ブンデスリーガの行方を占う大一番が迫っている。6日、2位バイエルンが首位のドルトムントホームに迎える伝統の一戦“デア・クラシカー”が開催される。両チームの勝ち点差はわずか“2”。バイエルンが勝利すれば首位奪取となるが、逆にドルトムントが白星を手にすれば、バイエルンの7連覇阻止と7シーズンぶりのリーグ制覇へ大きく近づく。

 リーグ戦では今回が100回目の対戦となる両チーム(通算対戦成績はバイエルン45勝、ドルトムント25勝、29引き分け)。大注目の一戦を前に、5つのポイントから見どころをおさらいしておこう。

《第11節の対戦結果》

ドルトムント 3-2 バイエルン

■得点者
0-1 26分 レヴァンドフスキバイエルン
1-1 48分 ロイス(PK/ドルトムント
1-2 52分 レヴァンドフスキバイエルン
2-2 67分 ロイス(ドルトムント
3-2 73分 パコ・アルカセル(ドルトムント

写真=ゲッティイメージ

◆至高のウインガー対決「サンチョvsニャブリ」


 勝負を決する違いになりそうなのが、どちらも好調をキープしているドルトムントジェイドン・サンチョバイエルンのセルジュ・ニャブリだ。前者はリーグトップの13アシストを誇り、後者は公式戦10ゴールを決めている。崩しの局面ではキレのあるドリブルで一気に局面を打開する両ウインガーパフォーマンスが、天王山の行方を大きく左右するはずだ。

 ブンデスリーガで最も「旬」な選手であり、左右両サイドを遜色なくこなす2人(サンチョは右にやや適性があるか)をいかに抑えるか。これが両チームの大きな課題だが、どちらもサイドバックに不安を抱えている。左の主戦だったアクラフ・ ハキミとアブドゥ・ディアロが負傷離脱中のドルトムントは、右もトレーニングに復帰して間もないピシュチェクが出場できるか不透明。一方のバイエルンも、左SBのダヴィド・アラバが筋肉系のトラブルを克服したばかりだ。

◆中2日で臨むバイエルンのスタミナは?


 デア・クラシカーに中6日で臨むドルトムントに対し、バイエルン4月3日のDFBポカール準々決勝で計9ゴールが飛び交う試合を終えたばかり。最終的に5-4で勝利したものの、トーマス・ミュラーが「クレイジーな一戦」と語り、心身ともに消耗する試合をこなしたのは間違いない。果たして、ゲーム終盤に足が止まらないか。時計の針が進むに連れて、ドルトムントスピードについていけなくなった前回対戦時(第11節)と同じ轍を踏む恐れがある。

 後半からピッチに立ったロベルト・レヴァンドフスキや“鉄人”ジョシュア・キミッヒはともかく、フル出場したマッツ・フンメルス、チアゴ・アルカンタラあたりのスタミナが最後まで持つのか気になるところだ。「ミスをした方が負ける」と意気込むニコ・コヴァチ監督のベンチワークが重要なのは言うまでもない。

◆第一子が誕生したロイスのパフォーマンス


 前節のヴォルフスブルク戦でアディショナルタイムに2得点を挙げるも、腕を痛めたパコ・アルカセルの出場に黄信号が灯っている。リュシアン・ファーヴル監督は前日トレーニングで可否を見極めるようだが、チームトップスコアラー(16ゴール)を欠くようだと、ドルトムントにとっては大打撃だ。ただ、最も頼りになるアタッカーが戻ってきた。マルコ・ロイスだ。

 恋人の出産に立ち会うべく、ヴォルフスブルク戦を欠場したキャプテンがいるといないでは、チームの攻撃力は大きく変化する。サンチョが伸び伸びとプレーできるのも、ロイスが相手守備陣の注意を引きつけてくれるからだ。4月1日に誕生した愛娘に捧げるゴールを決め、まだ手にしたことのないマイスターシャーレをグッと引き寄せられるか。

レヴァンドフスキの「通算200ゴール」達成なるか


 ブンデスリーガ通算200ゴールに王手をかけているレヴァンドフスキも、ロイスやサンチョ、ニャブリと並ぶ主役候補だろう。今回の頂上決戦でドイツ人以外では史上初となる金字塔を打ち立てる可能性は小さくない。なにしろ公式戦5戦連発中と大きな波に乗っている上、デア・クラシカーで通算12ゴールと他の追随を許さない実績を誇っているのだ。

 今や「ミスタークラシカー」とも称されるストライカーが、この大一番で2ゴールを挙げるようなら、デア・クラシカー最多得点者であるゲルト・ミュラーにも肩を並べることになる。なお、今季のブンデスリーガレヴァンドフスキに最も多くのアシストを決めているのはキミッヒ(4)。CK、クロスを含む高精度の右足キックは注目に値する。

リベリーにとっては「最後の大一番」の可能性も


 バイエルンとの契約が今シーズン限りで切れるフランク・リベリーにとって、最後のデア・クラシカー、最後のビッグマッチになるかもしれない。まだDFBポカール決勝の舞台に立つ可能性が残っているとはいえ、そのコンペティションにドルトムント以上の好敵手は不在。翌日に控える自身36回目の誕生日を祝うためにも、今回の一戦に期する思いは人一倍強いはずだ。ちなみに、盟友のアリエン・ロッベンは残念ながら怪我による欠場が決まっている。

 ドルトムントバイエルンビッグイヤーをもたらした名将オットマー・ヒッツフェルトは『オムニスポーツ』で「サンチョは若い頃のリベリを思い出させるよ」と語っていたが、契約延長を希望するリベリーとしてはまだ“過去の人”になるつもりはないだろう。ニャブリ、あるいはキングスレイ・コマンとの交代でピッチに立ち、ドルトムントの脅威になってもおかしくない。

文=遠藤孝輔

6日、リーグ戦通算100回目のデア・クラシカーがキックオフを迎える [写真]=Getty Images