)、スム37°(su:m37°)、ビリーフ(belif)、ビヨンド(BEYOND)、ラクベル(Lacvert)、ボニン(Vonin)、ザ・フェイスショップ(THE FACE SHOP)、イザノックスISA KNOX)、スリョハン(秀麗韓、Sooryohan)、CNP Laboratory、CNP Rx、VDL、VOV、VDIVOVなどがある。

 2003年に発売したLG生活健康の「フー(The history of 后、Whoo)」は、宮中漢方をコンセプトに発売されたラグジュアリーブランドだ。

 それまで漢方コスメは、アモーレパシフィックの「Sulwhasoo(雪花秀)」が元祖でもあり絶対王者であったため、発売当初、国王と皇后の宮中ストーリーに華やかなデザインの容器で差別化を図った。

 また、「フー(The history of 后、Whoo)」の最高級ラインである「ファンライン」は、ソウル大学病院の皮膚科とコラボし、「ファンライン」を使い続けたことで肌年齢を10年前に戻せたという報告書も出した。

 決定的な転機となるのは2014年だ。

 その年の7月、中国の習近平中国国家主席と彭麗媛夫人が訪韓し、夫人が韓国の免税店で「フー」を買ったといううわさが流れた。

 これによって、中華圏ではファーストレディも愛用するコスメということで中国人による爆買いにつながった。

 2017年に中国と韓国間で起こったサード(THADD=弾道弾迎撃ミサイル)配備問題によって韓国を訪問する中国人観光客は激減したことも無縁だった。

 競合企業であるアモーレパシフィックが業績不振に陥ったのに対し、LG生活健康は史上最高の業績を記録した。

 この年、LG生活健康の昨年の年間売上高は、前年対比10.5%増の6兆7475億ウォン、営業利益は11.7%増の1兆399億ウォン(1円=10ウォン)を記録した。

 進撃のLG生活健康が化粧品業界の王者で不動の1位を続けてきたアモーレパシフィックを追い抜くことができるのか、これから楽しみである。

 さて、参考までに「フー」ラインはデパコス(デパートで売られる高価なモノ)なので、アラフォーやアラフィフの熟女に合うブランドだ。

 エイジングケアをしたい人にはいいが、漢方というところが少し難である。

 20代から30代の若い層にはThe Face Shopのセラピー・ファースト・セラム(The Therapy First Serum)やインクラスティングファンデーション(Ink Lasting Foundation)なども売れ筋である。

 最近筆者のお気に入りは、CNP Laboratoryのプロポリスエネルギーアンプルというエッセンスである。

 CNPでは、プロポリス入りの似たようなアンプルが色違いで出ているが、薄い黄色のエネルギーアンプルが定番だ。

 このエッセンスをつけると、しっとりするだけでなく肌のツヤが半端ない。

 1か月で使い切ってしまって、リピ買いしたいと思っている。もちろん至極個人的な意見である。悪しからず。

[もっと知りたい!続けてお読みください →]  最悪の日韓関係でも韓国コスメに殺到する日本人

[関連記事]

韓国社会を大きく揺るがしたマンション違法駐車事件

海外有名ブランドからカモにされても懲りない韓国人

LG生活健康の化粧品(同社のサイトから)