今、日本ではスマホ決済が全盛。従来のおサイフケータイApple PayGoogle Payなどに続いて、この1~2年で多くのQRコード決済サービスが登場し、スマホを使って支払う姿もよく見かけるようになりました。

しかし、グローバルでは、よりスマートな支払い方法として、腕時計アクセサリーなど、ウェアラブデバイスによる決済が普及しています。

そこで、2019年2月25日~28日(現地時間)にスペインバルセロナで開催された、世界最大規模のモバイル見本市「モバイルワールド・コングレス 2019」(以下、MWC)で見た、キャッシュレス決済の最新事情をご紹介します。

QRコード決済が可能な腕時計タイプのスマートフォンが登場

スマートウォッチは、メールや電話などの通知や受信ができたり、歩数や心拍が計測できたりと、さまざまな機能を備えます。日本でも実に多くのスマートウォッチが登場。

ただその中で決済機能を備えるものは少なくApple Payが利用できるApple Watchや、Visaタッチ決済を利用したGarmin Pay、ベルト部分に電子マネーの機能を備えるソニーwena wristなど、利用者もまだ少数派です。

とはいえ、スマートウォッチで決済できると、利便性が格段に上がります。ジョギングも手ぶらでOK。サイフやスマホを取り出さなくても、腕時計をかざすだけで素早く決済できます。

特にApple Watchであれば、Suicaを使ってJRの改札をサッと通ったり、電子マネーiDやQUICPayで買い物も可能。利用できる店舗も多く、決済が実にスムーズです。

しかし、MWCで見たデバイスは、そんなApple Payの一歩先ゆくものでした。

その1つ、中国のスマホメーカーNubia」の最新モデルNubia α」は、一見するとただのスマートウォッチですが、実は曲面ディスプレイを採用したスマートフォン。電話やメールSNSができるのはもちろん、500万画素のカメラ機能も備えています。

中国のスマートフォンメーカー「Nubia」のブース。 Photo: 綿谷禎子

OSはAndroidベースにした独自UIで、タッチ対応の4インチディスプレイを搭載。画面をスクロールしたり、スライドして操作します。

ハンドジェスチャーで操作できる「A.I.M.(Air Interaction Mechanics)」も備わるので、画面の上で指先を上下、左右に動かすことでも操作できます。

曲面ディスプレイを採用した「Nubia α」。 Photo: 綿谷禎子

ホーム画面の時計表示の上下にアイコンショートカットが並び、そこから操作することもできますが、左右のスライドでグループごとのアプリメニューに移動することも可能。

そこには中国の2大QRコード決済の「Alipay」や「WeChat Pay」のアプリもあり、なんとQRコードも表示しました。

タッチ操作でアプリを起動する。 Photo: 綿谷禎子 「Alipay」のQRコードを表示。ここから決済できる。 Photo: 綿谷禎子

つまりこのデバイスだけで、店舗側が読み取るスタイルQRコード決済が可能ということ。従来のウェアラブル決済は、かざすタイプの非接触決済が主流でしたが、QRコード決済にも対応できると、利用できる店舗やサービスが拡大します。「Nubia α」は、まずは中国で販売され、その後、欧米へと展開される予定とのことです。

伝統的な「TIMEX GROUP」の腕時計に決済機能を搭載

ウェアラブル決済が便利なことはわかりますが、いかにもデジタルという、スマートウォッチの見た目に抵抗があるという人も多いでしょう。筆者もそのひとり。

バッテリーの充電にも気を遣わなければいけないので、付けっぱなしというわけにもいきません。

本来の時計に、決済機能だけが追加できればいいのにと思っていたら、まさにそのようなデバイスが展示されていました。

それが、香港を拠点とするウェアラブル・トークンサービスプロバイダの「Tappy Technologies」のブースです。

香港の「Tappy Technologies」のブース。 Photo: 綿谷禎子

Tappy Technologies」はMWCの期間中に、新たに大手時計メーカーの「TIMEX GROUP」との提携を発表。

TIMEX GROUPは、TIMEXやGUESS、VERSACEなど、有名ブランドの時計を製造していますが、それら伝統的な時計が「Tappy Technologies」の技術によって、最先端のウェアラブル決済端末になります。

提携する「TIMEX GROUP」の時計ブランドの数々。手前はGUESS。 Photo: 綿谷禎子 中国の宇宙産業を担う「China Aerospace」とのコラボモデルSAGA。 Photo: 綿谷禎子

Tappy Technologies」の決済ソリューションの特徴は、チップバッテリーレスであること。そして、そのチップあらゆる時計のストラップに配置できることです。つまり従来の時計のデザインはそのままに、非接触決済ができ、ベルトに備えられた指紋認証で、安全に支払うことができます。

決済はストラップの指紋認証センサータッチするだけで完了。 Image: Tappy Technologies

サービスの利用には「Walletアプリが必要で、そのアプリクレジットカードデビットカードなどを登録します。

カード番号はトークンされるので、仮にスマホを落としても盗み取られる心配はありません。その点はiPhoneApple Payと同じです。

スマートウォッチは3~4年前から数多く登場。ブランドものの高級ウォッチにも、トラッカーとしての機能を備えたものが出てきました。

ただ、それらに決済機能はなかったので、今回のMWCで、「グローバルではウェアラブル決済がトレンド」になりつつあることを感じました。

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Photo: 綿谷禎子

Image: Tappy Technologies

Source: Nubia α , Tappy Technologies