福原遥と佐藤大樹がW主演を務める映画「4月の君、スピカ。」(4月5日公開)。地味で暗めの平凡女子・早乙女星(さおとめ・せい=福原)と、星が転校先で出会った2人の少年、宇田川泰陽(うだがわ・たいよう=佐藤)と大高深月(鈴木仁)が天文部を舞台に巻き起こす甘く切ないラブストーリーだ。
本作でチャラめのオレ様男子・泰陽を演じ、EXILE/FANTASTICS from EXILE TRIBEの一員として主題歌も担う佐藤に、作品の魅力を聞いた。
■ 「泰陽のちゃらんぽらんな感じは自分と似てる」
――泰陽というキャラクターのどんなところに魅力を感じましたか?
泰陽は、見た目もチャラいし言葉遣いも荒々しい。だけど根はすごく真面目だし、真っすぐなんですよね。それでいて学年一の秀才っていうところが最大の魅力です。
原作があって、たくさんの原作や泰陽ファンの方がいるので、もちろんそれに忠実に演じるんですけど、生身の人間がやるからこそウソのない流れ、セリフの言い回しにしたいという思いもあったので、役を自分に当てはめてみたらどう言葉が出るのかな、とか考えながら演じました。
――泰陽くんに共感するポイントはありますか?
僕も普段、もの静かな方ではないので、泰陽の脳天気というか(笑)、ちゃらんぽらんな感じは似てるなと思いました。勉強も嫌いじゃないんで、けっこうリンクする部分は多かったですね。
ただ、僕自身はほとんど高校時代にああいう恋愛みたいなことできなかったですね。学生時代はダンスとバイトの毎日でしたし、勉強も好きだったので。その3つを頑張って両立してる感じでしたね。
――モテたんじゃありませんか?
高1のときにちょっとモテ期が来て…。ダンスって当時あんまり流行ってなくて、踊れるってことが珍しかったんで、わりとモテはしました(笑)。でもちゃんとした恋愛はしなかったですね。
■ 「今までで一番、男だけどキュンキュンする作品」
――普段、少女漫画を読まれることはありますか?
僕、昔から少女漫画に限らず漫画ってほとんど読んだことないんですよ。ずっと、映画とかドラマばかり見てたので。今回のように作品に出演が決まったときに、買って読むくらいですね。「クローズ」とかそういう男性向けの作品は読んだことがありますけど、普段、少女漫画を手に取ることはないですね。正直、読み方も全然分からないんですよ(笑)。
――少女漫画原作の作品に出演するのも「ママレード・ボーイ」(2018年)、「センセイ君主」(2018年)と続いて、慣れてきました?
そうですね。読めるようになってきましたね。それに「―スピカ。」は原作を読んで、今まで読んだ3作品の中で一番、男だけどキュンキュンする作品でした。杉山先生が描写する男の子がすごくカッコよく見えるので、これは実写化するなら役者が大変だろうなっていうふうには思いましたね。
――その大役を演じてみて、いかがですか?
すごく演じがいがあるなと思いました、泰陽を見て。原作の泰陽の見た目が好きだったし、「泰陽」という名前も好きなので、かなり演じがいがありました。
――胸キュンシーンもたくさんある本作ですが、映画の中で佐藤さんにとってのイチ押し胸キュンポイントはどこですか?
僕はもう、振られた星を泰陽がなぐさめにいって思わず抱きしめてチューする流れ!あそこはすごく好きですね。
■ 「衣装のイメージは大事だなと思います」
――漫画原作で特に意識していることはありますか?
原作の中にある意味正解があるというか、これっていうはっきりとしたイメージがあるので、そこに近づけないといけないっていうプレッシャーはありますね。原作ファンの方も多いので、その方々に失礼のないように演じなきゃいけないっていうプレッシャーもあります。
あと、衣装のイメージは大事だなと思いました。杉山先生が描かれる泰陽って、胸元がいつもゆるいんですよ。丸首じゃないし、Vネックでもない。シャツのボタンをいくつか開けてるような。
■ 「いい意味でチャラい、危ない感じが出れば」
――衣装からもキャラクターって想像できますよね。
そう、色も重要ですよね。パーカーの色も5色くらいの中から決めたんですよ。あとは目かな、目はわりと意識しましたね。漫画で描かれている泰陽の目の、少しだけ危険な雰囲気というか、いい意味でチャラい、危ない感じが出ればいいなと思って。原作からはそんなふうにヒントを得ていました。
――赤を泰陽のカラーにしようというのは衣装合わせで決まったんですか?
もう完全に絶対にそうしたいというのがあって。水着のシーンも、僕も最初、深月と同じようなパッツパツの競泳水着で帽子もかぶって…っていう感じだったんですけど、そうじゃないなと思って。
泰陽はちょっと緩めの海パンがいいんじゃないかとか、水から上がったとき髪がパシャッてなった方がいいから水泳帽はかぶりたくないですってリクエストしたりとか。
――赤というのは情熱のイメージからの連想ですか?
そうですね、あとは泰陽=太陽の赤いイメージとか。原作の赤いパーカーのイメージも強かったですし。今回、靴も時計も全部赤にして臨みました。
■ 「グループにも還元できれば」
――今回、FANTASTICS from EXILE TRIBEとして主題歌も担当されています。EXILEのメンバーであり、FANTASTICSでは去年12月にデビューを果たして、アーティスト活動と俳優活動の両立をどう感じていますか?
グループでの活動と俳優とで、モチベーションは全く違っていて。一人で現場に行って俳優として活動するときは、グループの名前を背負ってるし、たくさんの人にこのFANTASTICS from EXILE TRIBEという名前を知ってもらいたい、俳優としての活動をグループにも還元できれば、という気持ちでやってます。
アーティストやってるときは、本当に目の前のお客さんを喜ばせたいとか、僕らの軸としてるテーマとかその曲をパフォーマンスで伝えるということしかないので、モチベーションは全然違いますね。
■ 「めちゃくちゃ申し訳ないという思いがあって…」メンバーへの思い
――俳優活動について、メンバーと話をされることもあるんですか?
グループ活動をするときに自分だけが参加できていない、という環境がすごく多かったので、メンバーに対してはめちゃくちゃ申し訳ないという思いがあって。リハに僕だけいなくて、あとから僕だけ一人で振りを練習したり…。でも、メンバーも僕の思いを理解してくれていて、許してくれてるというか。正直、今はまだ申し訳ない気持ちが多いですね。
――視聴者、観客として見ていたイメージと、実際に演じるのは違いましたか?
全然違いましたね。見ている分にはけっこう普通にポンポン撮ってるんだろうなと漠然と思ってたんですけど、実際やってみると『じゃあ次はこっちの狙いで』『こっちの狙いで』って何回も、しかも毎回新鮮な気持ちで演じなければいけない。最初は、1シーン撮るのにこんなに時間がかかるのか!ってめちゃくちゃ驚きましたね。
でも、それは大変だけどすごくやりがいがあることだとも思いますし、やめられないです。アーティストでは経験できないことをやらせてもらっているという思いもありますし。
――今後も役者としての活動は続けていきたい?
はい!絶対続けていきたいという思いが僕の中では強いです。子供のころから、やっぱりドラマや映画が好きなんですよね。(ザテレビジョン・文=酒寄美智子)
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