TOKYO MX地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。4月2日(火)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、ヤフー MS統括本部マーケ本部長井上大輔さんを中心に、労働生産性が低い日本にとって「働き方改革」とともに必要なことについて議論を交わしました。

◆長時間労働規制が柱

長時間労働に対する規制を柱とする働き方改革関連法が、4月1日(月)からスタートしました。これは、労働者の過労死や健康被害を防ぐのが目的で、企業には実効性のある取り組みが求められます。
但し、今回の対象は大手企業のみで、中小企業は1年後の2020年4月からとなっています。

残業規制のほか、労働時間把握義務、インターバル規制努力義務、有給休暇の5日義務化、高度プロフェッショナル制度、フレックスタイム制の最大3ヵ月化などが施行されていますが、井上さんは働き方改革とともに重要なこととして“上層部の意思決定力”を挙げます。


◆労働生産性はG7ワースト

井上さんはアウディジャパン、ユニリーバ、ニュージーランド航空といった外資系企業で、マネージャーなどを歴任してきました。そこで、日本と欧米の労働を比較します。

イギリス国家統計局によるG7各国の労働生産性調査(2016年)によると、日本は大差をつけられての最下位。結果は以下の通りです。

ドイツ……135.5
フランス……129.6
アメリカ……129.2
イタリア……111.7
イギリス……100
カナダ……99.4
・日本……92.0


これは、イギリス政府が自国を基準(100)として、労働生産性が低いことを注意喚起するためのデータだったそう。井上さんは「日本はさらに低く、圧倒的な最下位で残念な結果」と言います。


◆違いは「リーダー」にあり

この数字を踏まえ、日本と欧米では「リーダー」に大きな違いがあると指摘します。

「海外では、意思決定をしない人は評価されない。責任を負うリスクもあるが、意思決定をしない人は駄目なリーダーだという文化が根付いている。日本は決断することに対する意識が、欧米に比べて甘い」

上層部が決断をしないことで無駄な会議が増え、その会議に必要となる情報収集や資料作成に時間を費やす……。といったことが、部下にとって作業効率の悪循環を生みます。井上さんは「これでは、労働生産性が上がるはずない」と嘆きます。


「働き方改革」が生産性を上げることの一助にはなるとはしつつも、次のように主張します。

「働き方改革で労働生産性を上げていくのは必要なことだが、対症療法だけでは根本的な解決にはならない。何が根本的な原因なのかを考え、それらを取り除いていかなければならない」。

社会学者の西田亮介さんは、別の観点から問題点を指摘します。

「日本の職場は仕事が多過ぎで、人を増やすべき。労働基準法の問題で人を増やしにくくなっているので、制度設計をどうするのかということも考えていかなければならない」。


また「労働生産性を上げることは難しい」と前置きし、次のように述べます。

「無駄な会議をなくせばいいと思うが、『昔からやっているから』などと言って上層部はなくさない。日本の会社は会議だらけ。まず、上層部が変わらないことには変化していかない。しかし上層部は、それよりも上の人によってコントロールされているわけで、現状を変えていくことができるのか」。

井上さんは自身の経験をもとに

「上層部はもちろん、全ての人が意思決定力を意識・強化していかなければならない。加えて、意思決定する人を評価し、意思決定できない人を評価しないという文化を作り、社会全体で意思決定力を育んでいかなければ、生産性は上がっていかない。今回のような議論をもっと活性化させて、社会全体を変革していくことが必要」

と訴えました。

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイトhttp://s.mxtv.jp/morning_cross/

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