BBC」が最強助っ人を選出 MF1位は若き日に在籍した「世界最高」のあの選手

 英公共放送BBC」が4人の識者を招いて決める「ポジション別プレミア史上最高の外国人選手」は、GK部門でマンチェスター・ユナイテッドで活躍した元デンマーク代表GKピーター・シュマイケル氏、DF部門でマンチェスター・シティベルギー代表DFヴァンサン・コンパニが1位に選ばれた。

 タレントが乱立するMF部門の最終候補には、現在ユベントスに所属するポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドが選ばれている。現在はFWとしての地位を確立しているが、ユナイテッド時代には右サイドのMFとして出場することが多く、今回はMF部門でエントリーされている。その他の候補には、シティ所属のスペイン代表MFダビド・シルバアーセナルで活躍した後、晩年はシティに所属した元フランス代表MFパトリック・ヴィエラ氏が選ばれている。

 そのなかで3位には、現在ニースの監督を務めるヴィエラ氏が選ばれた。1996年アーセナルに加入しプレミアに参戦したヴィエラ氏は、9シーズン所属したアーセナルリーグ戦に279試合に出場。2003-04シーズンの無敗優勝を含む3度のリーグ制覇を経験している。その後、イタリアユベントスに渡り、2010年1月にシティに入団。1年半の在籍でリーグ戦28試合に出場している。2チームで通算307試合に出場し、31得点34アシストを記録。リーグタイトルは3回、獲得している。

 続いて2位に選ばれたのは、現在もシティの主力として活躍するシルバだった。2010年にバレンシアからシティに入団したシルバは、今季でプレミア9年目となる。3月9日時点でリーグ275試合に出場。9シーズン合計で54ゴール81アシストを記録している。その間にリーグを3回制覇しているが、今季、通算4度目となるリーグタイトルを獲得する可能性も十分に残している。

 そして、プレミア史上最高のMFは、5度のバロンドール受賞歴のあるロナウドとなった。2003年に18歳でユナイテッドに入団したロナウドは、在籍6年で多くのものを手に入れた。リーグ戦は196試合に出場し、84得点34アシストを記録。2006-07シーズンから3シーズン連続でリーグタイトルを獲得している。また、ユナイテッドの最後のシーズン途中に、初めてバロンドールも受賞した。

選外にはカンテやマケレレの名前も…

 識者の一人である元オランダ代表MFルート・フリット氏は、「ヴィエラのおかげで、アーセナルの中盤を突破するのは、非常に困難だった」と、当時のヴィエラ氏の存在感を語った。また、長年プレミアの取材を続けるロリー・スミス氏は、3位のヴィエラ氏と2位のシルバを比較している。「長年、ヴィエラをモデルとして手足が長くて身長が高く、力強くてタフな選手が好まれてきた。シルバはそうした能力を何一つ持ち合わせていないが、10年近く活躍している。レベルを落とすことがなかったし、セスクの最多アシスト記録更新にも近づいている」と、シルバがプレミアにおけるMFのモデルを変えたことを主張した。

 1位になったロナウドに対しては、意見が割れた部分もある。元イングランド代表FWのシアラー氏は、「彼は驚異の選手。マンチェスター・ユナイテッドで最高の結果を残し、レアル・マドリードでさらに偉大なことを達成している」と、史上最高の選手の一人と称されるロナウドを称賛していた。しかし、スミス氏は「プレミアリーグが輩出した史上最高選手であることは間違いないが」と前置きをして、「レアル・マドリードチャンピオンズリーグを4度制覇したロナウドと、我々がプレミアリーグで見たロナウドは同じではない」と、プレミアから去った後で変化したプレースタイルについて念を押していた。

 また、最終候補の3選手から漏れた選手では、シアラー氏がレスター・シティチェルシーリーグ制覇を達成したMFエンゴロ・カンテと、驚異的な技術を持っていた元フランス代表MFダビド・ジノラという2人のフランス代表MFを挙げた。また、スミス氏は元コートジボワール代表で、シティで活躍したMFヤヤ・トゥーレ、チェルシーの中盤で「マケレレロール」という造語ができるほどの存在感を示したMFクロード・マケレレ氏の名前も挙げていた。(Football ZONE web編集部)

(左から)パトリック・ヴィエラ、C・ロナウド、ダビド・シルバ【写真:Getty Images】