4月に入り、保育園幼稚園子どもを預けるご家庭も多いことでしょう。期待に胸躍らせていたのに、いざ入園させると、園の玄関で“ギャン泣き”してしまう子どもがいます。機嫌よく「バイバイ」してくれる子であれば、親としても気が楽なのですが、毎朝泣かれると後ろ髪を引かれてしまいます。

「私が仕事を始めたことで、悲しい思いをさせているのではないかしら」「まだ、預けるには早すぎたかしら」と悩んでしまう親御さんもいるのではないでしょうか。

子どもを不安にさせるお別れの仕方

ギャン泣き」状態になったとき、子どもがますます不安になるNGなお別れの仕方は、次の通りです。

子どもに気付かれないように立ち去る】

 服にしがみつかれて泣かれ、保育士から無理やり引きはがされて別れるよりも、子どもおもちゃやお友達に気をとられている隙に姿を消す方が、母親の気持ちとしてはストレスがありませんよね。

 しかし、子どもの側にしてみれば、「一瞬よそ見をしていたら、ママが消えていた」という事態になるのです。これではショックが大きすぎます。翌日は母親を凝視して、ますます離れなくなるでしょう。

 子どもは“ギャン泣き”していても、頭では理解しています。子どもをだますような去り方はせず、「ママはこれからお仕事に行くのよ。○○ちゃんは、夕方までここで楽しく遊んでいてね。△時には迎えに来るからね」と、きちんと説明しましょう。

【いつまでも立ち去らない】

 泣く子どもが気になり、いつまでも親が立ち去れないケースです。

 この場合、グズグズしていると、子どもは「もっと泣けば家に連れて帰ってくれるかもしれない」「仕事を休んでくれるかもしれない。さらに、仕事を辞めてくれるかもしれない」などと勘違いしてしまうかもしれません。

 保育士から、「お母さんがいつまでもそこにいるから泣いているんです!」と氷のような言葉で叱られてしまうこともありますが、これは事実です。子どもは母親の姿が見えるから泣いています。1分程度で立ち去るようにしましょう。

 筆者は保育園で仕事をしていた経験がありますが、親が去った後の子どもが「ずっと泣いている」ことはありません。たいていは数分で泣きやむものです。また、泣く時間も、日を追うごとに短くなっていきますよ。

【泣いていることを叱る】

 泣く子どもに「いつまで泣いているの! 弱虫ね!」「甘えてばかりいてはダメ!」「お友達は誰も泣いていないでしょ。あなただけいつまでも泣いていて、おかしいわよ!」などと叱ってはいけません。こんなときは「ああ、悲しいね、泣きたいね。いくらでも泣いていいんだよ」と子どもの気持ちを代弁し、共感してあげましょう。

 大人であっても、爆発する感情にふたをすると苦しいものです。子どもも、泣きたいだけ泣くことができたら、その後は気持ちの整理ができ、案外ケロッとしています。

母親の「時間厳守」は大切

 さて、夕方は「お迎え」の時間です。「迎えに行く前に、ちょっとコンビニに寄って行こう」「あと少しだけ仕事を片付けておこう」と、ついお迎えに行く時間が遅れてしまうことはありませんか。

 親にとっては5~15分のわずかな時間でも、親の迎えを待ちわびている子どもにとっては、長い時間に感じます。

 夕方になると、園にポツポツとお迎えの保護者がやってきます。保育園の場合は午後5時、6時など、親の仕事の終了時刻によってお迎えの時間が異なりますが、子どもは時計が読めなくても、「そろそろ自分の親が迎えに来る」と分かっています。保育士が帰りの身支度をし始めたり、連絡帳をバッグに入れたりする“雰囲気”で察するからです。

 ところが、お迎えが遅れるとき、園に連絡を入れないと子どもは不安になります。保育士が「ママまだ来ないね」「遅いね」と、うっかり口にしようものなら尚更(なおさら)です。遅れるときは必ず連絡を入れ、子どもにも伝えてもらいましょう。

長い休みの後は泣く

 土日の休みを挟んだ週明けの月曜日や、ゴールデンウイークや盆休みなどの連休明けも、お別れ時に泣いている子が結構多いです。家にいた時間が長いことによるものなので、これも自然なことです。5月ごろになり、ようやく泣くのが収まっても、夏休み明けにはまた泣いてしまうかもしれません。

 子どもにとっては、それだけ、家がとても居心地のよいオアシスなのでしょう。そんな家庭をつくることができている自分を褒めると同時に、「子ども=長期休暇明けは泣くもの」と思っておきましょう。

 人見知りする子/しない子など、子どもはそれぞれ気質や性格が異なります。その中で、知らない場所、知らない人にいきなり預けられたとき、笑って喜んでいる子どももいる一方、そうではない子もたくさんいます。いずれにせよ、親の姿がなくても子どもが安心していられるのは、子どもの心に“親が内在化”しているからです。

 泣いている子どもに対し、適切でない対応をしてしまうと「ママは永遠に迎えに来ないかもしれない」と不安になり、かえって“ギャン泣き”する期間が長くなってしまいかねません。園の玄関での接し方に気を付けて、上手に「バイバイ」できるようにしたいものですね。

子育て本著者・講演家 立石美津子

園の玄関で“ギャン泣き”、親はどうする?