相模鉄道3月28日(木)、JR線との直通運転を行う新型車両「12000系」と、新駅「羽沢横浜国大駅」を報道公開。また、相鉄・JR直通線の開業開始日を2019年11月30日(土)に決定したと発表した。

【写真】能面のひとつ「獅子口」をイメージした12000系

11000系をベース20000系のコンセプトを踏襲、前頭部は「獅子口」イメージ

2018年に営業運転を開始した20000系に続く新型車両12000系。相鉄・東急直通線直通を視野に入れた20000系と異なり、JR東日本線への直通を念頭に置いて設計された12000系は、総合車両製作所sustinaをベースにしたステンレス製車両だ。東急線の車両限界に合わせた20000系とは違い、12000系は従来の拡幅車体で構成。扉配置や前頭部寸法は11000系と同等で、ダイナミックな前頭部と広い車内を実現している。外装デザイン20000系とコンセプトを同一とし、ヨコハマネイビーブルーの車体は共通しつつも、前頭部のデザインは日本古来の能面の1つ「獅子口」を取り入れた力強さを感じるものとなった。

12000系はJR線との初の相互直通ということもあり、実績・安定性を重視した車両システムを採用。客室設備などは20000系の方針を踏襲している。20000系で相鉄初の採用となった、座席を少し高くし奥行を小さくしたユニバーサルデザインシート12000系でも設置。座面を30mm下げ、座席頭上の荷物棚を復活させるなど、20000系での実績を反映し細部が変更されている。また、車内に相鉄初の防犯カメラを設置。扉上部のサイネージは設置場所を従来の車両から変更している。

内装はグレーベースガラス、金属を多用しシンプルさを追求したデザイン。座席は11000系をベース20000系の要素を取り入れたものとなっている。照明は調色・調光式で、時間帯によって照明の色が変化する。

また、中間車両の車内見付は統一され、車いすベビーカーを置けるフリースペースも全車に設置している。楕円型つり手や、手をかけると反動で開く構造のアシスト貫通路取っ手など、全体的に車内設備の使いやすさを継承した内装となっている。

■ JR・東急双方への玄関口となる羽沢横浜国大駅

直通線開業のために新たに設置される羽沢横浜国大駅。西谷駅から約2.1kmの位置に設置されるこの駅は、2019年にはまずJR線と接続し、2022年度には東急との連絡も開始される予定で、2方面の分岐点となる駅だ。

駅舎は地上に設けられ、ホームは地下に設置。相対式2面2線で、JR直通線・東急直通線を同一ホームで発着させる予定だ。また、両線にはホームドアが設置されている。駅構内はガラス・鉄・煉瓦の3つをキーマテリアルとし、安全・安心・エレガントコンセプトに設計。時間が経っても古さを感じさせないデザインとしている。これは相鉄のデザインブランドアッププロジェクトの一環で、このほかにも鉄道・バス職員制服のリニューアルや、1人あたりの座面幅を大きく広げたベンチなど複数のリニューアルが進行している。

■ 相鉄JR直通線、小田急線との競合よりも新宿以南の需要を視野

相鉄JR直通線と結節点になる羽沢横浜国大駅の開業はともに2019年11月30日。東京方面には、羽沢横浜国大駅を出てJR東海道貨物線に乗り入れ、横須賀線に合流した後、大崎駅からは埼京線に合流し新宿方面へと向かう予定だ。相鉄二俣川駅から新宿間は現行の所要時間が59分、乗り換え1回となっていたが、直通後は乗り換えなしで44分、15分程度の短縮になると見込まれている。

なお、3月28日の開業日発表時点では停車駅や行き先、正確なダイヤなどはすべて調整中とアナウンスされているが、現時点では、朝ラッシュ時間帯は1時間に4本程度、その他時間帯は2~3本程度の運行になる予定だ。また、実際の停車駅は未定なものの、羽沢横浜国大駅から東京方面に向かう場合、もっとも近い停車可能駅はJR武蔵小杉駅となる。

直通によって都心への利便性が向上することは間違いないが、相鉄海老名駅などは小田急線と接続しており新宿へのアクセスでの競合が予想される。これについて相鉄の滝澤秀之社長は「(相鉄利用者で)横浜駅から新宿駅の間のJR駅を利用する方が一定数いる。そういった方々にとっては魅力のある路線として映るだろう」と、渋谷・大崎・武蔵小杉などの乗降者の利便性向上をメインに考えていることを示唆した。

さらに、相鉄線の平均混雑率は現状約130%ほどだが、直通線の開業で約7万人の転移が生じると見込んでおり、混雑率は約10%ほど下がると予想しているという。(東京ウォーカー(全国版)・国分洋平)

相鉄新型車両「12000系」