子どもたちの学びの現場でお母さんからいただくご相談には、子育ての仕方だけでなく、「どうしたら子どもから離れられるか?」というものもあります。大切な我が子だからこそ、ついつい口も手も出してしまう。でも、子どもを自立させるには、自分だけでやりぬく経験を積ませなくてはなりません。ではどうすればよいのか? 参考までに、お母さんたちが子離れできるようになったきっかけを集めてみました。

「予防接種と同じと思い、スッキリしました」というお母さんがいました。予防接種では、抗体をつくるためにわざと少しだけ菌を入れます。これは、予防のためには無菌状態にするのではなく、経験を積むことが大切だということ。全く知らないことには不安や緊張がのしかかりますが、知っていることなら落ち着いて対応ができます。子離れも予防接種と同じです。多少痛かったり悲しかったりしても、その経験こそがその後の我が子を強くする。私がやってあげるのではなく、待ってあげてでも経験させることが大切だと気づいたとき、母としての行動が変わったそうです。

 また、「目の前にいるとどうしても…。思い切って外に出すことにしました」というお母さんも。親としてできることは、手を出すのではなく見守ること。そう分かってはいても、やっぱり目の前で我が子が困っていれば手助けしたくなってしまいます。どれだけ相談しても、決意しても、それでもどうしても目ではなく手をかけてしまうお母さんには、「かわいい子には旅をさせよ」スタイルで、家庭の外に子どもを連れ出すことを提案します。スポーツボランティアなど、家族以外とのコミュニケーションをたっぷり経験できる世界へと、子どもを連れて行くのがオススメ。ほんの数日でも、子ども同士や大人とのやりとりで過ごす時間は、子どもを変えます。一回り大きくなって帰ってくる我が子を見て、感動するお母さんが多いです。

 そして、やはり兄弟・姉妹は強みのようです。子どもは、できる存在が近くにいると、自然とその相手に向かっていきます。ついついこちらが手出ししてしまいそうになっても、上の子の「そんなこともできないの? お母さんにやってもらうなんて、恥ずかしい~」なんて声に、ハッとさせられることもあるようです。自分の力でできる上の子が見本を見せてくれることで、安心して見守りに徹することができるようになったという方も多いです。このように、上の子と約束して、兄弟・姉妹で力をあわせて取り組むように伝えるのも、一つの方法です。

 お母さんが子離れできないのは、子どものことを愛しているからこそ。自身の決意だけではどうしても離れられない場合は、ぜひこれらの経験談を参考にしてみてはいかがでしょうか。

Nao Kiyota)

アサジョ