レンジャーズMFケントが憤怒、セルティックMFブラウンパンチを見舞う

 元日本代表MF中村俊輔ジュビロ磐田)の古巣であるスコットランド1部セルティックは、現地時間3月31日リーグ第31節レンジャーズ戦で2-1と勝利を収めた。この一戦でセルティックの主将MFスコット・ブラウンが相手選手から顔面パンチをお見舞いされ、ノックアウトされる瞬間の写真が世界中を駆け巡り、大きな反響を呼んでいるが、同僚MFは「スコットは何も悪いことはしなかった」と擁護している。英公共放送BBC」が報じた。

 ともにグラスゴーを本拠地とする因縁の対決で衝撃のワンシーンが生まれた。試合は前半27分、FWオドソンヌ・エドゥアールのゴールでセルティックが先制。直後の31分、レンジャーズFWアルフレッド・モレロスが、ブラウンの顔に肘打ちを入れて一発退場となるなど荒れ模様となった。

 セルティックが数的優位となるも、後半18分にはレンジャーズMFライアンケントに同点弾を献上。それでも同41分、スコットランド代表MFジェームズ・フォレストが勝ち越しゴールを叩き込んだ。

 落胆の色を隠せないレンジャーズだったが、試合を再開しようと選手たちが再び各自のポジションに動いている最中に思わぬ出来事が起きた。この日、1ゴールを決めたレンジャーズケントが、センターサークル付近に転がったボールを拾おうとした際、セルティックブラウンが先に反応し、自身の背中にボールを通して横に放り投げた。これを見たケントは憤怒し、ブラウンに近づいたかと思った次の瞬間、左手を素早く出してブラウンの顔面に左パンチをヒットさせ、ブラウンはそのままピッチに倒れこんだ。

セルティック主将ブラウンを同僚MFマグレガーが擁護 「それもフットボールの一部」

 直後に両軍の選手たちが駆け寄って一触即発の騒動となるも、その場はカードが提示されずに収まった。試合はそのままセルティックが2-1で逃げ切ったが、ブラウンパンチを浴びた決定的ショットは、スポーツ専門局「ESPN」コロンビア版が「ロッキーバルボア? いや、ライアンケントだ!」と触れ、無名だったボクサーのサクセスストーリーを描いた人気映画「ロッキー」の主人公を引き合いに出すなど、結果以上に注目を集めていた。

 英公共放送BBC」によれば、レンジャーズスティーブン・ジェラード監督はブラウンが選手を挑発しており、罰せられるべきだと主張したという。しかし、セルティックスコットランド代表MFカラム・マグレガーは、相手のモレロス、ケントと揉めたブラウンについて「スコットは何も悪いことはしなかった」と述べ、「それもフットボールの一部だ」との見解を示した。

 ピッチにファンが乱入するなど大荒れとなった試合は、ダービーの歴史に刻まれることになりそうだ。(Football ZONE web編集部)

因縁の対決で衝撃のワンシーンが生まれた【写真:Getty Images】